さくらんぼの木を育てるには、いつどのような肥料を与えればよいのでしょうか。ここではさくらんぼの木の肥料時期や肥料の与え方の年間スケジュールの他、育て方のポイントについて、わかりやすく説明します。
さくらんぼの肥料の時期・与え方
肥料を与える時期
それではさくらんぼの肥料の時期や肥料の種類について説明していきます。庭植えの場合は年2回、秋に元肥として有機(有機物)肥料もしくは緩効性肥料を施し、果実が終わった後のお礼肥として速効性の肥料を与えます。
鉢植えの場合は、年3回、2月と落葉後に緩効性肥料を、収穫が終わった後のお礼肥に速効性肥料を与えます。
さくらんぼの木 肥料の与え方
それでは、さくらんぼの木に与える肥料の季節ごとのスケジュールを、庭植え、鉢植え別に説明します。
- 春
春は、開花の時期です。庭植え・鉢植えとも肥料は不要です。
- 夏
- 秋タイトル
鉢植えは落葉したら、緩効性肥料を置き肥します。
庭植えは、11月に有機質肥料を施肥します。株の周りに4か所ぐらい穴をあけて有機質肥料を施します。
- 冬タイトル
庭植えは、11月に肥料を与えたら肥料は与えません。鉢植えは2月に緩効性肥料を置き肥します。
冬は植え付け、植え替えの時期です。元肥として緩効性肥料を少なめに施肥します。
さくらんぼにおすすめの肥料
さくらんぼ栽培では10月~11月に施す元肥には「緩効性肥料」、収穫後のお礼肥には「速効性の化成肥料」がおすすめです。
有機質肥料を使うと、土壌環境を良くする効果もあり、三大要素(窒素、リン酸、カリウム)の他にもミネラル(微量要素)が含まれており、アミノ酸やビタミン類が生成されるため食味が良くなるといわれます。
そのため、地植えの元肥には油粕を主体にした有機肥料がおすすめです。プランターには臭いの少ない、有機配合肥料がよいでしょう。果樹用の肥料が手軽に使えます。化成肥料は、化成肥料8-8-8など速効性窒素の硝酸態窒素が含まれている肥料を使いましょう。
おすすめの肥料の種類や特徴、商品についてはこちらで詳しく説明しています。
さくらんぼの木の育て方
さくらんぼの基礎知識
学名 | Cerasus avium(Prunus avium) |
---|---|
属名 | バラ科 サクラ属 |
原産地 | ヨーロッパ西部・アジア西部トルコ周辺 |
樹高・草丈 | 1m~3m |
耐寒性等 | 耐寒性:強い 耐暑性:強い |
収穫期 | 5月下旬から6月中旬 |
さくらんぼの木は、バラ科の落葉果樹です。庭植えの方が果樹は多くとれますが鉢植えでも育てることはできます。多くの品種は自家不結実性のため、異なる品種を一緒に育てる必要があります。多くの収穫を望むのであれば人工受粉が必要です。しかし1本でも結実する品種もあります。
さくらんぼの品種
さくらんぼの木では、日本ではセイヨウミザクラ、別名カンカオウトウが有名ですが比較的寒い地域を好みます。
暖地や関東などで家庭で育てるには1本で結実する「中国オウトウ」別名ミザクラ、ダンチオウトウ(暖地桜桃)もおすすめです。
またさくらんぼの栽培は難しいといわれますが、ユスラウメ(山桜桃梅)は他の種類に比べ栽培が容易なので、こちらもおすすめです。
栽培環境・水やり
日当たりの良い場所を好みます。なるべく庭植えの場合は日に当たる場所に植え付けしてください。鉢植えもベランダなど日の当たる場所で管理します
水やりは、庭植えは特に不要です。夏に乾燥が続くときに与えてください。鉢植えの場合は表土が完全に乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。
剪定
「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」ということわざがあるように、桜の枝は、切ってはいけないと思っている方も多いのではないでしょうか。
さくらんぼの木は桜の仲間です。このことわざは桜は、切り口からは腐朽菌が侵入しやすく、そこから枯れ込みやすいため。家庭でも細い枝などは剪定ハサミでカットし、切り口をきちんとケアすれば剪定は可能です。親株の切り口に、「トップジン M ペースト」などの切口癒合剤を塗っておきましょう。
適期は冬と夏です。長くなりすぎた枝や枯れた枝などはカットしても問題ありません。あまり太い枝は剪定しないようにします。あまり大きくしたくない場合は、夏に長く伸びそうな新梢を摘心するとよいでしょう。
病害虫
さくらんぼの木はアブラムシ、カイガラムシ、カメムシ、ハダニ、コスカシバ、シンクイムシ、ナメクジ、ハマキムシの幼虫、ネコブセンチュウが発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
また病気としては灰星病、褐斑病、胴枯れ性、炭素病などに病気にかかりやすいです。予防には殺菌剤も有効です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまでさくらんぼの木の肥料について、おすすめの肥料や与え方について説明してきました。さくらんぼは、苗から育てると実を収穫できるまで4年~5年かかるといわれています。
おいしい佐藤錦を家で育てるのは少し難しいですが、花や紅葉も楽しめるさくらんぼの木。品種を選べば家庭でさくらんぼ狩りもできてしまいます。さくらんぼは追熟しないので、完熟した実を生で食べれるのは自分で育てた人の特権でもあります。またジャムや果実酒としても使えるので、ぜひさくらんぼの栽培にチャレンジしてみてください。