サボテンは多肉植物の一種で、最近では100均などでも手軽に手に入る人気の観葉植物です。ここではサボテンにはいつどんな肥料を与えればよいのか、おすすめの肥料や肥料時期・与え方について説明します。
そもそもサボテンに肥料は必要?
多肉植物のサボテンは、乾燥に強く、水も肥料も必要ないと思われる方も多いかもしれませんが、それは全くの誤解です。サボテンも一般の植物と同様に、生育期は水も肥料も必要です。
しかし肥料を与えるタイミングや量を間違えると、肥料焼けをおこし最悪の場合枯れてしまうこともあります。特にサボテンは肥料焼けしやすいので、肥料の与えすぎには注意が必要です。
サボテンに肥料を与える時期
サボテンに限らす、肥料は植物の生育期に与えることで、その植物の生育を助ける効果があります。反対に休眠している植物に肥料を与ええると、肥料を吸収することができず肥料焼けをおこし、枯れてしまうこともあるため休眠期には肥料は与えてはいけません。
多肉植物は生育により春秋型、夏型、冬型の3つに分けられますが、サボテンは夏に生育が盛んになる夏型です。多くは生育適温が20℃~30℃の範囲にあり、春と秋はゆっくり生育し冬は休眠します。
よってサボテンに肥料を与える時期はサボテンの生育期にあたる5月~9月。春と秋は肥料を控えめに与えるのがポイントです。
サボテンへの肥料の与え方
サボテンへの肥料の与え方は、一般の観葉植物より少なめに施すのがポイントです。
回数の目安は、生育期に緩効性肥料なら2ヶ月に1回、少なめに置き肥し、速効性肥料なら1〜2週間に1回程度、規定の希釈率(濃度)に希釈した後、それをさらに2倍に薄めたものを施します(あくまで目安です)。
花を楽しむシャコバサボテンは、肥料の与え方がことなりますのでシャコバサボテンを育てたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
サボテンの栽培におすすめの肥料
サボテンは、生育がゆっくりなため肥料もゆっくりと効果の続く緩効性肥料がおすすめです。肥料成分は、シャコバサボテンなどの一部を除き、花より葉や茎を楽しむものが多いため、三要素(チッソ、リン酸、カリ)がバランスよく含まれた肥料か、葉肥と呼ばれるチッソ、根肥と呼ばれるカリが多く配合されているものがおすすめです。
サボテンや多肉植物の肥料、観葉植物用の肥料などがおすすめです。ここからはサボテンにおすすめの肥料の種類や商品について説明します。
サボテン・多肉植物専用肥料
各社から販売されている多肉植物用の肥料であれば、多肉植物に合った肥料分が配合されており、施肥量も記載されていることが多いので、誰でも簡単に使えます。小さな多肉植物では粒剤や小粒タイプの錠剤がおすすめです。
粒剤や錠剤は、ゆっくりと効果が続く緩効性肥料が多いので、パッケージに書いてある肥料が続く期間を確認して、生育期間は肥料が効いているように追肥をしましょう。
サボテン・多肉植物用 活力剤
活力剤は肥料ではなく、肥料と一緒に使うのが一般的ですが、肥料を多く必要としないサボテンには肥料の代わりに活力剤をつかったり、緩効性肥料を1回与えて、その後は活力剤にするなどの使い方もあります。また室内で育てている場合は、生育期以外でも室内が生育適温であれば成長します。その時には活力剤を使うのもよいでしょう。
肥料成分は少ないので肥料焼けなどの心配がありません。肥料と同じく、錠剤タイプや液体タイプのものもあります。
微粉ハイポネックス
微粉ハイポネックスは、水に溶かして液肥として使う粉状肥料です。肥料成分はN-P-K=6.5-6-19と植物の株を丈夫にするカリ成分を多く含みます。カリ成分は耐暑性や耐寒性を強める効果もあるので、秋の追肥に使うと、耐寒性がUPします。また休眠期開けに元気がない時などにも、カリ成分は有効です。また微粉ハイポネックスは水耕栽培でも使えます。
防ぎたい! 肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
野菜などとは異なり、多肉植物は冬には休眠中になり冬越ししたりと、比較的植物の中でも肥料を必要としないものも多いです。このため、家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、肥料焼けを起こして弱々しくなり、しおれて最悪枯れてしまいます。多肉植物は特に、観葉植物以上に、肥料のやり過ぎには注意してください。
