オクラは肥料を好むため、肥料を切らさず育てることが大切です。この記事ではオクラ栽培において肥料が不足すると、どのような症状がでるのか、肥料不足の時はどのように対処するべきかわかりやすく説明します。
オクラの肥料不足の症状
では最初に、肥料不足になるとどのような症状になるか説明していきます。
花の位置が高い
オクラは種まきから50日~55日ほどで、一番花が開花します。花の位置を確認してください。
花が頂部(生長点)に近いところで咲いている場合は栄養不足、頂部から少し下の部分で咲いている場合は適正であると簡易的に判断できます。花が咲いている場所から上に葉が3枚以上あれば正常です。1~2枚なら肥料不足、5枚以上あるようなら肥料過多の可能性が高いです。
葉が細く、切込みが深く入る
オクラは生育初期に肥料を与えすぎると、茎葉が大きくなりすぎて花が咲かなくなり、実付きが悪くなります。しかし肥料不足でも収穫が少なくなります。草勢が弱すぎても大きすぎてもよいオクラは収穫できません。
肥料が少ない場合は、茎は細く葉は小さくなります。葉の色は薄く、葉が細くなって切れ込みが深くなります。逆に肥料が多いと茎は太く、葉は緑が濃くなり葉は丸く、切込みが浅くなります。
曲がり果・いぼ果
オクラの実の表面に、イボ上の小さな突起ができる「いぼ果」や、実が曲がってしまうものを「曲がり果」といいますが、肥料が少なくても多くてもも起きる症状です。また日照不足や水の過不足でもおきます。上記の葉の状況や花の状況など総合的に見て、判断しましょう。
肥料不足の対処法
オクラの肥料不足の症状がみられる場合は、追肥で対応します。追肥は、速効性の化成肥料や液体肥料(液肥)をつかってもよいでしょう。畑など地植えの場合は、畝の肩から通路にかけて化成肥料を1㎡あたり1握りほど散布します。肥料を施したら、まいた肥料が隠れる程度に通路側の土を寄せて畝を盛り上げる土寄せを行います。液肥は水やりがわりに、規定量で希釈して散布します。
追肥におすすめの肥料
液体肥料
肥料不足の場合やプランター栽培には追肥として液体肥料をつかってもよいでしょう。住友化学園芸の「マイガーデン液肥」やハイポネックスジャパンの「ハイポネックス原液」などがオクラに使えます。
速効性の化成肥料
肥料不足の追肥には、化成肥料もおすすめです。化成肥料は、不足している栄養素を補うために行うため、土によって与える肥料は異なりますが、家庭菜園などでは、N-P-K=8-8-8など窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などがよいでしょう。
その他 オクラのトラブル
オクラが大きくなら掛かったり葉が黄色くなったりするのは、肥料のせいではなく病気にかかったり、土壌状態が悪い場合もあります。
病害虫
病気
オクラは、モザイク病、苗立枯病、うどん粉病、灰色カビ病などの病気にかかることがあります。モザイク病はアブラムシがウイルスを媒介するので害虫対策をしましょう。葉が食害を受けたり、葉に斑点があったり、黄色く萎びてしまう場合には病気の可能性を疑いましょう。
害虫
オクラの葉や実が食害を受けたり、色が変色している場合は害虫の可能性もあります。オクラにはアブラムシ、ハスモンヨトウ、カメムシなどの害虫が発生しやすくなります。
これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
また連作障害として、ネコブセンチュウの被害が多くなるため土壌の汚染には注意が必要です。
アルカリ土壌による欠乏症
葉が黄色くなるのは、肥料不足や病気の場合もありますが、土壌がアルカリ性に傾いているとマグネシウム・ホウ素・マンガンの欠乏症がおきることがあります。マグネシウムやホウ素が欠乏すると、下葉の葉脈間が黄化がみられることがあります。
足りない要素を追加するまえに、土壌の酸度を測りアルカリ性の傾いていないか確認しましょう。土壌により吸収がうまくいっていない場合があります。アルカリ性に傾いている場合は酸度未調整のピートモスなど酸性肥料を土に入れて調整しましょう。
土壌検査
土壌酸度(ph)は、土壌 pH 6.0〜6.5を目安にしましょう。土壌酸度計や土壌酸度測定液などを使うと、土の酸度が簡単に図ることができます。定期的に検査することで、土壌の状態を知ることができます。
【補足】オクラの肥料の時期と与え方
オクラは植え付け時に元肥を、植え付け後20日後から15日間隔で追肥をします。
元肥
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
オクラは収穫が長いため、土づくりが大切です。畑や庭植えなどでは、堆肥を1㎡あたり2kgたっぷり入れ、さらに有機肥料や化成肥料を施します。鉢植えやコンテナでは、野菜用の培養土を使い、緩効性肥料を施します。
追肥
1回目の追肥は植え付け後20日後から行います。化成肥料を、畝の肩から通路にかけて化成肥料を1㎡あたり1握りほど散布します。肥料を施したら、まいた肥料が隠れる程度に通路側の土を寄せて畝を盛り上げる土寄せを行います。2回目以降は、前回の施肥から15日後に同様に行います。
鉢植えやプランター栽培では、花が咲き始めたら、追肥のタイミングです。プランター栽培には追肥は液肥がおすすめ。水やり代りに1週間に1度、規定量に希釈してから与えます。化成肥料を使う場合は2週間に1度与えましょう。