芝生用除草剤の選び方とランキングを紹介。日本芝やティフトン芝に使えるおすすめ除草剤、除草剤の効果を高める展着剤、撒くタイミングや芝の手入れ方法について解説しています。
芝を枯らさない、芝生用除草剤ランキング10選!
農家webでは、農家や家庭菜園など農業者が誰でも無料で簡単に農薬を検索できる「農薬検索データベース」を運用しております。このサイトからよく検索されている、利用されている順をべースに芝生用除草剤をご紹介します。
第1位 シマジン
シマジンは、スイスの製薬会社・チバガイギー社が開発した土壌処理剤(除草剤)で、日本では古くから使用されてきています。水稲畑苗代、ジャガイモ等の栽培初期(播種後、植付後)に、雑草発生を防ぐために散布される他、ゴルフ場の芝生でも使用されます。日本芝、ティフトン芝で使用できる除草剤で、フロアブル剤、粒状と様々あります。1年生の広葉雑草、特にイネ科雑草に効果を発揮します。
特にティフトン芝に使える点で重宝されている除草剤といえます。
第2位 グリーンアージラン液剤 (石原バイオサイエンス(株)、理研グリーン)
アージランは日本芝(高麗芝(コウライシバ)、野芝など)で使える葉茎処理剤で、芝の生育にとって有害なメヒシバやスズメノカタビラ(生育中)を防除することができ、生育中の広葉雑草にも高い効果:特にキク科雑草(ヒメジョオン、アレチノギクなど)に有効です。成分はアシュラムで、アシュラムを成分にした除草剤は他に、アージラン、アシュラスター、ユーピーエルアシュラスターなどがあります。
第3位 バサグランターフ
バサグランターフはBASFジャパンが販売する芝用のバサグランです。茎葉処理により取りこぼした一年生広葉雑草を防除できます。問題となるSU低感受性のヒメクグにも有効で、土壌処理剤との体系処理や混用処理など色々な散布プログラムが組めます。
第4位 ザイトロンアミン液剤 (石原バイオサイエンス(株))
成分 トリクロピル(PRTR・1種)
ザイトロンは日本芝(高麗芝(コウライシバ)、野芝など)で使える葉茎処理剤で、広葉雑草に高い効果を発揮する選択性の葉茎処理剤です。多年生の難防除の広葉雑草にも強い除草効果が期待でき、10〜15日でしっかり効果が出ます。逆にイネ科雑草には効果がないため、イネ科雑草の駆除には別の除草剤が必要になります。
第5位 シバキープAL (レインボー薬品(株)) (液剤)
成分 MCPP(フェノキシ酸系)
日本芝(高麗芝(コウライシバ)、野芝など)とケンタッキーブルーグラスに使用できます。シロザ、コニシキソウ、タデ類、イヌビユ、ブタクサ等の一年生広葉雑草に効果を発揮し、スギナもしっかりと枯らします。
第6位 2,4-D「石原」アミン塩(24d)
2,4-D「石原」アミン塩は、石原バイオサイエンス(株)が販売している、茶褐色液体の選択制除草剤です。成分は2,4PAジメチルアミン塩49.5%で、人畜毒性、環境影響が少なく、ホルモン・吸収移行型の茎葉処理剤です。オーキシン様の作用をもち,雑草の茎葉や根から吸収され,体内の植物ホルモンバランスを攪乱させることで生理的な障害を与え,茎葉を捻転(よじれ)させるなどののちに枯死させます。
広葉雑草によく効き、イネ科雑草には効果が弱いこと、日本芝だけでなく、センチピードグラスに対しても安全性が高く、養生中の雑草管理にも使えるのが特徴です。
第7位 MCPP液剤 (丸和バイオケミカル株式会社)
成分は、メコプロップ(MCPP)で、メコプロップ(MCPP)は、オーキシン型の植物ホルモン作用を有し、植物ホルモン作用を攪乱することによる細胞分裂異常により除草活性を有するフェノキシ酸系除草剤になります。
広葉雑草、特にクローバーなどの一年生の広葉雑草、またスギナに代表されるトクサ科の雑草に強い効果を発揮し、逆にイネ科雑草には効果がないため、芝生で安心して使用できます
雑草の発生揃い期から生育初期で高い茎葉処理効果を示すだけでなく、浸透移行性があるため、幅広い処理適期を有し、非常に使い勝手が良い液剤です。
