ラウンドアップ原液とすでに希釈されているタイプ(AL剤)
ラウンドアップは、日産化学株式会社が製造・販売する、最もメジャーなグリホサート系の除草剤(液剤)です。現在販売されているのは、「ラウンドアップマックスロード」です。
ラウンドアップマックスロードは現在4種類の製品が販売されています。パッケージをよく見ると、名前にALと入っているのは、Applicable Liquidのでそのまま使える液体、つまりすでに希釈されているタイプという意味で、他製品でも見かけます。
AL剤は、希釈済みとのことですが、何倍に希釈されているのでしょうか。有効成分を確認してみると、希釈してつかう原液タイプの有効成分は「グリホサートカリウム塩 48.0%」、AL剤の有効成分は「グリホサートカリウム塩 0.96%」なので、50倍に希釈されていることがわかります。またAL剤は速効性や持続性を持たせた製品があります。
気をつけたいのは、AL剤は家庭用につくられている除草剤です。樹木類以外の畑などの農耕地や植栽地には使えないので注意しましょう。
名前 | ラウンドアップ マックスロード | ラウンドアップ マックスロードAL | ラウンドアップ マックスロードALii | ラウンドアップ マックスロードALiii |
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概要 | ||||
タイプ | 原液 | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) | 希釈済(50倍) |
特徴 | 希釈用。 農耕地で使え、経済的 | 基本タイプ | 基本+速効性 | 基本+速効性+持続 |
農耕地使用 | 〇 | △ (樹木類のみ〇) | △ (樹木類のみ〇) | △ (樹木類のみ〇) |
ラウンドアップの希釈倍率について
次に、ラウンドアップマックスロードの適用表をみてみましょう。適用表は、作物や適用場所ごとに倍率等が決まっていますので、自分の使う場所や雑草にに合わせて使いましょう。
ここでは、作物「樹木等」・適用場所「公園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地、のり面、鉄道等」を例にして説明します。除草剤には、希釈倍率の記載がなくて、代わりに薬量と希釈水量が書いてあります。これは作物への薬害を防ぐために、面積あたりの薬剤使用量が重要だからです。希釈倍率を求めるのは簡単で、希釈水量から薬剤使用量を割るだけです。
適用雑草 | 薬剤使用量 | 希釈水量(通常散布) | 希釈倍率 |
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一年生雑草 | 200~500㎖/10a | 50~100ℓ/10a | 100倍~500倍 |
多年生雑草 | 500~1000㎖/10a | 50~100ℓ/10a | 50倍~200倍 |
スギナ | 1500~2000㎖/10a | 50~100ℓ/10a | 25倍~67倍 |
パッケージをみると、1年生の雑草には100倍、しつこい多年生には50倍、スギナには25倍と高濃度の倍率が推奨されていることがわかります。
原液とALどっちがいい?
原液を希釈するタイプとすでに希釈されたAL剤はどちらを選んだらよいのでしょうか。ここまでの説明で、AL剤は希釈倍率50倍で、一般的な雑草やドクダミやクズなどのしつこい多年草まで使えることがわかりました。
希釈タイプは、次ぎ口がシャワータイプになっているので直接容器のまま撒けるのも便利で、ジョウロや噴霧器も不要で、希釈の手間もいりません。ただし家庭菜園などの畑や花壇の中など、植栽地には登録がないので使用はできないので注意しましょう。
原液を水で薄めて使う希釈タイプは、農耕地用として農薬登録されているので畑や田んぼ、山林でも使うことができます。また葉茎散布するだけでなく、薬液を直接茎やつたなどに注入したり塗布処理することもできます。この場合は希釈せずそのまま原液を使いますので、樹木や竹、葛などに注入処理や塗布処理したい場合は原液を使いましょう。
また価格は、インターネットでしらべてみると原液が500mlで2,180円、ALが1.2Lで1,310円でした。50倍希釈ですので原液の方が経済的にはお得です。しかしALタイプには速効性や持続性のある製品もあります。用途や使用量、雑草の種類などを考えて自分に合ったものを選んでください。