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柱サボテン

柱サボテンの病気とは?病気別対策と復活のポイント!

柱サボテン

「柱サボテン」は、上に長く伸びる柱状をしていて、縦に筋のように凹んだ稜線を持つのが特徴です。ここでは柱サボテンがかかりやすい病気やその対処法について、わかりやすく説明します。

柱サボテンの病気

根腐れ病

サボテンの根本が緑色から茶色く変色して、ぶよぶよに柔らかくなっていたら「根腐れ」の可能性が高いです。水をあげても茎や葉がしぼんているなら、根が腐って水や養分を取り込めなくなり最終的には折れたり、枯死してしまいます。根本が茶色くても固い場合は、木のような見た目になる木質化の可能性があります。こちらは生育には問題がありません。

サボテンの枯れる原因の一番は根腐れですが、なぜ起こるのでしょうか。原因は水と栄養が多いことがほとんどです。多肉植物のサボテンは、乾燥して栄養の少ない場所でも自生できるので、逆に水やりや肥料の与え方を間違うと、適応できずに枯れてしまいます。

またサボテンは生長に合わせて植え替えが必要になりますが、それをさぼると鉢のなかで根が張りすぎて根づまりを起こして、根腐れの原因にもなります。

菌が原因の病気(立ち枯れ病・黒斑病・灰色カビ病等)

立枯れ病は、放線菌の一種の病原菌が土壌感染し、苗が赤紫色を帯びて、根元から茎へ腐敗が進行して、やがて枯れてしまう伝染症の病気です。

黒斑病は、柱サボテンに黒い斑点が付き、次第に全体に広がって灰色のカビが生えてきます。

灰色カビ病は、カビ(糸状菌)によって起こり、葉の一部が灰色、黒、褐色に変色して枯れたようになります。次第にその部分が拡大し、やがてその部分が腐敗して灰褐色のカビに覆われます。

どの病気も病状が軽い場合は、殺菌剤を使用すれば苗は生育する可能性もありますが、変色した部分は治りません。病気の部分から上部を胴切りして、植え替えましょう。予防にも殺菌剤は有効です。

害虫が原因の病気(すす病)

柱サボテンについた害虫(アブラムシカイガラムシ)の排せつ物につく菌によって引き起こされる病気です。葉が黒いススを被ったように汚れます。

殺菌剤を使用するとともに、アブラムシやカイガラムシを駆除する必要があります。歯ブラシなどでそぎ落としたり、ピンセットなどで駆除します。予防の殺菌剤等もあるので、アブラムシやカイガラムシの駆除については、記事がありますのでそちらもご覧ください。

徒長

植物の茎がひょろひょろと伸びてもやしのようになることを、園芸用語では徒長といいます。上にどんどん伸びていくのをみると成長しているのかなと勘違いすることもありますが、徒長した茎は太くなることはないので、徒長した場合はその茎を切り取るのが通常です。

柱サボテンは、どのような状況を徒長というのでしょうか。柱サボテンの中央の部分から細長く伸びたり、茎が曲がってしまうことなどが柱サボテンの徒長の特徴です。

徒長の原因のほとんどが、日照不足です。柱サボテンは特に日光が大好きです。柱サボテンが徒長した場合はその場所では日光が十分ではありません。置き場をもう一度見直して、日なたに置いてあげましょう。また室内で育てる場合には、屋外で育てるより水と肥料を控えると徒長しにくくなります。

サボテンが元気がない時の復活方法

胴切り

柱サボテンが根腐れしてしまったら、胴切りという剪定方法で腐った部分を切り落とし、植え替えすることで復活できます。胴切りは、病気の時だけでなくふやしたり、見栄えをよくするために仕立て直したいときにも行います。

