樹木は手入れが必要で、適切な肥料が欠かせません。冬の寒肥やお礼肥を年2回行うとよいです。肥料のやり方、タイミング、病害虫についても触れています。
樹木の手入れ
樹木の手入れについて簡単にご紹介します。樹木の基本的な手入れを知ることで、自信をもって肥料を与えられるようになるはずです。
主な樹木
樹木には、高木、中低木、果樹などさまざまなものがあります。観葉目的で葉色が美しいもの、花が咲くもの、果実を実らせるものと種類もさまざまです。基本的には丈夫に育つものが多いです。
高木
樹高が概ね3メートル以上に成長する木のことを指すことが多いです。1本でも十分に存在感があり、きっとかけがえのないシンボルツリーになることでしょう。人気の高木には以下のような種類があります。
中低木
樹高が大きくなっても概ね3メートルより小さい木のことを指すことが多いです。大きくなりすぎないのが利点であると同時に、葉を茂らすものについては生垣として目隠しに利用することができるのも利点です。人気の中低木には以下のような種類があります。
果樹
樹高だけで見るのであれば、果樹も高木や中低木などとして分類することができます。しかしながら、果樹には果実を実らせ、多くの場合食用にできる楽しみがある点が特徴です。人気の果樹には以下の種類があります。
栽培方法
樹木は、地植えはもちろんのこと、鉢植えとしても栽培されます。それぞれの土と水やりについて、簡単にふれておきます。
地植え
地面に植え付ける場合、保水性および透水性のよい土であれば育てることができます。地植えでは、植え替えることが難しいので、日当たりの良好な場所を選んで植え付けるようにしましょう。水やりは、基本的には必要ありません。
鉢植え
地植えができる土であれば、用土として利用することができます。市販の用土を利用する場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で配合するようにしましょう。もちろん樹種によって別の用土を用いた配合がふさわしいことがありますが、大雑把に覚えておくと便利です。
水やりは、夏は1~2日に1回、冬は土が乾燥したら行います。
病害虫と雑草
身近な樹木に共通して発生しやすい病気は、うどんこ病、褐斑病、てんぐ巣病などです。また、共通して発生しやすい害虫は、アブラムシ、チャドクガ、カイガラムシなどです。
枝葉(枝や葉)が茂って密な状態になっていると、病害虫が発生する原因にもなります。余分な枝葉を剪定して、風通しをよくすることで病害虫に備えましょう。
樹木には常緑樹と落葉樹がありますが、いずれの場合でも樹冠が日陰をつくるため、幹の周囲には雑草が比較的生えにくいはずです。それでも草丈の低い一年生の草は、生えることがあります。
雑草は病害虫発生の原因となる可能性があるので、こまめに除草するとよいでしょう。
肥料
肥料が少ないと生育や葉色が悪くなるものの、肥料が多すぎても生理障害や病害虫の発生が起きるようになります。適切な時期および量で施肥することが重要です。
肥料を与える時期
樹木の種類によって、肥料を与える時期は異なりますが、寒肥とお礼肥の年2回を基準に考えるとよいでしょう。
寒肥とは、寒い冬のタイミングに施す肥料のことで、12~2月が目安です。春からの花芽や萌芽に備えて、元肥(基肥)とよばれる遅効性のゆっくり長く効くものが望ましいです。土壌中の微生物によって分解されることで養分となる有機質肥料が利用されることが多く、たとえば油かす、草木灰、魚粉、骨粉、牛糞や鶏糞といった堆肥などがあります。
お礼肥とは、花後や果実の収穫後に樹勢を回復させるため施す肥料のことで、花木や果樹それぞれに合わせたタイミングで行います。疲労している木の回復を助けるために施すので、速効で効果のある化学肥料(化成肥料)が利用されることが多いです。
化学肥料(化成肥料)は、微生物による分解を経ることなく根が肥料成分を吸収できるので、効き目が早いです。
このほかにも、寒肥とお礼肥の間に追肥を行い、年3回とするケースもあります。
肥料を与える方法
代表的な方法として次のようなものがあります。プロであれば樹や土壌の状態などによって方法を使い分けますが、一般にはどの方法でなければいけないということはありません。
輪状施肥
樹幹を中心に輪を描くように溝を掘り、肥料を与える方法です。オーソドックスで広く利用されています。
放射状施肥
樹幹を中心として放射状に数本の溝を掘り、肥料を与える方法です。輪状施肥に比べて、溝を掘る際に根を傷めることが少ないのが利点です。
壺状施肥
樹冠に沿うようにいくつかの穴をあけ、肥料を与える方法です。果樹園のように、樹が整列している場所でよく利用されます。
ばら撒き施肥(表面散布施肥)
樹冠に沿うように肥料をばら撒く方法です。最も簡単ですが、肥料を求めて根が浮き上がってきてしまう場合があるので注意が必要です。
樹木へのおすすめの肥料
樹木への肥料として、3要素であるN(窒素)-P(リン酸)-K(カリ)が、8-8-8もしくは10-10-10の化成肥料を利用できます。手元になかったり、新しく購入する場合には以下の商品がおすすめです。
ウッドエース4号
ウッドエース4号は、ジェイカムアグリが販売する緑化木専用の肥料です。窒素、リン酸、カリに加えて苦土(マグネシウム)が含まれているのが特徴です。
苦土(マグネシウム)は、光合成に必要な葉緑素の成分です。大粒の固形肥料で、緩効性のため、肥効が2~3年持続する優れものです。肥料焼けしにくい配合になっています。
グリーンパイル
グリーンパイルは、ジェイカムアグリが販売する肥料です。公園・街路・庭などの樹木に対して用いる、棒状の打ち込むタイプの肥料で、造園の施工で樹勢を回復させる目的でよく使われる資材でもあります。
グリーンパイルには、樹木の生育にとって理想的なバランスで窒素・リン酸・カリウムが配合されており、樹木の根元から少し離れた位置に打ち込むことで、成分が土壌の深層までしっかりと浸透し長持ちします。とにかく処理が簡単な点が魅力です。
お礼肥 寒肥
お礼肥 寒肥は、JOYアグリスが販売する肥料です。米ぬかを主体にした有機質肥料なので、安心してして使うことができます。有機質肥料は、腐葉土や堆肥と同じくゆっくり長く効く肥料なので寒肥としてぴったりですが、この製品はお礼肥や追肥としても利用することができます。
地植えの場合には、樹冠に沿うように根元から離して穴や溝を掘り、1株あたり1kgを目安に施肥します。
マイガーデン植物全般用
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができます。
栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しており、植物が肥料を吸収しやすくする働きや、土壌の保水性、通気性を高めるなど、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしています。
また、肥料成分は樹脂コーディングし、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶けだす量が調節され、効き目が持続するリリースコントロールテクノロジーを採用しており、樹脂コーディングのため、肥料が直接根に触れても肥料やけしないのが特長です。元肥、追肥両方に使用可能です。こちらは粒状の製品ですが、液体タイプ(液肥)のマイガーデンもあります。
マイガーデンの肥料は他にも種類がありますよ!
樹木の肥料を購入
ホームセンターなど店舗で購入する
上記で紹介した肥料は、コメリなどのホームセンターでも販売されています。また、ダイソーなどの100円均一でも販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。
通販で購入する
店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場など様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。