柑橘類は、ミカン科ミカン属(カンキツ属、キンカン属、カラチナ属)の総称で多くの品種や種類があります。
家庭でも、庭木や鉢植えで育てることができる柑橘類には、いつ、どんな時期に肥料を与えたらよいのでしょうか。この記事では柑橘類の肥料の時期についてわかりやすく説明します。
肥料を与える時期
柑橘類の種類によって、肥料を与える時期は変わりますが、2月~3月に与える元肥と、6月の10月の3回が基本です。
元肥
元肥は、植え付け、植え替えの時や毎年冬から春にかけて施す肥料です。時期は2月~3月頃が目安です。
休眠期に入っている樹木に対し、土壌中の微生物によって分解されることで養分となる有機質肥料を使うことにより、根にダメージを与えずにゆっくりと効果が発揮し、春からの花芽や萌芽に栄養を与えることができます。
有機質肥料には、油かす、草木灰、魚粉、骨粉、や鶏糞といった堆肥などがありますが、柑橘類には窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれた油かす肥料を使うと良いでしょう。鉢植えなどで、化成肥料を使う場合は緩効性肥料を使います。
追肥
元肥だけでは栄養が不足してくるので肥料を追加で施します。緩効性化成肥料などを中心に施しましょう。追肥は6月と10月頃が目安です。6月の追肥は夏肥とも呼ばれ、花後に与えて実を大きくするのに役立ちます。しかし与えすぎると、実が落ちやすくなるので注意が必要です。
10月頃に与える追肥は、秋肥ともよばれ夏の疲れを取り、来年の花芽の分化や新梢のために行う肥料です。
柑橘類におすすめの肥料
油かす
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。
花ごごろ レモン・ミカン・柑橘の肥料
花ごごろの柑橘専用の肥料で。 天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を傷めません。窒素・リン酸・カリ=6・7・6で配合されているほか、 天然腐植には豊富に含んだ微量要素が含まれていて、土をふかふかにする効果もります。有機質特有の臭いもないので、鉢植えにピッタリです。
ハイポネックス 錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用
ハイポネックスジャパン(hyponex)が製造販売するかんきつ・果樹用の固形肥料です。追肥に利用する錠剤タイプで、置くだけでOKという簡便な肥料です。
窒素:リン酸:カリ=8:10:9で配合されているほか、かんきつ、果樹の生育に必要なマグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウム、鉄といった微量要素も配合されているおすすめの肥料です。また、速効性と緩効性を兼ねていて1〜2ヶ月効果が持続するのも使い勝手がいいですね。
その他肥料に関する注意点
肥料の量について
施肥量は、肥料によって異なるためパッケージの規定量をよく読んで施肥量を守って使いましょう。
鉢植えは、鉢の中の土の量が決まっているので庭植えより少なく与えます。しかし水やりなどで肥料分が流れやすいため、肥料ぎれをおこしやすいため、量は増やさずに回数を増やす、もしくは液体肥料などで補ってあげましょう。
肥料は成長に合わせて増やします。庭植えは樹幹の直径を目安に鉢植えは、鉢の大きさで(号数)で施す量を決めましょう。樹幹1m未満を1とすると2mで4倍、3mで9倍程度になります。鉢植えは8号鉢を1とすると、10号鉢で1.5倍、15号鉢で3倍が目安です。用土や気温などにも影響されやすいので、樹勢をみて多く与えすぎないように気をつけましょう。
肥料焼けに注意
肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。
成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。
また、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らす工夫が必要です。
農家webでは、レモン・みかん・金柑・柚子などの柑橘の品種ごとの肥料の記事もあります。
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