夏の風物詩の朝顔(アサガオ)は、小学生の夏休みの研究課題で育てた記憶がある人も多いのではないでしょうか。水だけで育てた記憶のある朝顔ですが、実は朝顔は肥料と手入れ次第で、咲かせる花の大きさや数に大きく差がつきます。
とはいえ肥料は種類が多くてどれをつかっていいのかわからない。ダイソーやセリア・キャンドゥなどの100均などで朝顔に使える肥料はないのかと思う方も多いのではないでしょうか。この記事では朝顔の肥料について、100均で購入できる肥料を中心に、選び方や与え方などわかりやすく説明します。
100均で肥料は購入できる?
まず初めに、100均で朝顔に使える肥料は購入できるのでしょうか。答えはYESです。
特にダイソーやセリアは、昨今の家庭菜園・園芸・ガーデニングのブームによって、品揃えもかなり増えています。また、100円ショップで購入できる肥料は、200g程度の小袋で販売されているため、施肥量(使用量)が少ない場合や肥料の置く場所がない方にはおすすめです。
朝顔に使える100均の肥料
100均には、三大要素と言われる窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)をバランス良く配合された「化成肥料」や「粒状油かす」、「花と野菜の肥料(鶏糞ペレット)」、「有機入り元肥肥料」「鉢花・観葉植物の肥料」など、様々な製品が販売されています。
アサガオ(朝顔)に使用する肥料は、植物を栽培するという点で、野菜や果樹などの栽培に使うものと基本的には同じで問題ありません。花だから特別な肥料を使うということはありません。プランターや植木鉢などの鉢植え栽培で使用できるものであれば、上記の肥料も問題なく使用することができます。
その中でも、「粒状化成肥料」や「鉢花・観葉植物の肥料」がおすすめです。窒素、リン酸、カリウムの成分比が8-8-8や10-10-10などバランスよく含まれています。溶性の苦土(マグネシウム)が微量要素として含まれているものもあります。粒状の肥料は緩行性も備えているため、ゆっくり長く効き目が続きます。また、匂いを抑えられ、室内でも使用しやすいことも特徴の一つです。
有機肥料を使用することもできますが、肥料の効果が現れるまでに時間がかかったり、虫が湧いたりなどのデメリットがありますので注意しましょう。
また。鉢にポンッと置くだけで施肥ができる「置型肥料(錠剤肥料)」もおすすめです。
100均にも錠剤肥料が販売されています。そのブランド独自のパッケージとなっていることもありますが、ダイソー、キャンドゥでは、信頼できるメーカーであるハイポネックスジャパンの肥料「プロミック」シリーズが販売されていることもあります。観葉植物用や草花・鉢花用、いろいろな植物用など幅広くラインナップされています。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
一般的なアサガオ(朝顔)に対する肥料のやる時期と頻度
それでは、アサガオ(朝顔)の肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか?
下記にアサガオ(朝顔)の一般的な肥料のやる時期をまとめました。アサガオ(朝顔)は一年草なので(ヒルガオは多年草)、なるべく多くの花を長く咲かせ続けることを目標にします。ポイントは、その植物が最も生育旺盛になるころに肥料を効かせることです。
- 春
- 夏
植え付け後、3週間経ったら、追肥を行っていきます。1週間に1度程度の頻度で液体肥料(液肥)、または固形肥料の場合は、1ヶ月に一度、説明書の使用量を守って用土の上に置きます。
- 秋
初秋の暖かいうちは、開花し続けます。夏と同じ頻度で追肥してください。
- 冬
朝顔は一年草ですので冬越しは行いません。
液体肥料とは?
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。液体肥料は、用土に混ぜ込んで元肥として使用することはほとんどなく、追肥として使用することを主としています。液体肥料は速効性が高いため葉の色が悪いときなどに、すぐ効果が出るのが特徴です。
100均には以前は「活力剤」しか販売されていませんでしたが、最近ダイソーでも液体肥料が販売されていました。朝顔にはリン酸の多い全植物用が適しています。原液タイプなので水で希釈して追肥として使いましょう。
活力剤は、単体で施用するのではなく、あくまで肥料にプラスして施用するものです。肥料はしっかりと適期に施しつつ、植物が弱ってきたり、より綺麗に花を咲かせたい、葉緑素(光合成に影響があります)を増やして葉を青くイキイキさせたいときに有効です。
液体肥料を使いたい場合には、「ハイポネックス原液」「マイガーデン液体肥料」などがおすすめです。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水分が切れて、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通しの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
その他 アサガオ(朝顔)の栽培で気をつけたいポイント
害虫に気をつけましょう
アサガオ(朝顔)に限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ、幼虫が発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除するようにしましょう。
支柱を立てましょう
アサガオ(朝顔)はつる性植物です。このため、支柱がないと、地面を茎が這うようになってしまいます。葉っぱが3枚ほどに生育したら支柱を立てて、つるを手で支柱に巻きつけるか、麻紐やビニールテープでつると支柱を巻きつけて誘引してください。
摘芯が重要です
アサガオ(朝顔)の花を大きく綺麗に咲かせるには、葉っぱが10枚になったらそのツルの先の芽をハサミでカットしましょう。これを摘芯と呼び、こうすることで、横方向にわき芽が生えてきて、ボリュームが出るようになります。
種をきちんと収穫することで、来年もアサガオ(朝顔)が楽しめます
朝顔は花の中に種がつき、その種を翌年に種まきして発芽させることで、また咲かせることができます。収穫した種はしっかりと乾燥させ、乾燥させた種をタッパーやビニール袋に入れて冷蔵庫で保管するのが良いでしょう。
その他朝顔におすすめ肥料
100均にこだわらないのであれば、朝顔の肥料の記事があります。
まとめ
ここまでアサガオに使える肥料を、100均で買える肥料を中心に説明してきました。お子さんが夏休みの課題で持ち帰ってきた朝顔(アサガオ)や、庭先の朝顔を上手に肥料を使って、たくさん大きな花を楽しんでみてはいかがでしょうか。
100均の肥料は、園芸用の肥料にくらべ特段割安ということも実はありません。なので品質にもそれほど大きな差はないといえるでしょう。まずは手軽に少量で買える100均の肥料を使ってぜひ美しい朝顔を咲かせてみてください
また間引きした苗や挿し木で、水耕栽培でも育てることができます