サボテンは挿し木や胴切りなどで増やすのが一般的ですが、種子をとって増やす実生(みしょう)でふやすこともできます。ここでは、サボテンの種子まきでの増やし方について、手順や育苗についてわかりやすく説明します。
サボテンの種まきの時期
種蒔き時期は、5月から6月が適期です。気温が20℃~30℃ぐらいの暖かい時期に行います。寒い時期に行う時には温室などの環境を整えます。
サボテンの種まきの手順
種について
シャコバサボテンやクジャクサボテンは、自然交配で種ができる場合もありますが、サボテンの多くは、自家受精しません。種子を自分で採取するためには、交配から行う必要があり、同時期に同じ種類のサボテンを開花させる必要があります。難易度は上がるため、園芸店などに種子が販売されていますので、そちら購入するとよいでしょう。
用意するもの
- 底の浅い平鉢 (そこに穴をあけた、パック容器などでも代用可能)
- バット(平鉢をつけるために必要)
- 用土(洗って日光消毒した川砂・赤玉土小粒 or タネまき用の専用土)
- ガラス・アクリル板 (ラップやビニール袋でも代用可能)
- 割り箸
- 霧吹き
- ピンセット
手順
- 底の浅い平鉢に用土をいれ、等間隔になるように種を蒔きます。
- 土はかぶせず、水やりは、バットに水をいれて、鉢ごと水につけて鉢底から十分吸わせる腰水で行います。その後皿の水は少なめにしておきます。
- ガラス・アクリル板・などで鉢を覆い、保湿しましょう。蒸れを防ぐために、割り箸を挟んでおきます。ラップやビニール袋で代用する場合は、昼間は外しておきます。また高温になりすぎないよう直射日光には与えないようにします。
- 10~15日位で発芽します。芽が出た後もも水は腰水で与えます。
- 苗同士の間隔が狭くなったら、ピンセットでつまんで、通常の培養土に移し替えをします。水やりは腰水はやめて苗の上から水をやりましょう。苗が小さいときは霧吹きで水を与えると苗が流れずにすみます。1年ほどは通常より用土が乾かないようにして育てます
苗が小さいときに、カビなどが生えたり病気になった場合には、その苗の土ごと取り除いて被害を拡大させないようにしましょう。
サボテンの種まき・育苗について
サボテンの基礎知識
サボテンはサボテン科に属する原産地が南米・メキシコの多肉植物で別名仙人掌とも呼ばれます。200以上の属があり属に含まれる種類は2000種以上あるといわれています。
多肉植物は、多肉植物は春秋型、夏型、冬型の3タイプに別れ、それぞれ生育期と休眠期が異なります。サボテンは、ほとんどが「夏型」に 該当します。夏型は夏に盛んに生育し、春と秋はゆっくり生育し、冬は休眠します。
サボテンの育て方で大切なのはこの、生育期と休眠期で育て方を変えることが大切です。
用土と肥料
種をまく「まき土」は、雑菌が入らないようによく洗い、日光消毒した無菌状態の川砂を使います。まき土用の培養土でもよいでしょう。あらかじめ殺菌剤で消毒しておくと、発芽時に菌が発生して腐敗することを防げます。まき土には肥料はいれません。
苗が大きくなって、移し替えるときの培養土は、市販のサボテン・多肉植物用の培養土が便利です。自分で配合する場合は、赤玉土6・腐葉土2・川砂2などで、水はけのよい土にしましょう。鉢底には軽石などの鉢底石をいれてから培養土をいれておくと、根腐れを防ぎます。
栽培環境
サボテンは、通常は日当たりの良い風通しの良い場所で育てますが、種から育てる場合、直射日光に当てず、室内の明るい風通しのよい場所で管理します。温度は20℃以上を保ちましょう。乾燥した地域に自生するサボテンは湿度が高いのが苦手ですので、風通しの良い窓辺などに置いてあげましょう。
植え替え後は、日に当てて育てると、ひょろひょろと細長く伸びる徒長を防げます。ベランダや戸外で日に当ててあげましょう。
植え替え
苗が大きくなって植え替えをする場合は、通常の植え替えと同様に、春か秋に行います。せっかく育てた苗が、枯れてしまわないようにしましょう。
植え替えについての記事もありますので、興味のあるかたはお読みください
交配について
交配に挑戦したい方は、まず2株の花の咲いたサボテンを用意します。両方とも親株である必要があります。親株から増やした子株では、交配はできません。
- 花が開いたら、花粉が盛んになるまで待ちます。花が咲いたら半日以上は待ちましょう
- おしべの花粉を、綿棒につけて別の花のめしべにつけて受粉させます。
- 花の付け根の子房が膨らみ、実ができます。2か月程度で完熟します。完熟すると種を目視することができるので取り出します
- 取り出した種は、ガーゼにくるんでよく水洗いして、日陰で乾燥させます。
挿し木や胴切りでの増やし方
サボテンは、種まきや、胴切りと、親株から子株(新芽)を株分けして挿し木や葉挿しで増やすことができます。成長を早く進めて大きく育たてたいときなどには、健康なサボテンを台木にして接ぎ木で増やすこともできます。
株分けは、親株から子吹きをして芽がでた子株を切り取り挿し木にします。胴切りの場合は、切り落とした上部を挿し木にして使用します。挿し木は、切り落とした後風通しの良い場所で切り口を2週間程度乾燥させてから、用土に植え付けします。水はすぐにやらずに、1~2週間後に与えてください。
サボテンの挿し木や胴切りでの増やし方は、詳しい記事がありますので興味のあるかたはご覧ください。
まとめ
サボテンの中には毎年のように花をつける、シャコバサボテンやクジャクサボテン、イースターカクタスまた何十年も育てないと花をつけない品種、子株がどんどん増えるたり、群生して育つものとたくさんありますので種だけでなく、ほかの方法のほうが早く育てられる品種もあります。
土から小さい棘のあるサボテンが芽出しした姿はかわいらしく、愛着がわきます。鉢植えとして机にかざったり、多肉との寄せ植えを作って窓辺にかざったりと楽しみはたくさん。
また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがあります。プレゼントとしても素敵ですね。ぜひ、お気に入りのサボテン品種を見つけて、自分だけのサボテンを育ててみてはいかがでしょうか。
この他にも農家webの記事にはサボテン・多肉植物の記事がたくさんあります。
サボテンの育て方の記事はこちらから。