気温が高くなると気になってくる庭の雑草、草むしりや草刈りも大変なので除草剤を使いたいと思っている方もいるのではないでしょうか。掃除などでよく使われる重曹とクエン酸ですが、除草にも効果があるのでしょうか。
この記事では、重曹やクエン酸には除草効果があるのか、またその使い方などをわかりやすく説明します。
除草効果
まず、重曹とクエン酸に除草効果はあるのでしょうか。答えは重曹やクエン酸には除草効果はあります。両方とも除草効果はありますが、より効果的なのはクエン酸です。クエン酸は酸の力で、植物を枯らす効果が重曹より高いといえます。
重曹
重曹の主成分は、弱アルカリ性の性質を持つ炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の粉のことを指します。
重曹の主成分であるナトリウムは、多量に吸収されると植物に害を及ぼす(細胞壊死の進行、また気孔からの水分蒸発を促進させて雑草を枯死させる)ので、ある程度の除草、雑草抑制効果があります。しかしながらそれは、雑草が傷つけられた茎、葉から多量に浸透、吸収した場合です。
通常に重曹を水に溶かして散布しても、市販の除草剤のような効果は期待できません。また家庭で鎌などをつかって雑草を傷つけてから重曹水をまくなどの方法が、効果的と書かれているサイトも見かけますが、実際に根を枯らす効果はあまり期待できないでしょう。
逆に重曹は除草や雑草抑制効果以外の効用の方が多く、殺菌剤等に重宝され、特定防除資材(特定農薬)にも選ばれています。
クエン酸
クエン酸はレモンやミカンなどの柑橘類や梅干しなどに含まれる有機化合物。酸味成分の一種で、酸性の性質を持っています。
クエン酸が植物の表面に付着すると、酸の力で、植物の緑色の天然色素である、葉緑素(クロロフィル)を退化・減少させて光合成を阻害し、植物の生長を阻害して枯死させます。お酢を使った除草剤もあることから酸は植物が枯れる効果があることが伺えます。
除草効果ですが、クエン酸がかかった部分にのみ、効果があります。浸透移行性はないので根は枯らすことはできません。速効性はありますが、効果は長く続きません。雑草が生えてきたらまた散布する必要があります。
使い方
重曹やクエン酸は除草剤として使うにはどのようにつかったらよいのでしょうか。お掃除と同様に水に溶かして使います。
クエン酸を除草剤として使うには、濃度5%ほどが目安です。お掃除などで使われるのは3%程度ですのでそれより濃い濃度で作ります。水1リットルあたりクエン酸50gを水によくとかして使いましょう。
スプレーボトルやジョウロなどに、作ったクエン酸水をいれて枯らしたい雑草に、散布します。雨が降ると流れてしまうので、雨の降らない晴れた午前中に散布するのがおすすめです。
重曹で雑草を抑制したい場合は、目安として水1リットルに対し、100〜200g程の重曹を溶かした(濃度を8%以上)重曹水を散布すると良いでしょう。これくらいの高濃度であれば、繁茂している雑草を完全に枯らすことはできませんが、雑草の生長を半減させる抑制効果は期待できます。
その他の除草剤について
酢
クエン酸と同様に食酢も、除草効果があります。しかも食酢は農薬取締法により安全性が認められた特定防除資材(特定農薬)で、畑などの農耕地でも自由に使用が可能で、人体にも安全です。
酢の主な成分は、酢酸でクエン酸とほぼ同様の性質を持ちますが、違いは酢のほうが、ツンとしたにおいがあること、しかし揮発性が強いので臭いはすぐ消えますが、近隣の方に迷惑がかからないように気をつけましょう。
食酢の大抵酢酸濃度は5%ほどのため、そのまま希釈せず(水に薄めず)に使います。また酢をつかった除草剤も販売されています。食酢より安価で使いやすく加工されていますので、そちらもおすすめです。
その他の除草剤
除草剤はいろいろと種類がありますが、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。
クエン酸は根まで駆除することはできません。多年草の雑草などは、地下部の根や地下茎まで効果が効いて全てを枯らす、グリホサート系の葉茎処理剤がおすすめです。グリホサート系の除草剤には、「ラウンドアップマックスロード 」や「サンフーロン」などがあります。