高麗芝や野芝などの「日本芝」や「バミューダグラス(バーミューダグラス)」、またケンタッキーブルーグラスと、幅広い芝で使用することができます。
第8位 シバキープⅢ粒剤 (レインボー薬品(株))
成分 メコプロップPカリウム塩、DBN
芝生に生える雑草だけを枯らす土壌処理剤で、日本芝(こうらいしば)や観賞用ジャノヒゲに優しく、雑草は根までしっかり除草でき、約4カ月間効果が持続します。
第9位 シバキーププラスα(肥料入り) (レインボー薬品(株)) (粒剤)
成分 トリアジフラム(トリアジン系)、DBN(ニトリル系)
この商品は、除草効果に加え、チッソ(窒素)、リンサン(リン酸)、カリウムの三大要素のほか、二次要素であるマグネシウムまでも含有し、除草しながら施肥できる商品になります。
この他、よりグレードの高い「シバキープpro」があります。
第10位 シバゲンDF (石原バイオサイエンス(株)) (粒剤)
成分
フラザスルフロン水和剤
説明
ゴルフ場の芝生の除草を目的として開発された製品です。葉茎処理効果と土壌処理効果を併せ持つため、時期に関係なく使用できます。
また、除草対象の雑草は最も幅広く、イネ科、カヤツリグサ科、広葉タイプの一年生雑草から、多年生雑草まで効果を発揮します。芝生に生える厄介な雑草の代表種、スズメノカタビラやメヒシバ、また地下茎を作るハマスゲ、ヒメクグ、チドメグサ、カタバミもしっかり枯死させます。
更に、ゴルフ場用に開発されているだけあって、日本芝(野芝(ノシバ)や高麗芝(コウライシバ))のみならず、ティフトンで有名なバミューダグラスなどの西洋芝(ベントグラスは除く)、また近年繁殖させ易さで普及しているセンチピードグラスでも使用できる、おすすめの除草剤です。
芝生用除草剤はこのほかたくさんあり、有名なものではシバニードアップ、シバニードシャワー、シバニードグリーン(住友化学園芸)などがあります。
芝生にはどんな雑草が生えてくるのか
芝生に生える代表的な雑草としては、スズメノカタビラ、ハマスゲ、オヒシバ、メヒシバ、スギナ、ドクダミ、セイタカアワダチソウ、カタバミ、オオアレチノギク、シロツメクサ(クローバー)、トクサススキの穂、ツメクサなどが挙げられます。下記ではそれぞれの特徴と駆除、防除方法を徹底解説していますので、ご参考ください。
芝生除草剤の注意点 どんな芝生でも使えるの?
日本で販売されている芝生用の除草剤は、主に日本芝(高麗芝(コウライシバ))の使用を想定しています。西洋芝に使えるかどうかは、商品によって異なるので、商品説明を必ず確認してください。
また、ベントグラスのように薬剤に強くない種類の芝もあります。このタイプの芝は除草剤を撒くことはできません。草刈りや草取りで対応するか、液体の葉茎処理剤系の除草剤を雑草に直接ハケなどでハケ塗りしてください。
除草剤の効果を引き出す展着剤
展着剤とは、界面活性剤や接着剤となるパラフィンや樹脂酸エステルを有効成分としたもので、薬剤の付着性や浸達性を高めたり、溶けにくい水和剤や乳剤などの混用性を高めて、除草剤の効果のムラを減らす働きをしてくれます。
下記は除草剤との併用に非常におすすめの展着剤です。
商品名 | サーファクタントWK、30 | クサリノー |
---|---|---|
概要 | ||
タイプ | アジュバント (除草剤) | アジュバント (除草剤) |
補足 | クチクラワックスを溶解して表皮細胞中へ農薬を浸透させる。 グリホサート系、グルホシネート系除草剤だけでなく、芝生に使うMCPPなどの選択制除草剤の効果も高める。また、土壌処理型除草剤の葉面吸収も促進させる等、かなりの種類の除草剤で使用可能。 | ジクワット、パラコート、プログリックスLなどのカチオン型茎葉処理剤に適合し、効果を高める (アルソープ30も同様の効果) |
製造、販売元 | 丸和バイオケミカル | 日本農薬 |
展着剤についてより詳しい情報は、ぜひ下記を参考にしてください。
薬害を避けるために、適用表を確認して正しい希釈率、水量で使用するようにしてください。
除草剤はいつ撒けばいいの?
