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多肉植物

多肉植物の冬越し対策と生育別育て方

多肉植物 多肉植物

多肉植物は寒さに強い品種もありますが、基本的には冬が苦手です。ここでは多肉植物の冬越しについて、それぞれの生育タイプごとの対策方法や、育て方についてわかりやすく説明します。

多肉植物の冬越しの育て方

生育タイプタイプ別に、冬越しの方法について説明します。

生育タイプ 春秋型

ベンケイソウ科(エケベリア属・セダム属・ハオルチア属などクラッスラ属は一部)のほとんどが春秋型です。品種によって耐寒性の強さに差はありますが、冬は寒すぎるため生育が止まる休眠期になります。

置き場所

春型の生育温度は10℃から25℃です。品種によっては、関東より西の暖地では外で冬越しできる品種もありますが、基本的には気温が5℃以下になったら、室内で管理します。暖房の風は株が傷む可能性があるので当たらない場所で管理しましょう。

多肉植物は日光が大好きです。真夏に直射日光を避ける以外は日当たりのよい場所で育てます。室内でも日当たりのよい明るい場所に置きましょう。暖かな日中は屋外で、日に当てるように心がけてください。

3月頃の暖かくなるころから屋外で管理しましょう。休眠期から生育期に屋外の日当たりに出す場合は、徐々にならしてください。窓辺で日に当ててから日中の日向に置くなどをしないと、葉焼けの原因ともなります。夜5℃以下になるようなら室内に入れてあげます。

水やり

水やりは、生育期が終わる11月から徐々に水やりの回数を減らします。室内に取り込んだら月に1回から2回ほど、葉水を与えます。

葉水とは、霧吹きで葉に水に水を上げることですが、多肉植物の場合は葉に当てず鉢土に与えます。先の細い水差しなどを使ってもよいでしょう。水の上げすぎには注意が必要です。鉢土が3分の1程度湿る程度で十分です。

生育タイプ 夏型

サボテンや、アロエ属、アガベ属など茎葉が固い種類が多い夏型。春秋型より耐寒性の弱い冬型は、秋から生育が鈍くなり、冬は完全に休眠します。

置き場所

夏型の生育温度は、20〜30°Cです。サボテンなどの品種によっては、関東より西の暖地では外で冬越しできる品種もありますが、基本は、気温が10℃以下になったら、室内で管理します。暖房の風は株が傷む可能性があるので当たらない場所で管理しましょう。

多肉植物は日光が大好きです。室内でも日当たりのよい明るい場所に置きましょう。窓辺に置いておくと日が一定方向しかあたりません。1週間に一度は鉢を回して全体に日が当たるようにしてあげてください。また昼間日差しのある窓辺に置いておくと夜間には気温が下がり寒くなるので注意が必要です。

水やり

水やりは、生育期の終わる10月頃から徐々に水やりの回数を減らします。11月~3月までは断水気味で管理します。寒さに弱い品種は、断水。寒さに強い品種は月に1回から2回程度の葉水で、軽く表面が濡れる程度与えます。

葉水とは、霧吹きで葉に水に水を上げることですが、多肉植物の場合は葉に当てず鉢土に与えます。先の細い水差しなどを使ってもよいでしょう。休眠期の水の上げすぎには注意が必要です。

生育タイプ 冬型

冬型は比較的低温を好みますが、冬の寒さに強いわけではありませんので、きっちりとした防寒対策が必要です。

置き場所

冬型の生育温度は、5℃〜20°Cです。11月になり気温が5℃以下になったら、室内の日当たりのよい場所で管理します。暖房の風が当たらない場所で管理します。メセン類はなるべく風通しの良い場所で管理しましょう。

冬が生育期ですので、なるべく長く日の当たる場所、南西向きの窓辺などが最適です。冬型は暑さが苦手です。冬でも高温になりすぎないように、晴れた昼間は窓を開けて換気をしましょう。

水やり

秋から徐々に水やりの回数を増やし、11月頃からは表土が乾いてから2~3日後に、ジョウロで鉢から水がでるまでたっぷり与えます。水やりは晴れた日の午前中に与えましょう。寒い時間帯に与えると根腐れの原因にもなります。

多肉植物 冬越しの対策方法

大型の多肉植物を地植えしたり、多くの多肉植物を育てている方の中には屋外で冬越しにチャレンジしたいという方もいるのではないでしょうか。寒さに強い品種でも、関東より西の暖地ではそのままでも冬越しできる品種もありますが、寒冷地や急な雪などの対応が必要なときもあります。

