この記事は、ティフトン芝に適した肥料と管理方法について解説しています。液体・固形肥料の選び方や、施肥の適切な時期・頻度、肥料のやりすぎや混ぜることの危険性についても注意点を説明しています。
ティフトン芝におすすめの肥料
ティフトン芝に適している、使いやすい肥料をまとめました。液体肥料も固形肥料もあるので、ご自身に使いやすいほうを選択して施用すると良いと思います。基本的な考え方として、以下のことは覚えておきましょう。
日清 100%有機 芝生の肥料(固形)
有機100%、木酢入りですので、植物と土と環境にやさしく、元肥や追肥として安心して使える肥料です。有機肥料でおだやかに効くため、肥料のあげすぎによる失敗を防ぎます。芝のみでなく、土をふかふかにする効果もあります。
バロネス 芝生の肥料(固形)
ゴルフ場で使用されている、芝生のプロ御用達の肥料です。芝生の隙間に入りやすい細粒タイプで、遅効性IBチッソと共にりん安 、硫安をチッソに使用していて、施肥直後から長期にわたり肥効が持続し、かつ肥料焼けも少なく 、安心して使用できます。
マイガーデン芝生用(固形)
マイガーデン芝生用はすぐに効いてその後も安定した効果が2~3ヶ月持続する3ピーク・ブレンドの肥料です。マイガーデンの粒状肥料は樹脂コーティングされているため、肥料やけもしにくいです。土にも活力を与える腐植酸を配合し、生育中の芝生をもっと元気に、もっと健やかに育てる、ばらまくだけの粒状肥料です。
ハイポネックス原液(液肥)
液体肥料(液肥)国内トップシェアを誇るハイポネックスの定番液体肥料です。ハイポネックス原液は、「三大要素(窒素、リン酸、 カリ)」の他、マグネシウムやカルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素を最適のバランスで配合された液体肥料(液肥)で、水で薄めて使います。
芝生用のハイポネックスシリーズの肥料もありますので、こちらを試してみるのもおすすめです。
芝生の肥料は他にも多くの種類、商品がありますのでいろいろ探してみましょう。
肥料を与える時期は?ティフトン芝の年間管理スケジュール
ティフトン芝は、暖地型西洋芝「バミューダグラス」の改良品種ですので暖地型となります。高温多湿に強い「野芝」や「高麗(コウライシバ)」などの日本芝も暖地型に分類されます。ちなみに「ブルーグラス」などの寒地型は、管理方法などが全く異なりますのでご注意ください。
肥料を与える時期は、上記の期間で、それ以外の期間には、施肥(肥料を与えること)しないようにしてください。芝が肥料やけし、枯れる原因となります。
生育期に入る3月頃に施肥を始め、その後は様子を見ながら隔月を目安として、葉の色が薄くなったり、成長が鈍化していると感じた時に施肥するようにしましょう。特に、梅雨時は生育が悪くなりがちなので、梅雨明け時に生育を促進させるために肥料を与えると効果的です。
注意点としては、梅雨時期と猛暑時は施肥をしないことです。梅雨時期は、栄養過多と高温多湿が重なり芝生の病気が発生する可能性が高まります。また、猛暑時は、芝が疲れて肥料を吸収することができず、肥料やけしてしまうためです。
コウライシバなどの暖地型の日本芝、ペレニアルライグラス・ケンタッキーブルーグラスなどの寒地型の西洋芝など、芝全般の肥料について知りたい方はこちらをご参考ください。
肥料をどれくらい与えたらいいの?
芝には、チッソ・リン酸・カリを同量満遍なく与えるのがよいとされていて、ガーデニング・園芸でよく使われる三要素のバランスが取れた肥料が適しています。
固形肥料の場合、一度に与える量としての目安は、1㎡当たり、袋に「N-P-K:10-10-10」と記載されている肥料で、20〜30gが目安です。肥料の袋やラベルに適正な使用目安量が記載されていると思いますので参考にしてください。
肥料を与える際の注意点
肥料のやりすぎ
元気に育ってほしいと肥料を沢山やりたい気持ちはわかります。しかし、休眠期に肥料をやる、また生育期でも規定以上の肥料をやるとやりすぎになってしまい、肥料焼けを起こして弱々しくなり、変色し、最悪枯れてしまいます。くれぐれも肥料のやり過ぎには注意してください。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
ティフトン芝とは?
ティフトン芝は、アメリカのジョージア大学が1959年に開発した「ティフウェイ(ティフトン419)」という芝です。暖地型のアメリカ生まれの芝「バミューダグラス」の改良品種で、芝生の中でも繁殖力が強いことで知られています。また、踏圧にも強く、擦り切れからの回復も早いため、サッカー競技場などで使う「スポーツターフ」をはじめとして、絶大な人気を誇っています。
ティフトン芝は、日本でも鳥取県を中心に多く生産されており、スポーツスタジアムに限らず、ゴルフ場、公園、庭園などに使用されています。また、緑化推進の流れも相まって、校庭、河川敷、庭など、様々な場所に広がり、さらにサラターフなどの人工芝からティフトン芝に変わる場所もどんどん増えています。
ティフトン芝を増やしたい時
ティフトン芝は暖地型なので、冬枯れしたり、踏み付けられすぎたり等で枯れることもあります。枯れた後に芝を植えて、芝の量を増やして密度の濃い芝生を作りましょう。隙間を埋めてティフトン芝を増やしたい場合は、直に種まきするよりも、種を容器(ポットやプランター)で育苗し芝苗を作ってから、それを地面に植え付けるという方法がおすすめです。植え付け後、養生期間を設けて土に定着させるようにしてください。
また、冬にも芝生を維持するために暖地型の芝生に寒地型の芝を種まきし、「芝を芝で覆う」オーバーシードという方法があります。寒地型でオーバーシードをする場合は、ウィンターオーバーシードと呼びます。一年中芝が必要な競馬場などではよく行われている方法です。オーバーシーディングは手間が非常にかかるので、メリットデメリットをよく考えた上で行ってください。