芝生に使える化成肥料

芝生の育成には化成肥料が効果的です。化成肥料には固形・液体肥料があり、速効性と持続性が特徴です。おすすめの化成肥料や使用時の注意点（肥料のやりすぎや混合は避け、適正量を守ることなど）も紹介します。

芝生に使えるおすすめの化成肥料

芝生に使える化成肥料は、主に、持続的、緩行的な効果が期待できる固形、細粒の肥料と速効性が期待できる液体の肥料（液肥）があります。用途に応じて使い分けしましょう。

また芝生には高麗芝や野芝のような暖地型、またケンタッキーブルーグラスやバミューダグラス、ブルーグラス、ベントグラスといった寒地型があります。化成肥料はどちらにも使用できます。下記のような化成肥料をうまく利用して、緑鮮やかな芝生に育ててください。

おすすめの化成肥料（固形）

バロネスダイレクト 芝生の肥料

バロネス芝生の肥料は、主にゴルフ場のグリーンやフェアウェイでも使われている高級バロネス芝生 肥料です。固形肥料でも細粒タイプなので、芝生の隙間に入り、土壌にしっかりと栄養分が届きます。無害で追肥にも用土の元肥にも使えます。

窒素（チッソ）：リン酸（リンサン）：カリ＝10：10：10で配合されているほか、遅効性IB肥料のため、肥効が長期間持続します。じっくり長く効くので肥料焼けの心配が少なくなります。また匂いも少ないのでご家庭の庭でも安心して撒ける肥料です。

• 春から秋の生育期にできるだけ均一になるようにばら撒いてください。（ハンディスプレッダーや手押し式の散布機を使うと便利です）
• 肥料を撒いた直後は、水をたっぷりと与えます。

暖地型の芝でも寒地型の芝でももちろん使えます。詳しくはバロネスの公式サイトをご覧ください。広い場所に撒く場合などはハンディスプレッダーなどを利用しましょう。

HYPONEX 芝生の肥料

ハイポネックス芝生の肥料は、ハイポネックスジャパンが製造販売する芝生用の固形肥料です。ばらまくと芝生の隙間に入りやすい細粒タイプで、鮮やかな緑色の濃い、密な芝生に生長させます。

窒素（チッソ）：リン酸：カリ＝10：9：9で配合されているほか、芝生の生育に必要なマグネシウム、カルシウムも２：15と豊富に配合されているのが特長です。さらに腐植酸を配合、天然由来の有機質も加え土壌改良にも適しています。

• 春から秋の生育期にできるだけ均一になるようにばら撒いてください。
• 肥料を撒いた後は、水をたっぷりと与えます。
• 芝生の刈り込みは、肥料を施肥した後の2〜3日間は控えてください。
• 芝生の張り替え後1ヶ月は施肥を控えましょう。

詳しくはハイポネックスジャパン公式サイトをご覧ください。

バーディーエース 新1号

バーディーエースはゴルフ場のグリーン・フェアウェイでも広く利用されている芝生向けの肥料です。細粒タイプで撒きやすく、窒素（チッソ）：リン酸：カリ＝10：10：10で配合されているほか、苦土（クド）が入っているため葉緑素の形成を促進させ、鮮やかな緑色の芝生に生長させます。

おすすめの液体肥料（液肥）

HYPONEX 芝生の液肥

ハイポネックスジャパンが製造販売する芝生用の液体肥料（液肥）です。栄養分がすばやく浸透し、色鮮やかで丈夫な芝に育てます。天然由来の有機質を配合している溶液です。

窒素（チッソ）：リン酸：カリ＝５：２：４で配合されているほか、葉緑素(クロロフィル)の元となるミネラル分をバランス良く配合しています。地下深層水から抽出した天然有機物「かん水フルボ酸」を配合していて、葉色を良くする使い勝手に優れた液肥です。

