庭木・植木におすすめの様々な肥料を紹介します。肥料をやる時期ややり方、注意点(肥料焼けなど)も解説しています。
庭木・植木におすすめの肥料
庭木・植木への肥料には、N(窒素)-P(リン酸)-K(カリ)が、8-8-8もしくは10-10-10の化成肥料を利用できます。手元になかったり、新しく購入する場合には以下の商品がおすすめです。
マイガーデン植物全般用
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができます。
栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しており、植物が肥料を吸収しやすくする働きや、土壌の保水性、通気性を高めるなど、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしています。
また、肥料成分は樹脂コーディングし、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶けだす量が調節され、効き目が持続するリリースコントロールテクノロジーを採用しており、樹脂コーディングのため、肥料が直接根に触れても肥料やけしないのが特長です。元肥、追肥両方に使用可能です。こちらは粒状の製品ですが、液体タイプ(液肥)のマイガーデンもあります。
マイガーデンの肥料は他にも種類がありますよ!
お礼肥 寒肥
お礼肥 寒肥は、JOYアグリスが販売する肥料です。米ぬかを主体にした有機質肥料なので、安心してして使うことができます。有機質肥料は、腐葉土や堆肥と同じくゆっくり長く効く肥料なので寒肥としてぴったりですが、この製品はお礼肥や追肥としても利用することができます。
地植えの場合には、樹冠に沿うように根元から離して穴や溝を掘り、1株あたり1kgを目安に施肥します。
グリーンパイル
グリーンパイルは、ジェイカムアグリが販売する肥料です。公園・街路・庭などの樹木に対して用いる、棒状の打ち込むタイプの肥料で、造園の施工で樹勢を回復させる目的でよく使われる資材でもあります。
グリーンパイルには、樹木の生育にとって理想的なバランスで窒素・リン酸・カリウムが配合されており、樹木の根元から少し離れた位置に打ち込むことで、成分が土壌の深層までしっかりと浸透し長持ちします。とにかく処理が簡単な点が魅力です。
有機質肥料
庭木の肥料の寒肥としては、有機質肥料(有機肥料)もおすすめです。
有機肥料(有機質肥料)とは、動植物由来(油粕や米ぬかなど植物性の有機物、鶏糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物)の原料を使って作られている肥料を指します。表示された成分以外にも生育に必要な成分(動植物由来のアミノ酸など)が含まれていることもあります。
有機肥料は、有機物を土壌微生物が分解することで、植物が吸収できる養分に変化します。そのため、肥料の効き始めがやや遅く、肥効が長く続きやすい肥料が多いです(緩効性肥料、遅効性肥料)。
庭木・植木の肥料の与える時期、やり方、注意点
肥料が少ないと生育や花付きが悪くなるものの、肥料が多すぎても生理障害や病害虫の発生が起きるようになります。適切な時期および量で施肥することが重要です。
肥料を与える時期
庭木・植木の種類によって、肥料を与える時期は異なりますが、寒肥とお礼肥の年2回を基準に考えるとよいでしょう。
寒肥とは、寒い冬のタイミングに施す肥料のことで、12~2月頃が目安です。春からの花芽や萌芽に備えて、元肥(基肥)とよばれる遅効性のゆっくり長く効くものが望ましいです。土壌中の微生物によって分解されることで養分となる有機質肥料が利用されることが多く、たとえば油かす、草木灰、魚粉、骨粉、牛糞や鶏糞といった堆肥などがあります。
お礼肥とは、花後や果実の収穫後に樹勢を回復させるため施す肥料のことで、花木や果樹それぞれに合わせたタイミングで行います。疲労している木の回復を助けるために施すので、速効で効果のある化学肥料(化成肥料)が利用されることが多いです。
化学肥料(化成肥料)は、微生物による分解を経ることなく根が肥料成分を吸収できるので、効き目が早いです。
このほかにも、寒肥とお礼肥の間に追肥を行い、年3回とするケースもあります。
肥料のやり方
庭木の場合は、樹幹を中心に輪を描くように溝を掘り、溝に堆肥と肥料を混ぜて与える方法で「輪状施肥」、樹冠に沿うようにいくつかの穴をあけ、肥料を与える「壺状施肥」がよく使われます。樹幹の中心の輪の3〜5箇所ほどに放射状に穴をあけて施肥するようにも見え、放射状部分施肥、とも呼ばれたります。
