専用肥料とは、その作物の栽培に必要な成分が配合された便利な肥料です。ここではインターネットや店で購入できるニンニク専用肥料について、肥料成分や価格、使い方について説明します。
にんにくの専用肥料の選び方
にんにくの施肥量は、品種や育てる場所によって異なりますが、1mあたり窒素(N)20g、リン酸(P)35g、カリ(K)20gが目安です。ネギ類のにんにくは、リン酸の肥料効果が高いと、根の伸長や玉の肥大が高まるのが特徴です。
畑などの地植えで育てる場合には、土壌改良効果もあり有機配合肥料がおすすめ。逆にプランターなどで育てる場合は臭いが気になる人には化成肥料がよいでしょう。
またニンニクには、一発肥料とよばれる元肥だけで追肥が不要な肥料があります。追肥の手間がかからないので大規模に育てている方や、忙しい人におすすめです。
にんにく専用肥料5選
それではおすすめのニンニクの専用肥料について肥料成分や価格、施肥量の他、製品の特徴について説明します。
大和 玉ねぎ、ネギ、ニンニクの肥料
株式会社大和が玉ねぎ、ネギ、ニンニク用に開発した専用肥料です。特徴はリン酸を多く配合し、光合成に必要なマグネシウム配合しています。また有機成分を配合していないため臭いや虫の心配がありません。
肥料成分 | N・P・K・Mg=10・12・10・2 |
施肥量(1㎡あたり) | 元肥 60g 追肥 30g |
価格(自社HP) | 600g/418円 2kg/ 1,100円 4kg/ 2,090円 |
サンアンドホープ たまねぎ・にんにくの肥料
家庭園芸肥料や用土を販売している、サンアンドホープのたまねぎ・にんにく専用肥料です。特徴は3要素を均等に含み、光合成に必要なマグネシウムを配合。味をよくする有機アミノ酸配合の60日間効果が持続する緩効性肥料です。
肥料成分 | N・P・K・Mg=8・8・8・3 |
施肥量(1㎡あたり) | 元肥 100g 追肥 50g |
価格(楽天) | 500g/210円 2kg/540円 |
アミノール研究所 里いも・にんにく専用肥料
アミノール研究所からも里いも・にんにく専用肥料が販売されています。動物有機と植物有機を独特な方法で加工し製品化した使いやすい粒状肥料です。味がよくなる有機入りアミノ酸配合肥料です。
肥料成分 | N・P・K・Mg=7・5・6・1 |
施肥量(1㎡あたり) | 元肥 230g~280g 追肥 40g~50g |
価格(楽天) | 1.2kg 1200円前後 |
セントラルグリーン ネギ,にら,ニンニク専用肥料
畑などで容量が必要な場合は、「セントラルグリーンのネギ、にら、ニンニク専用肥料」があります。アミノ酸入りの有機配合肥料で、有機比率は40%と豊富で、国内生産しています。
肥料成分 | N・P・K=7・7・6 |
施肥量(1㎡あたり) | 元肥 150g 追肥 50g |
価格(楽天) | 3kg 840円 7kg 1,527円 |
一発肥料 ねぎ・玉ねぎ・にんにく専用肥料
にんにくには一発肥料と呼ばれる肥料もあります。サンガーデンの一発肥料は、120日間肥料効果が続くので、最初に元肥として施肥するだけで追肥がいらない肥料です。育成初期に早く効く効果と、長期間ゆっくり溶け出す肥料(被覆尿素)が配合されています。
肥料成分 | N・P・K・Mg=22:12:11:2 |
施肥量(1㎡あたり) | 元肥 100g |
価格(楽天) | 1kg /609円、5kg/1,508円、10kg/4,620円 |
にんにくの肥料の与え方
地植え
元肥は種球(りん片)をまく2週間前までに、土づくりと一緒に行っておきます。土を30㎝ほど深く耕して、堆肥と緩効性肥料をいれて掘り起こした土とよく混ぜておきます。
追肥は、暖地栽培であれば、12月下旬に1回目を、2回目は2月中旬から3月中に2回目を行います。寒冷地では12月に追肥しても寒さで肥料を吸収することができないため、3月下旬~4月上旬に1回目を、さらに5月上旬にもう一度速効性の肥料を追肥します。
鉢植え・プランター
、鉢の場合は8号~9号、プランターであれば横幅60㎝以上のものを使いましょう。用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。自分で配合する場合は、赤玉土7、腐葉土3などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
追肥は、種をまいて1か月ほどしたら、1回目の追肥を行います。2回目は、3月~4月に茎が伸びてきたら追肥します。粒状の化成肥料をばらまくか、固形肥料を置き肥します。液体肥料を水やり代わりにあたえてもよいでしょう。
肥料の施し方は詳しい記事がありますのでこちらも参考にしてください。
肥料について
肥料の成分について
植物が育つために必要な三大栄養素(三要素)は窒素(チッソ)、リン酸(リンサン)、カリウム(カリ・加里)です。
- 窒素(N)は、「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、生育の初期に効果的であり、茎と葉の生長に大きく影響します。
- リン酸(P)「実肥」と呼ばれ、開花・結実を促すためにリン酸が必要となります。また、植物全体の生育や分げつ、枝分かれ、根の伸長など様々な要素に関わっています。
- カリウム(C)「根肥」と呼ばれ、葉で作られた炭水化物を根に送り、根の発育を促したり、植物を丈夫にして病気などに対する抵抗力を高める働きがあります。そのため、カリウムは「根肥」と呼ばれます。
肥料の呼び名について 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。花や結実の後に与える追肥をお礼肥といったり、冬に与える追肥を寒肥(かんごえ)といったりもします。
有機肥料と化成肥料について
肥料には有機肥料と化学肥料と呼ばれるものがあります。
有機肥料とは動植物由来の原料を使って作られている肥料を指します。畑や庭などの地植えに使うと土壌改良効果も期待できますが、虫がわいたり臭いがつよいものもあります。
化学肥料は、化学的に合成、あるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。化成肥料は化学肥料に化学的操作を加えて製造された複合肥料を「化成肥料」といいます。三大要素がバランス良く含まれており初心者の人でも使いやすい肥料です。
有機肥料、化成肥料両方にメリット・デメリットがあります。最近では有機肥料を配合した化成肥料などもあり両方のメリットをうまく配合している肥料も多く販売されています。