「土壌処理剤」を使用する時期は、雑草が発生する前や、まだ生え揃っていない時期になります。このため、撒く時期の目安としては、施肥を行ってある程度経過した4月〜5月初旬くらいになります。
「茎葉処理剤」は、雑草が発生して育っている時期に使用します。葉や茎にしっかりかかると効果が出るためです。このため、撒く時期の目安としては、雑草がある程度生長する5月半ばから、雑草の様子を見て断続的に使用することになります。
つまり、雑草が発生する前に土壌処理剤を上手く使い、発生する雑草の総量を抑え、それでも生えてきた雑草をピンポイントで葉茎処理剤で退治するようにすると、除草剤の使用を最小限にすることができます。
また広範囲の芝生での除草剤の散布には、噴霧器がおすすめです。
芝の手入れあれこれ
日当たり・水はけ
植物は光合成によってエネルギーを作り、特に芝は日光が大好きで、日当たりが良い場所を好みます。また野外で育てるため、水はけがいい土地が望ましいです。日陰が多い場所の場合は、日照時間ができるだけ少なくて大丈夫な品種にし、刈高を上げてできるだけ葉の面積を多くし、光合成を促進させるなどの工夫が必要になってきます。
水やり・散水
芝は生育期に比較的多くの水やりが必要な植物です。生育期、土が乾いたら水をやるようにしてください。目安としては、一部の葉が徐々に巻いて、丸まっている状態だとすると、明らかに水不足です。
目安は、週に1〜2度で、夏はできるだけそれ以上に散水するといいでしょう。休眠期の冬場は散水する必要はありません。
エアレーション
エアレーションとは、芝生に専用の穴あけ機で穴を開けることで、土壌中の酸素を増やし、透水性を高め、土壌表層に溜まる老廃物であるサッチの分解を促進させ、サッチの蓄積を防ぐために行います。
芝生は畑と違って、一度植えてしまうと、耕耘できません。このため用土が固くなり、サッチが蓄積し、芝の育成を阻害してしまうのです。
エアレーションを行う時期は、芝生の生長がよい時期が適期で、具体的には暖地型は初夏や梅雨明け、寒地型は春と秋が適期になります。
また合わせて、レーキや熊手で蓄積したサッチ、芝草を取り除く、またサッチ分解剤を使ってサッチを除去するサッチングも行ってください。
目土
芝生の管理特有の言葉で、目土「めつち」と読みます。目土は芝生の上に川砂などをかぶせ、覆うことで、サッチの抑制や表面のデコボコを平にしたり、新芽を保護したり地温を保つ効果があったりと、非常に重要です。
具体的には年間に1〜2回、4〜5月、10月に行うのがベストです。
芝刈り
芝刈りは、刈り込むことによって上への成長を止め、芽吹きを促進させて新芽を増やし、密度を高める働きがあるので、欠かせない手入れの一つです。葉が短くなる分、葉の枚数を増やして光合成ほ活発化させ、濃い緑になります。また、芝刈りしないと、芝が伸びっぱなしで害虫のすみかになってしまい、病気になりやすくなります。
生育期は月に2度以上、生育が旺盛で芝が伸びる最盛期は、出来れば週1くらいの頻度で芝刈りしてください。芝刈り機は様々な種類があり、電動、エンジン式、また刈る方式としてはリール式とロータリー式があります。さらに、芝刈り機は芝の際をうまく刈ることはできないので、見た目にこだわる方は、際刈りの為にハンディバリカンも必要になってきます。匍匐茎(ほふくけい)のような横に伸びるランナーは気にせず刈って大丈夫ですが、立ち上がりが目立つならば目土してください。
様々な種類があるので、必要な面積に応じて、ベストなものを選んでみてください。
芝生のおすすめ肥料、手入れに関する記事は下記を参考にしてください。