肥料焼けにはご用心
肥料は、多ければ多いほどよいというわけではありません。土中肥料の濃度が高くなりすぎると、根が吸水できなくなり、植物に障害が発生したり枯れてしまったりすることがあります。これが「肥料焼け」です。
成長が楽しみで、ついつい肥料を多くあげたくなってしまうかもしれませんが、一般に肥料をあげすぎると、かえって植物が弱ることがあり、樹や枝葉に障害が生じることもあります。肥料は過多にならないよう注意しなくてはいけません。
また、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らす工夫が必要です。
庭木・植木の手入れ
庭木・植木に肥料を与えるにあたって、手入れについても簡単にご紹介します。庭木・植木の基本的な手入れを知ることで、自信をもって肥料を与えられるようになるはずです。
庭木と植木の違い
庭木とは庭に植えられている木を指し、植木とは植えられている木を指します。この点を考慮すると、庭木よりも植木の方が広い概念といったイメージがわかりやすいかもしれませんが、手入れをする上ではあまり区別する必要はないでしょう。
主な庭木・植木
庭木・植木には、高木、中低木、果樹などさまざまなものがあります。観葉目的で葉色が美しいもの、花が咲くもの、果実を実らせるもの、さまざまな種類があります。基本的には丈夫に育つものが多いです。
高木
樹高が概ね3メートル以上に成長する木のことを指すことが多いです。1本でも十分に存在感があり、きっとかけがえのないシンボルツリーになることでしょう。人気の高木には以下のような種類があります。
中低木
樹高が大きくなっても概ね3メートルより小さい木のことを指すことが多いです。大きくなりすぎないのが利点であると同時に、葉を茂らすものについては生垣として目隠しに利用することができるのも利点です。人気の中低木には以下のような種類があります。
果樹
樹高だけで見るのであれば、果樹も高木や中低木などとして分類することができます。しかしながら、果樹には果実を実らせ、多くの場合食用にできる楽しみがある点が特徴です。人気の果樹には以下の種類があります。
栽培方法の基本
庭木・植木は、地植えはもちろんのこと、鉢植えとしても栽培されます。それぞれの土と水やりについて、簡単にふれておきます。
地植え
地面に植え付ける場合、保水性および透水性のよい土であれば育てることができます。地植えでは、植え替えることが難しいので、日当たりの良好な場所を選んで植え付けるようにしましょう。水やりは、基本的には必要ありません。
鉢植え
庭土を用土として利用することができます。市販の用土を利用する場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で配合するようにしましょう。もちろん樹種によって別の用土を用いた配合がふさわしいことがありますが、大雑把に覚えておくと便利です。水やりは、夏は1~2日に1回、冬は乾燥したら行います。
病害虫と雑草
庭木・植木に共通して発生しやすい病気は、うどんこ病、褐斑病、てんぐ巣病などです。
また、庭木・植木に共通して発生しやすい害虫は、アブラムシ、チャドクガ、カイガラムシなどです。枝葉(枝や葉)が茂って密な状態になっていると、病害虫が発生する原因にもなります。
余分な枝葉を剪定して、風通しをよくすることで病害虫に備えましょう。
庭木・植木には常緑樹と落葉樹がありますが、いずれの場合でも樹冠が日陰をつくるため、幹の周囲には雑草が比較的生えにくいはずです。それでも草丈の低い一年生の草は、生えることがあります。雑草は病害虫発生の原因となる可能性があるので、こまめに除草するとよいでしょう。
庭木・植木の肥料を購入
ホームセンターなど店舗で購入する
上記で紹介した肥料は、コメリなどのホームセンターでも販売されています。また、ダイソーなどの100円均一でも販売されていることがありますが、取り扱いのない店舗も多いようなので注意が必要です。
通販で購入する
店舗で実物をみて購入することも良いことですが、「その店舗での取り扱いがない」ことや「そもそもその商品がホームセンターなどの小売店で販売されていない」ことも多いです。時間とお金を節約するため、積極的に通販(インターネットショッピング)を利用しましょう。今ではAmazonや楽天市場など様々なECサイトで農業・園芸用品が取り扱われています。店舗よりも安く購入できる場合も多いですので、一度のぞいてみましょう。