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水田の除草・防草

水稲(水田) おすすめの後期除草剤と効果的な使い方

水田の除草・防草

除草剤を効果的に使うためには、必要な時期に、その時期に合った除草剤を使うことが大切です。この記事では、水稲のおすすめの後期除草剤の成分や効果の他、効果的な使い方について説明します。

後期除草剤とは

初期剤+中期剤もしくは、一発剤を使って防除した後に、残った雑草に使う除草剤です。

ここまでの除草で防除できなくなって大きくなった広葉雑草や、カヤツリグサ科雑草などの茎や葉に直接散布して作用させる「茎葉処理剤」です。ノビエ等のイネ科植物には効果がないものがほとんどです。

おすすめの後期除草剤

トドメバスMF液剤

有効成分 ベンタゾンナトリウム塩 18.3%、 メタミホップ 1.2%

トドメバスMF液剤の、有効成分メタミホップは高葉齢のノビエに効き、ベンタゾンナトリウム塩は、広葉雑草に効果の高い薬剤が組み合わさった速効性のある葉茎処理剤です。生育の進んだ各種雑草に効果が期待できます。移植水稲だけでなく、直藩水稲でも使うことができます。

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クリンチャーバスME液剤

有効成分 シハロホップブチル 3.0% 、ベンタゾンナトリウム塩 20.0%

吸収移行性の葉茎処理剤で、有効成分シハロホップブチルにベンタゾンが追加され、ノビエ,一年生広葉雑草,ホタルイ,ウリカワ,ミズガヤツリ,ヘラオモダカなどの多年生雑草など,水田で問題になるほとんどの草種に対して高い除草効果を示す後期除草剤です。 取りこぼした雑草やSU(スルホニルウレア)抵抗性雑草に最適です。

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ロイヤント乳剤

有効成分 フロルピラウキシフェンベンジル(通称 リンズコア)2.7%

リンズコアは、新たな骨格を有する合成オーキシンで、効果がすぐに発現します。またユニークな作用機構を持っていて、従来のホルモン剤では効果が期待できない、既存除草剤に抵抗性を発達させた(SU抵抗性の)ノビエ、広葉雑草、カヤツリグサに対しても、幅広い殺草スペクトラムで効果が期待できます。

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粒状水中MCP

有効成分 MCPAエチル…1.2%

粒状水中MCPは、吸収移行性の高い、ホルモン型の選択性除草剤です。水稲生育中期以降の広葉雑草に効果があり、イネ科の雑草には効果がありません。水田から水を落とすことなく、湛水状態のまま散布できます。

オオアブノメ、マツバイ、ヒルムシロ、ミズガヤツリ、クログワイなどの多年生雑草、ヒエなどのイネ科雑草及び、ウキクサ、クロモ、ホッスモなどの浮草類には抵抗性があり、効果が期待できないので初期中期の体系管理で、防除する必要があります。

後期除草剤の効果的な使い方

まず除草剤の使用方法を確認しましょう。初期剤・中後期剤・一発剤などは灌水して散布するものがほとんどですが、後期剤は落水散布や浅い灌水で散布と書かれているものも多くあります。

これは、除草剤の性質によるもので、その性質に合わせた使い方が必要です。ここでは使用方法別に注意点を紹介していきます。

落水散布又はごく浅く湛水して散布

トドメバスMF液剤も、クリンチャーバスME液剤の使用方法も、「落水散布又はごく浅く湛水して散布」と書かれています。それはこの除草剤が茎葉処理剤であることから、薬剤が付着するところが多いほどよく枯れるためです。

  • できるだけ落水して、散布しましょう。
  • 雑草の茎葉に直接かかるよう丁寧に全体に散布します。
  • 散布後雨が降ると効果が劣るため、2日間は雨の降らない日を選んで散布してください。
  • 散布後少なくとも3日間(浅水処理は5日間)はそのままの状態を保ち、入水、落水、かけ流しは行わないようにします。また散布後7日間は降雨の有無にかかわらず落水、かけ流しはしないでください。
  • 散布時期を適切な時期に。除草剤はその雑草にあった時期に散布しないと効果がでません。パッケージや雑草の様子をよくみて、適期に散布してください。

灌水散布

粒状水中MCPは灌水散布することができます。灌水散布で行える場合は、水管理をしっかり行う必要があります。

  • 漏水防止のため、もぐらなどの小動物の穴や、あぜからの漏水を防ぐためあぜ塗りや、畦畔シートなどを活用してしっかり漏水防止する
  • 水管理が重要です。散布に当たっては、水口・水尻をしっかり止め、必ず止め水にして散布し、散布後も雑草が十分冠水状態を保つようにし、そのまま2日間ほどは田の水を動かさないようにすること。散布後7日間は落水、掛け流しを行なわないでください。

どちらの散布方法でも、散布時期を適切な時期に。除草剤はその雑草にあった時期に散布しないと効果がでません。パッケージや雑草の様子をよくみて、適期に散布してください。

また後期剤は、初期剤・中期剤・一発剤との体系処理が欠かせません。地域の雑草の生える時期や、雑草の種類によってそれぞれに合った除草剤をうまく使いましょう。

除草剤の体系処理とは

田んぼには毎年同じ時期に、同じ雑草が生えてきませんか。除草剤をつかっているのに、全然効果がないと思っている人には、事前にしっかり雑草の生える時期・種類を見極めて除草剤を体系的に使ってみることをおすすめします。

体系処理とは、当初から計画的に、効果のある除草剤を組み合わせて複数の除草剤を使うこと。除草剤は適期に散布しないと効果が半減します。そこで発生する雑草の適期に合わせた、効果のある除草剤を使うことで、省力化・コスト減にもつながります。

初期剤の効果はおおよそ15日~20日しかないため、その後に発芽した雑草には効果がありません。中期剤をつかって体系的に防除する必要があります。

一発剤は便利で長く効果がでますが、コストも高めで、田植直後には散布できないものもあります。初期剤+中期剤を使った方がうまく防除できる場合もあります。散布の時期と雑草の発芽時期を見極めて、どちらが良いか見極めて使いましょう。

ここまでの体系で防除できなかった場合に、後期剤をつかって個別にそれぞれの雑草にあった除草剤で、除草しましょう。

しつこい難防除多年性雑草の除草

 ホタルイ、クログワイ、オモダカ、シズイなどの多年生雑草が残っていたら、稲刈り後にも除草剤をまきましょう。多年生の雑草には、茎葉から薬液を吸収して、根まで枯らすグリホサート系の除草剤が効果があります。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
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