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芝生

芝生に出るミミズの駆除方法と糞塚への対策方法

芝生に生息するミミズの写真です。 芝生

サッカー場などの競技場から公園、ご家庭の庭まで、芝生はさまざまなところに植えられています。芝生の緑色は、心安らぐ空間を与えてくれます。

そんな安らぎをくれる芝生ですが、美観を損ねるものが発生します。それは、ミミズとミミズの糞塚です。ミミズ自体は益虫として広く知られているかもしれませんが、大量に糞塚ができたりすると芝生にも悪影響を及ぼします。

この記事では、ミミズの生態や糞塚、ミミズの駆除方法、糞塚への対策方法を紹介します。

ミミズの生態

芝生に生息するミミズの写真です。

ミミズは、陸上の土壌中に棲む環形動物門貧毛綱に属する動物の総称です(他にも海産種もいますがここでは一般的なミミズを指します)。公園や畑でもよく見かけますよね。

害虫や害獣のようにミミズ自体が何か害を及ぼすことは少ないため害虫ではありませんが、糞塚やミミズ自体が人間を不快にさせるため、不快害虫として紹介されることもあります。基本的にミミズは土壌改良(土壌の団粒化や有機物・微生物の分解など)を促進させるため益虫として扱われます。

ミミズが芝生に住み着く理由

なぜミミズは芝生に住み着くようになるのでしょうか。おそらく最初の発生は、ミミズの卵が何らかの理由で芝生・土壌に紛れていた、もしくは他の動物によって運ばれてきたためと考えられます。

ミミズは基本的に土壌中に生息する動物となりますので、土があるところには出てくる可能性があります。

ミミズの種類にもよりますが、一般的なミミズであれば夏に10個〜60個の卵を産み付け、親は秋に死にます。卵は越冬して春に孵化し、3ヶ月ほどで一般的なミミズのサイズとなります。このサイクルはもちろん芝生でも同じで、ミミズ自体を退治しなければどんどん年々増えていくということになります。

ミミズが食べているもの

ミミズが食べているものは、土です。

ミミズは土を食べ、そこに含まれる有機物や微生物、小動物を消化吸収した上で粒状の糞として排泄します。それによって、植物の生育に適した団粒構造の土壌形成に大きな役割を果たしているのです。

そのため、農業では一般的に益虫として扱われ、土壌改良のために意図的に利用されたりもします。

ミミズの地表に現れやすい時期

ミミズが地表付近に現れやすい時期は、4月〜7月(特に梅雨時期)と9月〜11月頃です。地表に現れやすい時期でも日中帯は地中に潜んでいることが多く、夜間(特に日没直後や夜明け前)に盛んに活動します。

ミミズの糞塚(ミミズの塚)とは

芝生にできたミミズの糞塚の写真です。

ミミズの糞塚とは、ミミズが生息している穴(生息孔)から地表に現れたミミズが糞を排出してできる糞のかたまりです。

先述したとおりミミズは日中帯ではなく、夜間によく活動する生物のため、糞塚が形成されるのも主に夜間となります。

ミミズが芝生に与える悪影響

ミミズは益虫ということが一般的な見解ではありますが、芝生にとっては害虫になり得ます。ミミズ自体は人間にとって不快害虫となりますが、それ以上に問題となるのは糞塚です。

ミミズの糞塚(ミミズの塚)による悪影響

ミミズが作る糞塚(ミミズの塚)による悪影響は主に3点あります。

  1. 景観を損なう
  2. 芝生の一部分が枯れる
  3. 芝刈り機へ悪影響を与える

景観を損なう

やはり一番の問題点は、景観を損なうことでしょう。ミミズの糞塚が至るところにあると、せっかくの綺麗な緑色の芝生が台無しになってしまいます。

少ない量であれば、水で洗い流したりすることで糞塚を除去することができますが、大量にあるとそれだけでうんざりしてしまいます。

芝生の一部分が枯れる

ミミズの糞は、団粒構造を作るだけではなく、窒素リン酸カリウムといった肥料成分も多く含まれています。また、ミミズは石灰腺と呼ばれる器官を持っていて、そこから分泌される炭酸カルシウム(アルカリ性)は土壌のpH(酸度)を矯正してくれます(ミミズコンポストのススメ – 東京農工大学)。

これだけを聞くと、良い影響しか与えないように思えますが、芝生の場合は枯れることもあります。理由としては、以下のことが考えられます。

  • 栄養価のある糞が芝生に直接触れることで肥料やけのような症状になる
  • 表層の土壌pH(土壌酸度)のバランスが崩れる

少量であれば放置していても問題となることは少ないと思いますが、大量にある場合は除去を検討したほうが良いでしょう。

芝刈り機へ悪影響を与える

芝刈り機の画像です。

そして意外なものとしては、芝刈り機への悪影響です。ミミズの糞塚は地表に盛り上がったように形成されます。盛り上がった糞塚は、芝刈りをするときに芝刈り機の刃を傷める原因になり得ます。

