スギナの特性
スギナを除草するには、まずスギナの特性を知っておきましょう。スギナはトクサ科の多年草でシダ植物に属します。シダ植物は、タネではなく胞子で増えます。春になるとツクシが顔をだし、ツクシが枯れた後に芽を出します。
スギナの胞子はツクシの頭の部分に含まれています。また胞子以外にも地下茎でも繁殖します。この地下茎がやっかいで、引き抜いても地下茎の一部が残ってしまい、そこから繁殖してしまうのです。また多年草なため、寒くなると地上部は枯れますが、根っこは生きていためまた春になると、芽をだします。
除草剤を使うベストな時期
草刈りなどでは難しいスギナの除草ですが、いつどんな除草剤を散布すればよいのでしょうか。除草剤には様々な種類があり、それに合わせた除草剤を、最適な時期にまくことが大切です。
すでにスギナが大きく成長している場合
除草したいと考えているかたは、おそらくスギナが大きくなってきて、なんとかしたいと思っている人が多いのではないでしょうか。
除草剤には大きく分けて、生長した茎葉に散布して枯らす「茎葉処理剤」と発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」があります。スギナが大きくなっている場合は、「茎葉処理剤」を散布します。茎葉処理剤は、さらに地上部の葉茎だけを枯らすグルホシネート系などの除草剤と、地下の根や地下茎まで枯らす効果のあるグリホサート系の除草剤があります。
スギナは地下茎がやっかいな雑草ですので、グリホサート系の除草剤がおすすめです。散布に最適な時期は4月~6月、草丈20㎝~30㎝になりスギナの背丈がそろっているときに散布するのがおすすめ。
グリホサート系の除草剤は、葉や茎から薬剤を吸収させ、それが根まで移行する(吸収移行性といいます)のが特徴なので、葉や茎が小さいと根を枯らすほどの薬液を十分に吸収できない可能性があるからです。また製品によっては散布後雨が降ると効果が落ちる製品もあります。製品によって異なりますが、散布後6時間は雨が降らない日を選んで、午前中に散布するのがおすすめです。
スギナの生育初期に
成長した雑草には、茎葉処理剤を使うのが効果的ですが、除草剤には、まだ雑草が生えていない時もしくは成長初期に、土壌に散布することで雑草の繁殖を防ぐ「土壌処理剤」があります。
スギナに土壌処理剤を散布する時期は、生長初期が適期です。。スギナは生長期が春なので3月後半から4月に草丈が20㎝以下の時に散布しましょう。根茎まで枯らすことができます。
土壌処理剤は、イモ(塊根・塊茎)から成長するスギナなどの雑草には効力が十分でない可能性もあります。土壌処理剤をつかっても生えてきたスギナのは、ある程度成長させてから、さらに茎葉処理剤をまいて除草して駆除するとよいでしょう。。土壌処理剤は粒剤が多いので、乾燥していると効果が落ちるため雨の後など土壌がある程度湿っているときに散布するのがおすすめです。
スギナにおすすめの除草剤
茎葉処理剤
スギナには、グリホサート系の茎葉処理剤がおすすめです。グリホサート系の除草剤は非選択性なので、薬液がかかった他の植物も枯らしてしまいます。農作物など枯らしたくない植物がある場合には気をつけましょう。
グリホサート系の除草剤は、ラウンドアップマックスロードや、旧ラウンドアップのジェネリック製品のサンフーロンなどの液剤があります。家庭用などでは、希釈されているラウンドアップマックスロードAL剤や、ネコソギロングシャワーV8なども便利ですが、スギナは通常の雑草より希釈濃度を高く散布するのがおすすめなので、希釈するものを使う場合はたっぷり散布しましょう
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | ネコソギロングシャワーV8 |
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概要 | |||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | レインボー薬品(株) |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサート イソプロピルアミン塩 |
農耕地使用 | ○(AL剤は不可) | ○ | ✖️ |
土壌処理剤
茎葉処理剤で除草した翌年に、残ったスギナを防除する効果もある土壌処理剤、スギナには、クサノンEX剤やカダン除草王などがあります。こちらはどちらも農耕地での使用はできないため、農耕地ではカソロン粒剤などがスギナに効果があります。
商品名 | クサノンEX粒剤 | カダン除草王 | カソロン粒剤6.7 |
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概要 | |||
販売元 | 住友園芸化学(株) | フマキラー(株) | アグロ カネショウなど |
有効成分 | ターバシル・ フルミオキサジン | カルブチレート | DBN |
農耕地使用 | × | × | 〇 |