スギナの特性
まずはスギナの特性について説明します。除草剤を使う上で植物の特性を知ることはとても重要です。その特性により、効果的な除草剤を選ぶことができます。
スギナは多年草で、一部の地下茎からでも繁殖し、少し経っただけでスギナだらけになるくらいの高い繁殖力を持っています。地下茎を伸ばして地中に根びこってしまうため、引っこ抜いても、地下茎の一部は地中に残存し、またそこから繁殖するため、本質的な駆除にはならないケースが多いです。地下茎の張り巡らし方を指して「地獄草」とも呼ばれます。
また、草刈などで衝撃を与えると胞子を撒き散らして、より多くのスギナの繁殖を産んでしまうという、誠に厄介な難防除雑草の代表格です。
サンフーロンの効果
ではスギナには除草剤のサンフーロンは使えるのでしょうか。答えはスギナの除草にサンフーロンはおすすめです。サンフーロンはスギナがすでに生えている場所の除草に使うことができます。
除草剤は簡単には、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。サンフーロンは、「茎葉処理剤」で主な成分は「グリホサート」です。
グリホサートの大きな特徴としては、すでに伸びている雑草の葉茎を枯らす効果と、接触した茎葉から植物全体に広がる、吸収移行性をもっているため根も含めて全体を枯らす効果があります。非選択性(どんな植物にも効く)のため、農業に使用する場合など、散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。
スギナは地下茎が厄介で、地下部をしっかりと枯らすことが重要なので、地下部の根や地下茎まで効果が効いて全てを枯らす、グリホサート系のサンフーロンは効果的です。
サンフーロンの特徴
サンフーロンは、大成農材(株)が販売する、除草剤ラウンドアップの初代のジェネリック品で、成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩41%です。初代のジェネリック製品は他にもエイトアップやグリホエースなどがあります。
最大の特徴は、ジェネリック製品なので安価に手に入れることができる点です。価格は、500mlで市場価格650円程なので、ラウンドアップマックスロードに比べると、その3分の1以下と大変リーズナブルです。効果は、グリホサート イソプロピルアミン塩の他の製品と変わりません。このため、経済的にご利用可能です。
現在のラウンドアップマックスロードとの違いは、下記に詳しく説明しています。興味のあるかたはお読みください。
サンフーロンの使い方
サンフーロンは、液剤の除草剤原液なので、希釈して薄めて使用します。スギナの除草剤としてサンフーロンを使う場合は、25倍に希釈して噴霧器かジョウロをつかって散布します。時期は春にスギナが15㎝~30㎝に生えそろった時に、節から薬剤がしたたり落ちるまでしっかり散布します。出芽前のスギナには効果がないので、10日おきに3回ほどまくとより効果的です。
サンフーロンは茎葉処理剤ですので、散布前後の雨には注意が必要です。雨上がりの場合は、水滴が乾いてから、また散布後6時間以内に雨が降ると効果が劣ることがあるので、雨の降らない日を選んで散布しましょう。朝露の水滴も雨上がり同様に乾いてからがよいでしょう。
(サンフーロンは農薬登録された農薬です。実際に使う場合はラベルや使用上の注意をよく読んで使用してください。)
参考:サンフーロン公式HP
除草剤の効果を高める方法
展着剤の活用
展着剤は薬液の濡れ性、付着性、拡展性、懸垂性などを強化し、薬液を均一に付着させる効果を持っています。除草剤用の展着剤では、サーファクタントWK、サーファクタント30、クサリノー、バスファテンが有名です。
商品名 | サーファクタントWK、30 | クサリノー |
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概要 | ||
タイプ | アジュバント (除草剤) | アジュバント (除草剤) |
補足 | クチクラワックスを溶解して表皮細胞中へ農薬を浸透させる。 グリホサート系、グルホシネート系除草剤だけでなく、芝生に使うMCPPなどの選択制除草剤の効果も高める。また、土壌処理型除草剤の葉面吸収も促進させる等、かなりの種類の除草剤で使用可能。 | ジクワット、パラコート、プログリックスLなどのカチオン型茎葉処理剤に適合し、効果を高める (アルソープ30も同様の効果) |
製造、販売元 | 丸和バイオケミカル | 日本農薬 |
除草剤用の展着剤の特長や使い方は、下記に詳しく解説していますので、是非ご参考ください。
尿素で除草効果UP
尿素は代表的なチッソ肥料ですが、農薬に少量を混ぜ込ませると、農薬の効果を高めると言われています。理由は、尿素が植物の葉の表面のワックス層やクチクラ層の細胞をゆるめ、農薬を浸達しやすくするためと言われています。混ぜ込ませる量は、希釈した除草剤20Lに一掴み程度の少量が目安です。
尿素を入れることで、除草剤に速効性が出て枯れ始めが迅速になり、また希釈濃度を薄くしてもしっかり効果が出るので、効果にムラが出にくくなります。結果、使用する除草剤の原液量が減るため減農薬となり、コストも少なくなります。大量の除草剤を撒く必要がある農家の方には、おすすめの方法と言えます。
その他 スギナに効果的な除草剤
この他にもグリホサート系の除草剤には、ラウンドアップマックスロードや、エイトアップなどがあります。ラウンドアップマックスロードは、散布後の雨に強いなどの効果があります。
またラウンドアップはスギナが生えてきたら使う除草剤ですが、草が生えてきていない時期に散布し、地面に膜を張って、新しく生えてくる雑草を抑える土壌処理剤もあります。土壌処理剤には住友化学園芸の「クサノンEX粒剤」などがスギナに使えます。