準備するもの 鉢・用土・ピンセット・刃物(カッター・ハサミ・ナイフなど)土入れ・新聞紙もあるとよいです。

  1. 根腐れしている場合は、根腐れしている部分より上の先端を、病気で変色している場合は変色している部分より上の先端をカッターで横方向に切り取ります。カッターは雑菌を防ぐためライターなどで火であぶって消毒したものを使います。
  2. 切り離した先端の切り口は、1週間から2週間ほどしっかり乾燥させます。新聞紙などでくるんでおいてもよいでしょう。
  3. 切った先端の断面から芽が生えるので、切断面を下にして鉢に、新しい用土をいれて植えつけます。根腐れしている場合土の中に腐敗菌が発生している場合があります。必ず新しい用土を使いましょう。
  4. 水やりは植え付け後、1週間から2週間後に行います。その間は半日陰に置いて根が出るのをまってから、新しい環境にならしていきます。

植え替え

徒長している場合には、徒長した部分だけ胴切りすればそこからまた子株ができて育つこともあります。徒長した部分を胴切りして、残った部分を植え替えし仕立て直しします。

準備するもの 鉢・新しい用土・ 刃物(カッター・ハサミ・ナイフなど) ・ピンセット(割り箸) 土入れ・新聞紙もあるとよいです。

  1. 徒長した部分を切り取ります。残ったサボテンは1週間ほど水を上げずに乾燥させてから、鉢から外します。
  2. 根っこをほぐすように土を落とします。
  3. 根が細いサボテンは、伸びた根を半分から3分の2ほどカットします。腐った根は根元から切ります。
  4. 日陰で、4~5日乾かします。湿ったままだと病原菌が発生するためです。
  5. 新しい鉢に植え付けします。鉢の底に大粒の赤土土か軽石を入れ、その上に緩効性粒上肥料を加えます。苗を押さえながら培養土いれて植え込みます。最後にピンセットや割り箸などで土をならします。
  6. 水やりは植え付け後、4日から5日後に行います。その間は半日陰に置くか、ティッシュなどをかけておきましょう。

親株から出た新芽(子株)を挿し木にして植え替えることもできます。サボテンの植え替えについては詳しい記事もありますので興味があれば読んでみてください。

その他 柱サボテンの栽培で気をつけたいポイント

栽培環境・水やり

柱サボテンは、日当たりの良い風通しの良い場所を好みます。できれば生育期の春から梅雨までは、屋外の日の当たる場所で屋外で管理しましょう。屋内で育てるときも、日の当たる窓辺に置き、ベランダや庭の屋外にも定期的に出してあげると元気に育ちます。

日光不足になるとひょろひょろと先端が細くなったりして徒長してしまい、弱って枯れる原因ともなります。

梅雨明け後の真夏の直射日光は、葉焼けの原因にもなりますので半日日に当てたら、午後は軒下などの日陰に移動する。もしくは寒冷紗などで遮光して半日陰で管理します。

柱サボテンは原産がメキシコなどで日差しが強く温暖な地域に生息しているため、耐寒性は強くありません。霜の降りる冷え込む前には室内で管理してください。特に冬場は夜、窓際に置いておくと気温が下がり寒くなります。置き場は温度が5℃以下にならない場所で管理すれば冬越しは可能です。

柱サボテンは、乾燥した過酷な環境を生き抜くために、根や茎、葉などを肉厚にして水分を蓄えるようになっています。かといって水やりの必要性がないわけではありません。

水やりのポイントは、生育期と休眠期で緩急をつけた水やりをすることです。柱サボテンは多肉植物の夏型なので、夏型は夏に盛んに生育し、春と秋はゆっくり生育し、冬は休眠します。基本的には生育期の3月〜9月は、表土が乾いたら水をやり、休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に水を減らし、冬は霧吹きで葉水を上げる程度で、断水気味にします。

