サボテンや多肉植物はダイソーやセリアなどの100均の土をつかって栽培することが可能です。ここでは、サボテン栽培に使える土について詳しく説明するとともに、サボテンに合った土の配合や使い方のポイントについて説明します。
そもそも100均の土でサボテンは育つのか?
そもそも100均で販売されている土でサボテンは育つのでしょうか。答えはYES。100均で販売されている土でももちろんサボテンなどの多肉植物や観葉植物、野菜も育てることができます。
正直なところ、土の品質は値段に比例します。特にさまざまな土が配合されている培養土は、低価格すぎるものには品質が悪い可能性もあります。しかし100均で販売されている土は特段安いということはありません。量を少なくして100円で販売されているものが多く、たくさん栽培する人はホームセンターなどで販売されている土の方が割安なこともあります。
ただし、ココピート(ヤシガラ培土)は水耕栽培などに使われますが、低価格のものは品質によりEC値(塩分濃度)が安定していないことが多いので、製造工程や品質が不明なものは栽培に慣れていない方にはおすすめしません。
サボテンの栽培に使える100均の土の種類
サボテンや多肉植物用の培養土
セリアとキャンドゥには、「サボテンや多肉植物専用の培養土」が販売されています。どちらも日本製です。2021月11現在、ダイソーでは専用の培養土は見つけられませんでした。
サボテンの土はメーカーにより配合は異なりますが 排水性・通気性がよく、適度な保水性があるように配合されています。緩効性肥料や、木炭などが配合しているものもあります。セリアの土には肥料は配合されていません。キャン★ドゥの土には元肥(肥料)が配合されています。
単用土
単用土とは採取されたまままの配合されていない1種類のみの土で、それぞれの植物に合わせて、単体でつかったり複数を配合して使います。100均で販売されている土について説明します。
赤玉土
火山灰土の赤土をふるい分けたもので、有機物を含まない弱酸性の土です。通気性・保水性・保肥性があります。高温で焼き固め、硬度を高くした土のことを「硬質赤玉土」といいます。焼き固めることで、崩れにくいことが特徴です。小粒の赤玉土は混ぜて、中粒の赤玉土は、鉢底石としても使用できます。
鹿沼土
軽石の一種です。強い酸性で、通気性と保水性があります。乾燥すると白くなるので水やりの目安にも役立ちます。大粒は大型のサボテンに。小粒タイプは化粧石としても使えます。
腐葉土
秋から冬に枯れて落ちた葉が堆積して分解されて、堆肥化して土のようになったもの。微生物を活性化してくれる改良用土です。
サボテン栽培の配合土について
サボテンは、乾燥した地域が原産地ですので一番重要なことは、水はけと通気性がよいことです。通常の庭土や畑の土はサボテン土には向きません。土がずっと湿った状態になると根腐れなどを起こしやすくなります。ではサボテンには単用土を使う場合はどのような配合がよいのでしょうか。
基本の配合
赤玉土4、鹿沼土3、腐葉土3 の割合で配合します。
シャコバサボテン
・赤玉・鹿沼土・腐葉土 を同量配合します。
その他100均で買える植え付け時に必要な材料
鉢底石と肥料
サボテンの植え替え時には、用土のほかに鉢底石と肥料を用意しましょう。どちらも100均で購入することができます。
鉢底石は、名前のとおり鉢の底にひいて使います。鉢底石は軽石や黒曜石などが使われていて、水はけをよくするためにサボテンには必要です。鉢底石を入れた後に、培養土や配合土のいれて植えつけます。
また肥料が入っていない場合は、元肥として緩効性肥料を混ぜておきましょう。緩効性肥料は、肥料の袋に書いてある、他の観葉植物の2/3程度の量を目安に与えるようにします。
ハイドロカルチャー用資材
サボテンは水耕栽培や、土を用いず、ハイドロボールやゼオライトなどの保水性、吸水性のある培地を使ったハイドロカルチャーでも育てることができます。ダイソーにはハイドロボール・グラスサンド・ジェルボールが置いてありました。ジェルボールは水分が多いためサボテンのハイドロカルチャーにはあまり向いていません。
ハイドロカルチャーを使うと、土を使わないので害虫も湧きにくく清潔で、見た目にもこだわることができます。半面土から栄養をとれないため、正しく肥料を与える必要もあります。また鉢底がない容器で育てるので根腐れの可能性も高まるので水やりには注意が必要です
ハイドロカルチャーで育てる場合は、土からの植え替えとは多少異なり、土の根を終わらせて水で育てる根を発根してから植え替える必要があります。
サボテンの水栽培やハイドロカルチャーの肥料については、くわしい記事がありますので興味があるかたはご覧ください。
ゼオライト
ゼオライトとは、沸石とも呼ばれる天然鉱物のひとつ。用土ではありませんが、サボテンや多肉植物の栽培にハイドロカルチャーにつかったり、根腐れ防止や土壌の改良に使われます。
使い方簡単です。鉢底にゼオライトをひいてから培養土をいれるだけ。また買ってきた鉢植えには、表面に置くだけでも大丈夫です。
多肉植物はゼオライトのみで育てることはできる?
