スギナに効く最強の除草剤(茎葉処理剤)
スギナは多年生の植物で、非常に広く深く地下茎を張り、一部の地下茎からでもどんどん生長する高い繁殖力、また草刈りなどで衝撃を与えると、辺り一面に胞子を撒き散らして繁殖を促すという面でも、最も厄介な最強クラスの雑草です。
そんなスギナには、根まで枯らすグリホサート系の除草剤がおすすめです。
ラウンドアップマックスロード
ラウンドアップマックスロードの成分は「グリホサートカリウム塩」で、旧ラウンドアップやサンフーロンといった多くのジェネリック商品は、「グリホサートイソプロピルアミン塩」です。
「グリホサートカリウム塩」の方が、散布後の雨に強く、雨が降っても効果が持続しやすい、また早朝の農作業で朝露が付いても、効果が減少しない特性があります。
スギナの除草剤としてラウンドアップを使う場合は、ラウンドアップマックスロード原液の場合は25倍に希釈して使います。時期は春にスギナが20㎝~30㎝に生えそろった時に、節から薬剤がしたたり落ちるまでしっかり散布します。
茎葉処理剤の除草剤は、従来雨にながされやすく、早朝にまくと朝露で効果が落ちるといわれてきましたが、ラウンドアップマックスロードは、朝露に強く雨も薬剤をまいてから1時間ほどたてば効果が低下しないため、飛散防止のため晴れた日の早朝にまくとよいでしょう。
名前 | ラウンドアップ マックスロード | ラウンドアップ マックスロードAL | ラウンドアップ マックスロードALii | ラウンドアップ マックスロードALiii |
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概要 | ||||
タイプ | 原液 | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) |
特徴 | 希釈用。 農耕地で使え、経済的 | 基本タイプ | 基本+速効性 | 基本+速効性+持続 |
農耕地使用 | 〇 | × | × | × |
タッチダウンiQ
タッチダウンiQは、シンジェンタ ジャパン(株)が販売する、最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)の一つで、こちらも、成分は「グリホサートカリウム塩」です。
また、またタッチダウンの界面活性剤は、拡展タイプと浸透タイプが絶妙なバランスでブレンドされていて、広さと浸透がバランス良く作用し、効果が促進されるようになっています。
スギナに効く最強の除草剤(土壌処理剤)
クサノンEX粒剤
住友化学園芸が販売するクサノンEY粒剤は、ターバシル・フルミオキサジン、2種類の有効成分で、スギナ、ドクダミ、ススキ、ヤブガラシ、シロツメクサなど各種雑草の葉や茎だけでなく根までスッキリ枯らすことができる微粒の土壌処理剤です。低温時にも使え、植栽地を除く樹木等の周辺地に撒くことを想定した薬剤です。
カダン除草王
フマキラーが販売する、「カダン除草王」の成分カルブチレートは、非ホルモン型吸収移行性の尿素系の微粒(粒状)除草剤であり、雑草・草の光合成阻害により除草します。
カダン除草王は、細粒の非選択制除草剤で枯れにくい雑草まで、根っこまで枯らすことができます。効果は最大約6ヵ月間と長期間持続することも特徴です。
非選択性で全ての植物、庭木に影響を与えるため、植物、庭木を植えている、植える予定の花壇やまた畑、水田といった農地ではなく、道路や空き地等で撒けることを想定した商品です。
カソロン
スギナに効果のある土壌処理剤は、農耕地で使えるものは少ないですがアグロカネショウなどから販売されているカソロンは、製品によってことなりますが果樹の一部や、水田畦畔などでも散布することができる土壌処理剤です。成分はDBN(2,6-ジクロロベンゾニトリル (別名: ジクロベニル)(PRTR・1種))とは、非ホルモン系の除草剤で,根部や生長点から吸収される移行型です。細胞分裂を阻害することで枯れさせる効果があります。
濃度のより、3種類の製品があります。
粒剤2.5 | 粒剤4.5 | 粒剤6.7 |
スギナを除草するポイント
スギナに除草剤を使ったが、全部枯れなかった、また生えてきてしまったという方もいるかと思います。スギナがすでに何年も生えている場合には、地下にはスギナの根が張り巡らされているかもしれません。
そのような場合には、1度除草剤をまいただけでは、なかなか全部を駆除することは難しいため、時間をかけてしっかり駆除しましょう。駆除のポイントは下記の4つです。
- スギナに合った除草剤を、散布すること
- 展着剤で除草剤の効果を高める。
- 除草剤の茎葉処理剤は、複数回散布する
- 土壌処理剤などで生育初期に防除する
では、順に細かく説明していきましょう。
展着剤で除草剤の効果を高める
展着剤とは、界面活性剤や接着剤となるパラフィンや樹脂酸エステルを有効成分としたもので、薬剤の付着性や浸達性を高めたり、溶けにくい水和剤や乳剤などの混用性を高めて、農薬の効果のムラを減らす働きをしてくれます。
展着剤は、使う農薬に合わせて選ぶのが大切です。グリホサート系には、「サーファクタントWK、30」という除草剤に機能性展着剤(アジュバンド)などが使えます
また展着剤ではないですが、肥料の尿素も、農薬に混ぜると農薬の効果を高めるといわれています。尿素を入れることで、除草剤に速効性が出て枯れ始めが迅速になり、また希釈濃度を薄くしてもしっかり効果が出るので、効果にムラが出にくくなります。
葉茎処理剤は複数回散布する
スギナにグリホサート系の除草剤をまくのは、スギナが生長してきて背丈が15㎝~30㎝ほどになったころですが、すべてのスギナが同時に生長するわけではなりません。1回目の散布から10日ほどたってから、まだ緑色のスギナが残っていたらそこに再度噴霧器やジョウロを使って散布します。
ただし、除草剤の散布回数は作物や適用場所によって決められていますので、ラベルにかかれた散布回数以上は散布しないようにしてください。
生育初期に土壌処理剤で防除する
秋から冬になると、スギナの地上部は衰退し枯れたように見えますが、冬には地表面で越冬しようとするつくしが見れます。これはまだスギナが完全に枯死せずに生きて冬越しし、春を待っています。生育期にしっかり除草したつもりでも、スギナにしっかり除草剤がかからなかった、またはかかっても根まで枯らすほどの十分な薬液ではなかった場合などが原因です。
そこで生育初期に土壌処理剤を散布しましょう。スギナの防除に最適なもので、駆除した後の春先などにしっかり撒けば、スギナが新しく生えてくることを長期間防ぐことができます。しかしスギナに効果のある土壌処理剤は、ほとんどが非農耕地用の非選択性です。他の植物も生えてきませんので、散布場所には注意が必要です。