芝生育成におすすめの有機肥料は、緩効性で土壌改良効果も期待できる日清100%有機芝生の肥料や、病害予防に効果的なスーパーグリーンフードなどがあります。それらの肥料の解説と使用上の注意点について解説します。
芝生育成におすすめの有機肥料
芝生には高麗芝や野芝のような暖地型、またケンタッキーブルーグラスやバミューダグラスといった寒地型があります。肥料はどちらにも使用できます。下記のような有機芝生肥料をうまく取り入れて、土壌を改良していきましょう。
日清 100%有機 芝生の肥料(固形)
有機100%、木酢入りですので、植物と土と環境にやさしく、元肥や追肥として安心して使える肥料です。有機肥料でおだやかに効くため、肥料のあげすぎによる失敗を防ぎます。芝のみでなく、土をふかふかにする効果もあります。
スーパーグリーンフード
コーヒーかすや食品かす、魚粉、卵の殻などを高温発酵させて作られた微生物発酵有機肥料です。ラージパッチやブラウンパッチといった殺菌病の予防効果があり、サッチの分解促進も期待できます。有機肥料は継続的に使用すると、徐々に土壌が良質な団粒になり、保肥力、通気性が高まって芝の生長を安定させます。
バイオゴールド セレクション芝生
有機肥料といえばバイオゴールド。そんなバイオゴールドから芝生専用オーガニック肥料として、日本で唯一OMJ取得した芝生用の有機肥料です。
バイオゴールドを使えば、芝草の葉茎部分だけでなく、根(地下部)の張りを良くして障害・悪環境に強い、鮮やかな緑色の芝への生長を促進させます。元肥、追肥用とあります。
その他、バイオゴールドの肥料に興味ある方は下記を参考にしてみてください。
芝生の有機肥料は他にも多くの種類、商品がありますのでいろいろ探してみましょう。
有機肥料とは?有機肥料の基本
有機肥料(有機質肥料)とは、動植物由来(油粕や米ぬかなど植物性の有機物、鶏糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物)の原料を使って作られている肥料を指します。表示された成分以外にも生育に必要な成分(動植物由来のアミノ酸など)が含まれていることもあります。
有機肥料は、有機物を土壌微生物が分解することで、植物が吸収できる養分に変化します。そのため、肥料の効き始めがやや遅く、肥効が長く続きやすい肥料が多いです(緩効性肥料、遅効性肥料)。
下の記事に有機肥料(有機質肥料)の全般について、幅広く解説していますので有機肥料が気になる方は一度お読みください。
有機肥料の種類はどのようなものがあるの?
有機肥料は、その原料によって種類が複数あります。有機肥料といっても、それぞれの肥料に含まれる成分や特性は全く異なりますので、各肥料について調べてから使うようにしましょう。下記の表は、有機肥料の種類と成分比(窒素、リン酸、カリウム)、肥効のタイプの一例です。
肥料 | N (窒素) | P (リン酸) | K (カリウム) | 肥効のタイプ |
---|---|---|---|---|
油かす(油粕) | 多 | 少 | 少 | 緩効性 |
魚かす(魚粕) | 多 | 中 | 少 | 緩効性・遅効性 (但し窒素分は速効性が高い) |
発酵鶏糞 | 中 | 多 | 中 | 速効性 |
骨粉 | 中 | 多 | – | 緩効性 |
米ぬか(米糠) | 少 | 多 | 中 | 遅効性 |
バットグアノ | 少 | 多 | 少 | 緩効性 |
草木灰 | – | 少 | 多 | 速効性 |
農家webには、それぞれの有機肥料について詳しく解説した記事があります。
ボカシ肥料(ぼかし肥料)、堆肥は有機肥料?作り方は?
ぼかし肥料や堆肥を土作りに使われる方も多いのではないかと思います。土壌を改良するための資材という認識はあっても、「肥料である」ということを知らない方も多いと思います。ぼかし肥料、堆肥ともに有機肥料に含まれます。
堆肥を施用することで、土壌の物理性を改善してくれるだけではなく、土壌の微生物の生息環境を整えたり、作物の生育に必要な養分の補給ができたりします。ぼかし肥料は、有機物を予め発酵させることによって、作物に吸収しやすい養分をすぐに補給できたり、土壌の微生物を増殖させたりする効果があります。
農家webには、ぼかし肥料、堆肥の作り方、使い方に関する記事もあります。
化学肥料についてはこちらの記事を!
肥料を与える際の注意点
肥料のやりすぎ
元気に育ってほしいと肥料を沢山やりたい気持ちはわかります。しかし、休眠期に肥料をやる、また生育期でも規定以上の肥料をやるとやりすぎになってしまい、肥料焼けを起こして弱々しくなり、変色し、最悪枯れてしまいます。くれぐれも肥料のやり過ぎには注意してください。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
芝生に米ぬかは使えるか?
芝生に米ぬかを撒いて大丈夫なのか?を下記で米ぬかの特性もあわせて解説しています。
その他の芝生の肥料
芝生で使える肥料は上記の有機芝生肥料の他に、ハイポネックスやバロネスから販売されている化成肥料もあります。こちらの場合は粒状の固形肥料もあれば、液体肥料(液肥)もあり、色んなシチュエーション、散布状況に応じて使い分けることをおすすめします。またメネデールのような栄養剤も芝生の活力剤として利用できます。化成肥料は比較的速効性が高く、チッソ(窒素)、リンサン(リン酸)、カリウム(加里)の三大要素のほか、マグネシウムやカルシウム(石灰肥料が有名)、微量要素をすぐに補給したいときに役立ちます。