レモンの地植えには、緩効性の化成肥料や有機肥料(油かす、鶏糞、米ぬか)が適しています。元肥として有機物を取り入れ、追肥には化成肥料を使用。肥料焼けに注意し、年4回施肥を行います。
レモンの地植えにおすすめの肥料
レモンは地植えはもちろん、家庭菜園の場合は鉢植えでも栽培することができますが、柑橘類の中でも「肥料食い」といわれるほど、多くの肥料を必要とします。その理由として、白い花をつけ開花させるタイミングが四季を通じてあること、枝葉を旺盛に茂らせることが挙げられます。
地植えの場合は元肥として施用する緩効性化成肥料や有機肥料(有機質肥料)がおすすめです。有機物をしっかり取り入れることで土壌の腐食含量を増やし、樹勢を維持、強化させましょう。
元肥に有機物を取り込み、しっかりとした土作りができたら、あとは樹勢を見ながら化成肥料を上手く使って追肥を行う、のが基本になります。
油かす(油粕)
油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。
鶏糞
鶏糞は、ニワトリの糞を乾燥させた有機(有機物)肥料です。窒素(チッソ)、リン酸、カリの各成分が豊富に含まれています。同じ堆肥として牛ふんが比較されることがありますが、成分が異なるとともに、牛ふんは土壌改良の目的でも利用される点が異なります。効果が比較的速く出るため、特に苗、苗木など肥料のやり過ぎには注意してください。
主に、窒素は葉や茎、リン酸は花や果実(実)、カリウムは根の生長をサポートします。
米ぬか
米ぬかは、精米の際に削り取られる外皮の部分を有機(有機物)肥料として利用するものです。リン酸が多く含まれている、緩効性のリン酸肥料です。糖分やタンパク質も含まれているため、有用な土壌微生物の働きを活性化させる効果もあります。
米ぬかは使い方に注意が必要で、主にはぼかし肥料の材料となるものです。米ぬかに興味ある方は是非下記で使い方を確認してみてください。
地植えにおすすめ!打ち込み型肥料グリーンパイル
ちょっと変わった肥料に打ち込み型のグリーンパイルがあります。グリーンパイルは樹木に理想的なバランスで必要な栄養:N(窒素)-P(リン酸)-K(カリウム)を配合した樹木(植木・庭木)専用の打ち込み型肥料です。棒状なので打ち込むだけで施肥が簡単にできます。地植えの樹木におすすめの肥料です。
ハイポネックス 錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用
ハイポネックスジャパン(hyponex)が製造販売するかんきつ・果樹用の固形肥料です。追肥に利用する錠剤タイプで、置くだけでOKという簡便な肥料です。
窒素:リン酸:カリ=8:10:9で配合されているほか、かんきつ、果樹の生育に必要なマグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウム、鉄といった微量要素も配合されているおすすめの肥料です。また、速効性と緩効性を兼ねていて1〜2ヶ月効果が持続するのも使い勝手がいいですね。
またハイポネックスは、ハイポネックス原液やマグァンプなど様々な商品があります。詳しく知りたい方は下記をご参考ください。
マイガーデンベジフル
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、粒状の様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができる肥料です。栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得していることや、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしていることや、肥料成分は樹脂コーディングされていて、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶出する量が調節され、効き目が持続するのが本製品の特長です(リリースコントロールテクノロジー)。
追肥として、「マイガーデンベジフル」が有効です。また、「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」、「ベジフル液肥」は速効性の液体肥料なので、樹勢が弱り始めたときに薄めの濃度で与えてあげると良いでしょう。使用方法は各商品のラベルの指示に従ってください。
レモンの地植えについて
植え付け時の注意点
レモンは家庭菜園の場合は鉢植えでも,庭や畑での地植えでも栽培することができます。
レモンは水はけのよい土で育てることが重要です。地植えの場合、鉢と違って植え替えることが難しいので、日当たりの良好な場所を選んで植え付けるようにしましょう。
植え付けする苗の大きさにもよりますが、約20〜50cm程度の深さの穴を掘り、土:腐葉土:赤玉土を5:3:2位の割合で用土を混ぜ合わせ、半分ほど土を戻します。そのあと、苗を植えて残りの混ぜ合わせた土を戻します。植え付けは真夏、真冬を避けて3月〜4月頃がよいでしょう。植え付けのときには根を触らないようにしましょう。
地植え栽培で気をつけるところ
毎年しっかりと果を実らせ収穫を行うために、樹勢を維持、強化する必要があります。畑、庭の地植えでは特に、土壌中の腐植含量を増やすため有機物を投入し,中耕と深耕を行ったり、夏に敷わらなどで土壌の乾燥を防ぐことが重要です。
肥料焼けには注意
肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。
成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。また、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らす工夫が必要です。
レモンの肥料を購入するには
レモンに使える肥料は、ホームセンター、100均、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。
レモンに適した肥料時期
レモンに発生しやすい病害虫
レモンの病気としては、潰瘍病(かいよう病)が発生する場合があります。潰瘍病は、枝、葉、果、果実などに黄色い斑点が生じ、ひどい時には落葉に至る病気です。ほか、黒点病も発生します。
害虫としては、チャノホコリダニ、アブラムシ、アオムシ(アゲハもしくはアゲハチョウの幼虫)、ミカンハモグリガ(エカキムシ)、カミキリムシが発生した場合があります。農薬や殺虫剤を散布するなどして防除および駆除に努めましょう。
レモンの品種
レモンの品種は4~5品種,さらに各系統を合わせると25~30系統にもなります。樹勢,とげの数,四季咲き性,耐寒性(寒い時期に強い),果実の品質、たくさん実るかどうかなど、それぞれ異なった特性をもっています。ここでは代表的なレモンの品種を紹介します。
リスボン
原産地はポルトガルであり,樹勢がさかんで大木になります。耐寒性が強いのが特長で、たくさん実がなります。日本での主要品種で,最近ではとげの少ないフロストニューセラーリスボン、また他には、フロストリスボン,モンローリスボン,リモネイラ8Aリスボン,ブライオアリスボンなどがあります。
ユーレカ
カリフォルニア州ロスアンゼルスでイタリアから導入した種子のなかから選抜された品種です。結果期は早くたくさん実がなります。形は丸く、四季咲き性が強いことから施設栽培で広まっている品種です。
ビラフランカ
原産はシチリアで,大正時代に日本に伝わりました。樹勢は強く,耐寒性もすぐれ,とげも少ない優れた品種です。結果期はやや遅いのですが、年の結実のムラが少なく、ユーレカのように丸い形をしています。