最近サボテンなどをハイドロカルチャーで育てる人は多くいますが、ゼオライトのみでの栽培は可能なのでしょうか。カラーサンドやカラーゼオライトなどはガラスの器などにいれると素敵なインテリアになります。
しかしゼオライトのみでの栽培は、かなり難易度が高いといえるでしょう。カラーゼオライトやカラーサンドは特に粒が細かく、砂状のものは排水性がよくなく固まってしまったり、カビが生えたりしやすくなります。もともとハイドロカルチャーで多肉植物を育てるのは水やりに工夫が必要です。ゼオライトは、水がかわいているのかよくわからないということも根腐れの要因になりやすいです。
できればゼオライトは根腐れ防止として使い、メインはハイドロボールや、多肉植物に向いているといわれるウォーターサンドの方が失敗がすくないでしょう。
ダイソーのゼオライトやカラーゼオライトどう使う?
100均のダイソーでも、ゼオライトやカラーゼオライトが販売されています。ダイソーの根腐れ防止ゼオライトは中国産ですが天然ゼオライト。500gで100円ですのでそれほど安いというものでもありません。通常通り根腐れ防止剤として使うことができます。少し緑ががかった色をしています。
上述したように、カラーゼオライトだけで育てるのは少し難易度が高いけど、どうしてもガラスの器で、美しいカラーサンドアートを楽しみたいという場合はどのようにしたらいいのでしょうか。
おすすめは、器を2重にすること。多肉植物自体は、小さな鉢に土を入れて多肉植物を植えて、ガラスの器の内側に置き、周りをカラーサンドやカラーゼオライトで飾ります。室内で育てる場合は、ペラボンというヤシの実を加工したチップに移し替えるとより管理がしやすいのでおすすめです
多肉植物へのゼオライトの使い方は詳しい記事がありますので興味のある方はお読みください。
サボテンの植え替え・寄せ植えについて
ポットで購入してきたサボテンは、できれば早めに植え替えましょう。寄せ植えも植え替えの一種です。
サボテンの植え替えは、生育期の直前3月から4月が適期です。植え替えるときには、時期だけでなく天気や時間帯にも気をつけましょう。サボテンは多湿が苦手なため、天気の良い午前中に植え替えるとよいでしょう。午後雨が降るときにはさけたほうがよいでしょう。
植え替えや寄せ植えの方法や、植え替え時期ではないときの対処法も下記で説明しています。
まとめ
サボテンは品種がとても豊富です。100均一にも玉サボテンのマミラリアやウチワ型が特徴のバニーカクタスや姫ウチワ、柱のように育つ柱サボテン、レアなギムノカリキウムの属の海王丸などいろいろな種類を見かけます。一般の観葉植物と比べて毎日手をかけなくても育つので、観賞用としても非常に人気のある植物です。
また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがあります。プレゼントとしても素敵ですね。
100均には、ミニサボテン、器、土とサボテンを育てるものがたくさんあります。サボテンは枯れそうになっても復活できることも多く、だれでも楽しむことができます。ぜひお気に入りのサボテンを見つけて植物を育てる楽しみを味わってください!
『農家web』では、サボテンの品種別の育て方や多肉植物の育て方が多くあります。
栽培については、こちらも参考にしてください