乾燥した場所で育つ柱サボテンは、水の上げすぎは根腐れの原因ともなりますので、水やりは注意が必要です。

サボテンの水のやり方についての記事もありますので、水やりに興味のある方は読んでみてください。

用土

一般の観葉植物では、鉢植えの場合は、赤玉土と鹿沼土を基本用土として、ピートモス、バーミキュライト、パーライトやココヤシチップといった改良用の土を基本用土にプラスして使います。

しかし、多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。このため、一般の観葉植物と異なり、赤玉6・腐葉土2・川砂2の割合がおすすめです。パーラライトや砂土などもブレンドしても排水性のよい、水はけのよい土ができます。市販のサボテンや多肉用の培養土も便利です。

またサボテンは水栽培(水耕栽培)や、ハイドロカルチャーで栽培することができます。また、ハイドロカルチャーで栽培する場合は、土を用いず、ハイドロコーン、ハイドロボールという丸い発泡煉石を使用したり、ゼオライトという多孔性の鉱石などを使います。エアプランツも同様です。土を使わないので、土で育てられたサボテンを水栽培やハイドロカルチャーで育てる際には、土の根を終わらせて水で栽培する根を発根して育てる必要があります。

上記の素材はいずれも一定の保水力のある素材なので、正しく肥料を使うことで、観葉植物をしっかりと生育することができます。植え替え時には元肥料として緩効性肥料を入れると元気に育ちます。元肥の緩効性肥料は、ハイポネックス マグァンプKなどがおすすめです。大粒のものから小粒のものまでありますので、品種に合わせた大きさをつかってください。

サボテンの用土や水栽培・ハイドロカルチャーについての肥料についての記事もありますので、興味があればお読みください。

肥料

砂漠などの栄養の少ない土でも育つサボテンですが、肥料をあげることで元気にすくすくと育ちます。

サボテンなどの多肉植物は、元肥は植え付け、植え替え時に行います。 植木鉢などで栽培する場合は、元肥をしっかりと施し、適期に追肥を行っていきます。追肥はサボテンは3月〜9月の生育期は肥料が必要です。どの肥料を使うかで頻度は変わりますが、 以下に目安を記載します。

  • 液体肥料の場合は、ラベルなどに記載されている希釈率から更に2倍程度に薄めて、月1〜3回のペースで施肥します。
  • 固形肥料の場合は、ラベルなどに記載されている使用目安量の半分程度の量を、1ヶ月〜2ヶ月に1回程度施肥します(頻度は使う肥料のラベルの説明に合わせると良いでしょう)。

休眠期は絶対に肥料をやらないようにしてください。肥料やけを起こし、根腐れしたり枯れる原因になります。

サボテンの肥料についての記事もありますので、肥料について興味のある方は読んでみてください。

害虫

スス病の原因となるアブラムシ、カイガラムシのほかにも、コナカイガラムシ、ハダニ、ネジラミ、ワタムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生する恐れがあります。梅雨にはナメクジが発生する恐れもあります。それぞれの害虫によって対応も異なり、幼虫や成虫などによって対応は変わります。見つけたら早めに取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。

害虫については下記に非常に詳しく対策を説明しているので、実際に発生してしまって困っている時やどの外注によるものか見分けるときなど、参考にしてみてください。

まとめ

柱サボテンには花が咲くシャコバサボテンや、西部劇などでみられる弁慶柱、白い毛でおおわれている老楽や翁丸 、高さが10メートル以上になる鬼面角、筒状で根元から分岐し群生する蝦サボテンなど手に入れやすく人気のあるサボテンがたくさんあります。

またサイズも100均で買える小さなものから、部屋のシンボルツリーとなるようなのような大きなものまで多種多彩です。寄せ植えなどでも楽しめ、また何年も育てないと開花しない品種があったりと、奥の深いのも魅力です。

また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがあります。

それでも植物ですので病気になったり、根腐れして枯れることもありますので栽培の環境に気をつけて予防にしてあげてください。根腐れしてぶよぶよしたり病気になったら、思いって切り取っても育つのがサボテンの強いところです。

執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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