この記事では、リン酸肥料を自身で作るときに役立つ、作り方の基本、使い方について解説します。
リン酸とは
リン酸(P)は、肥料の三要素の一つで植物の遺伝情報の伝達やタンパク質の合成などを担う核酸の重要な構成成分となります。施肥を考える上では、「実肥」と呼ばれ、開花・結実を促すためにリン酸が必要となります。また、植物全体の生育や分げつ、枝分かれ、根の伸長など様々な要素に関わっています。
リン酸肥料の作り方
リン酸肥料は作れるのか?
市販されている熔リン(ようりん)や過リン酸石灰(過石)、リン酸カリウム剤、リン酸カルシウム剤、亜リン酸肥料等をご自身で作るのはかなり難しいでしょう。
しかし、有機質を組み合わせることでリン酸が多く配合された肥料を作ることができます。
有機質を使ったリン酸肥料の作り方
リン酸の含量が比較的多い有機質を組み合わせて、ぼかし肥料とすることでリン酸の多く含まれた肥料を作ることができます。また、ぼかし肥料にせずとも、それぞれをそのまま散布、混和しても良いでしょう。
例えば、骨粉やバットグアノ、魚滓(魚かす)・魚粉、牡蠣殻などです。ぼかし肥料を作る際には、米ぬかを使用することも多いですが、米ぬかにもリン酸が含まれています。下記に各有機質の成分量のイメージを記載していますので参考にしてください。
肥料 | N (窒素) | P (リン酸) | K (カリウム) | 肥効のタイプ |
---|---|---|---|---|
油かす(油粕) | 多 | 少 | 少 | 緩効性 |
魚かす(魚粕) | 多 | 中 | 少 | 緩効性・遅効性 (但し窒素分は速効性が高い) |
発酵鶏糞 | 中 | 多 | 中 | 速効性 |
骨粉 | 中 | 多 | – | 緩効性 |
米ぬか(米糠) | 少 | 多 | 中 | 遅効性 |
バットグアノ | 少 | 多 | 少 | 緩効性 |
草木灰 | – | 少 | 多 | 速効性 |
ぼかし肥料の作り方は、下記の記事を参考にしてください。
\ぼかし肥料に関する詳細/
リン酸肥料の使い方
リン酸肥料の効率的な使い方は、以下の記事に記載していますので参考にしてください。