モグラや鳥などの動物がやってくる

ミミズなど餌となる生物がたくさん生息していると、モグラや鳥などの動物たちがやってくることになります。

モグラは芝生を荒らしたりもするので厄介な動物です(害虫であるコガネムシの幼虫を食べてくれたりもするのですが…)。

ミミズが少なければ、そのような動物たちが寄ってくることも少なくなるでしょう。

ミミズの糞塚の除去方法

基本的に糞塚を見かけたら、ホースなどで洗い流してしまえば問題ありません。しかし、ミミズが多く生息している場合はまたすぐに糞塚ができます。根本的な対策としては「ミミズを駆除する」ことが必要となります。

ただ、必ずしもミミズの糞塚の除去、ミミズの駆除をしなければならないかと言われるとそうではありません。ミミズや糞塚の数がそこまで多くないようであれば、都度処理をする程度でも十分でしょう。ただし、ミミズは年々増殖しますので注意しながら観察してください。

ミミズを駆除するためには

芝生に生息するミミズの写真です。

ミミズを駆除する方法としては主に2つあります。

  • 地表に出てきたミミズを駆除する
  • 殺虫剤を使って駆除する

それぞれの方法について、詳しく解説します。

地表に出てきたミミズを駆除する

ミミズを地表で駆除するためには、まず地表に出てきてもらう必要があります。ミミズが日中帯に地表に出てくることは少なく、目視での確認は難しいかもしれません。強制的に地表に出てきてもらうには以下の2つの方法があります。

  • 椿油粕を散布して染み込ませる
  • サポニン粕を散布して染み込ませる
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どちらも「サポニン」という成分による効果です。サポニンは水に溶けると、界面活性作用があるため、細胞膜を破壊する性質などがあります。この作用によって、ミミズは粘膜を失うため、退避しようとして地表に現れます。土壌表面に上がってきたミミズを手などで回収することで駆除できます。

サポニンを使用した駆除の手順は以下のようになります。施用量など使い方は、その資材のラベルを確認してください。

  1. サポニンが含まれている資材を決められた量散布する。
  2. ミミズが出てくるまでしっかりと水を散布する。界面活性作用があるため、少し泡立ったようになります。
  3. ミミズを回収する。

サポニンは化粧品や食品にも使われる天然成分です。そのため人などには比較的易しい成分です。土壌に浸透した後は数日で自然分解されます。

ただし、サポニンが溶けた溶液は魚などには毒となりますので、川や排水溝には流さないようにしてください。

殺虫剤を使って駆除する

ミミズを駆除する方法として、殺虫剤を使うことも有効です。殺虫剤を使うことのメリットはミミズの回収が不要となることです。ミミズが地表に飛び出しにくいように設計された殺虫剤もあるようなので、ミミズ自体が苦手な方は試してみるのも一つの手です。

以下にミミズを駆除する目的の殺虫剤の一例を掲載します。使用する場合は、用法・用量を守ってお使いください。

製品名フルスイングWアストロ乳剤
概要フルスイングW」で検索アストロ乳剤」で検索

農薬、農耕地用除草剤を使用する場合には、必ず適用作物を確認しましょう。ラベルに記載がない場合には使用不可です。また、使用するときには濃度、使用量を必ず守りましょう。

ミミズの駆除効果の高いタイミング

一般的に3月〜4月頃に駆除すると効果が高いです。3月〜4月は卵から孵化したミミズがたくさんいるので、成長する前に駆除すると大幅に数を減らすことができます。

あとは、糞塚を見かけたタイミングで定期的に駆除を実施すると自然とミミズの数は減ると思います。

ミミズの駆除がうまくいかないときは

ミミズの駆除がうまくいかないときは下記を見直してみてください。

資材や殺虫剤の使い方を見直す

サポニンが含まれた資材や殺虫剤を使用するときには、必ず用法・用量を守って使ってください。

特にサポニンは散布するだけではなく、水をしっかりと含ませてやることが重要です。散布したあとは、必ずホースなどで水をしっかりと撒いてください。

殺虫剤は必ずラベルに記載している濃度、散布量で使用してください。

そもそもミミズの糞塚か再確認する

そもそもミミズの糞塚ではないという可能性もあります。他の可能性としては以下のものが考えられますので、疑わしい場合には検索をしてみてください。

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