ここではベランダや庭などの戸外で冬越する方法と注意点について説明します。

温室を使った冬越し対策

簡易的ビニール温室は、フレームにビニールをかぶせた小型のものから、棚状になっているものなどがさまざまなものが、ホームセンターやインターネットで手に入れることができます。また100均などの材料を使ってDIYする人も。

ビニールをかぶせることができるスペースがあれば、簡単に設置できます。しかし気をつけたいのは、温室といっても農業用のビニールハウスとは異なり、寒風や霜をよける効果はありますが、夜中や朝方に冷え込むときには、それほど保温効果は期待できません。寒さに弱い品種は、鉢に夕方から明け方には新聞紙をかけたり、発砲スチロールや不織布シートなどを併用して使いましょう。

また温室は、晴れた日の昼間は閉めっぱなしにすると、内部が高温化して蒸れが発生します。高温多湿は多肉植物の一番苦手ですので、晴れた日はビニールをあけて風通しをよくし、夕方に閉めましょう。

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発砲スチロールを使った冬越し対策

発砲スチロールは、寒風や霜をよける断熱効果が期待できます。発砲スチロールの箱を使って、温室かわりにすることができ、寒さに弱い品種でなけば外で冬越しすることもできます。

大きさは、多肉植物の鉢がスッポリはいるもので、蓋つきのものを選びましょう。昼間あたたかなときは、蓋を開けて日に当ててあげましょう。蒸れや高温化を防ぎ、徒長せずに育ちます。夜は、蓋を閉めましょう。

蓋がない場合は、発泡スチロールを鉢ごと被せてあげるだけで、断熱効果は期待できます。発砲スチロールよりも断熱性は低いですが、段ボールでも代用可能です。「プチプチ」などを使って、段ボールまいたり蓋のかわりにしてもよいでしょう。

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不織布シート

園芸用の不織布シートをご存じでしょうか。園芸店や100均などでも売られています。通気性がよく直接植物にかけることができるので大きな多肉植物でも対応できます。白色の遮光率が高くないものを選びましょう。暖かい地域でも急な寒波や雪などが降るときもあるので一枚あると安心です。

使い方は、そのまま鉢の上からかけて石などで押さえてもいいですし、鉢の周りに支柱を立てて、そこに不織布をかけて鉢に洗濯ばさみなどで止めてあげると苗を傷めることもありません。大きなものは鉢ごとスッポリ包んであげてもよいでしょう。温室のビニールの代わりにつかったり、温室の中にかけたりと幅広く使えます。

できれば暖かい日には、不織布を外して日に当てると徒長せずに生長します。

冬越しで気をつけたい栽培のポイント

肥料について

多肉植物には、生育期は肥料が必要になります。冬に生育期があるのは冬型の多肉植物だけです。春秋型や夏型の生育タイプの多肉植物には肥料は必要ありません。休眠期に肥料を上げると肥料やけを起こして、枯れる原因ともなりますので絶対にあげないでください。

肥料は一般の観葉植物と異なり、少なめに施すのがポイントです。回数の目安は、生育期に緩効性肥料なら2ヶ月に1回、少なめに置き肥し、速効性肥料なら1〜2週間に1回程度、規定の希釈率(濃度)に希釈した後、それをさらに2倍に薄めたものを施します(あくまで目安です)。

多肉植物の肥料については、詳しい記事がありますので興味のある方はお読みください。

病害虫

多肉植物の病気や害虫の発生は、梅雨以降の高温多湿の時に起こりやすいので比較的冬の害は少ないです。暖かくなる春先から病害虫が発生しやすくなりますので、気をつけましょう。

カイガラムシは乾燥した屋内につくことがありますので、見つけたらすぐ駆除しましょう。その他の多肉植物の病害虫については詳しい記事がありますので、興味のある方はお読みください。

紅葉について

多肉植物は、秋に紅葉する品種も多くあります。紅葉するには寒暖差と日当たりが重要です。寒さが心配だからといって、早めに屋内で育てると日照不足にもなり、紅葉しません。

また紅葉期に肥料が切れていることも大切です。春秋型のエケベリアなどの紅葉する品種は、秋に追肥する場合は早めに追肥することが必要です。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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