• 春から秋の生育期にできるだけ均一になるように散布してください。
• 説明書の希釈率に従って希釈（うすめる）して使用しましょう。
• 芝生の張り替え後は根が活着するまで（2〜３週間）施肥を控えましょう。

詳しくはハイポネックスジャパン公式サイトをご覧ください。

アルゲライザー（ALGELIZER）

アルゲライザーは、日本有数の芝生関連メーカーのバロネスが販売する、アスコフィラム・ノドサムという特殊海藻クリーム入り葉面散布用肥料です。海藻という有機ミネラルの宝庫を、生のまま加工しているため、天然養分をそのまま芝生に届け、活力を高めることができます。

窒素（チッソ）：リン酸（リンサン）：カリの他、苦土、マンガン、ホウ酸、鉄、銅、亜鉛、モリブデンといった微量要素も加えられ、また特殊海藻クリームに含有するグリシンベタイン、アミノ酸が、芝生の様々なストレスを軽減し、病原菌からの病害に対する抵抗力、また保水力を高めます。主に、ゴルフ場のグリーンなどに使用される高級液肥です。

• 春から秋の生育期にできるだけ均一になるように散布してください。
• 説明書の希釈率に従って希釈（うすめる）し、ジョウロやスプレイヤーで散布しましょう。

詳しくはバロネスの公式サイトを参考ください。

カルファエース

カルファエースはカルシウム、水溶性ホウ素、水溶性マンガンを成分とする液肥です。最近の芝に起こりやすいカルシウム不足を解消する解消し、病気に強い芝生を作るのに欠かせない肥料です。

特にカルファエースのカルシウムは有機酸キレートカルシウムで、ホウ素も相まって細胞分裂時の細胞壁の形成が促進され、葉や根、茎の成長が活発になります。硬い丈夫な芝に育ちます。

• 春から秋の生育期にできるだけ均一になるように散布してください。
• 説明書の希釈率に従って希釈（うすめる）して使用しましょう。

詳しくはバロネスの公式サイトを参考ください。

バロネスやハイポネックス、メネデールは多くの芝生に使える化成肥料を販売しています。ご興味ある方は下記を参考にしてみてください。またメネデールのような栄養剤も芝生の活力剤として利用できます。化成肥料は比較的速効性が高く、チッソ（窒素）、リンサン（リン酸）、カリウム（加里）の三大要素のほか、マグネシウムやカルシウム（石灰肥料が有名）、微量要素をすぐに補給したいときに役立ちます。

また芝生に生える雑草を除草する除草剤入りの肥料や、サッチを分解する成分が入った肥料など、化成肥料には様々な種類があります。

肥料を与える際の注意点

肥料のやりすぎ

元気に育ってほしいと肥料を沢山やりたい気持ちはわかります。しかし、休眠期に肥料をやる、また生育期でも規定以上の肥料をやるとやりすぎになってしまい、肥料焼けを起こして弱々しくなり、変色し、最悪枯れてしまいます。くれぐれも肥料のやり過ぎには注意してください。

肥料は絶対混ぜないで！

よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。

化成肥料とは？

そもそも肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料（有機質肥料）」「化学肥料（≒無機質肥料）」の2つに分けることができます。

化学肥料とは、化学的に合成、あるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。有機肥料（有機質肥料）は動植物質を原料とした肥料（堆肥や米ぬか、骨粉など）です。

化学肥料は大きく2つに分けることができます。

1. 「単肥（たんぴ）」：無機養分一つのみを保証する肥料
2. 「複合肥料」：窒素、りん酸、カリウム（加里）のうち二つ以上の成分を保証する肥料

化成肥料は、化学肥料の一種であり、主要な三大栄養素とされる窒素・りん酸・カリウム（加里）のうち2つ以上を含むものを指します。（「複合肥料」とは、窒素・りん酸・カリウムを2つ以上含む肥料の総称です）。

定義としては、「数種類の肥料に何らかの化学的工程を加えて製造された肥料」が化成肥料です。化成肥料は粒状や固形（ペレット、ブリケット）になっているものが多いです。