これと同じく、家庭園芸でありがちですが、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、また根にカビが生えて傷むことがあります。これは、休眠期に水をあげてしまう、また水を常に容器に満たし、風通しが悪い所に放置すると起こります。
水分が切れてから水を与えるようにする、風通しの良い場所に植物を置くようにすることを心がけてください。特に梅雨の時期は要注意です。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
サボテン栽培のポイント
栽培環境
生育期の春から梅雨までは日当たりのよい、風通しのよい屋外で管理します。梅雨明けからは直射日光のあたらない半日陰で管理しましょう。場所を移せない場合などには寒冷紗などで遮光します。真夏の直射日光は葉焼けの原因にもなるので気をつけましょう。
太陽を好むサボテンは日が当たらないと、ヒョロヒョロと弱って徒長して最後にはしおれて枯れてしまうこともあります。屋内で育てる場合もできるだけ、日当たりには十分注意し、できるだけ庭やベランダにだして、日に当ててあげましょう。 寒さは苦手ですので、霜の降りる前には室内で管理しましょう
水やり
サボテンの水やりのポイントは、生育期と休眠期で水やりの方法を変えることです。サボテンは多肉植物の夏型なので、基本的には生育期の3月〜9月は、土が乾いたら水をやり、休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に水を減らし、冬は断水気味にします。
サボテンの水のやり方についての記事もありますので、水やりに興味のある方は読んでみてください。
用土
サボテンは、根腐れを防ぐために水捌けの良い土が適しています。市販のサボテンや多肉用の培養土も便利です。最近では100均などでもサボテンの培養土が販売されています。
サボテンは水耕栽培や、土を用いず、ハイドロボールやゼオライトなどの保水性、吸水性のある培地を使ったハイドロカルチャーでも育てることができます。ハイドロカルチャーで育てる場合は、土からの植え替えとは多少異なり、土の根を終わらせて水で育てる根を発根してから植え替える必要があります。
サボテンの水栽培とハイドロカルチャーの肥料についての記事はこちらから。
剪定(胴切り)
病気や伸びすぎたサボテンは、「胴切り」とよばれる、サボテンを大きくカットする剪定を行います。
時期は植え替え時と同じ3月から4月に行いましょう。できれば午前中の晴れた日がおすすめです。切り方は、よく切れる刃物で傷んだ部分や、カットしたい部分を水平になるようにカットするだけです。
胴切りした後の断面は、風とおしのよい涼しい場所に置いて乾燥させます。
健康な胴切りした上部で、増やすこともできます。
ふやし方
サボテンは、種まきや、胴切りと、親株から子株を株分けして挿し木や葉挿しで増やすことができます。成長を早く進めて大きく育たてたいときなどには、健康なサボテンを台木にして接ぎ木で増やすこともできます。
種まきも挿し木で増やす場合も時期は春に行いましょう。種まきは温度が20℃以上にならないとないと発芽しにくいです。
病害虫
カイガラムシ・コナカイガラムシ・ハダニ・アブラムシ、ネジラミ、ワタムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生する恐れがあります。梅雨にはナメクジが発生する恐れもあります。それぞれの害虫によって対応は異なりますが、見つけたら早めに取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。
サボテンは、湿気の多い場所に置いておくと菌に感染して、根腐れ病・黒斑病・すす病・茎枯れ病・茎腐れ病などを発症します。予防には、湿気の少ない風とおしの良い場所に置いてあげましょう。もし病気にかかったら、変色した部分を切り取る胴切りをしましょう。
農家webには、サボテンや多肉植物の栽培記事が他にも多くあります。
品種ごとの育て方や、土を使わない水耕栽培も記事もあります。