稲作につきものの水田雑草。水田には様々な雑草が生えます。その中でもオモダカは一度発生すると稲(イネ)よりも成長し、除草剤の効きにくい多年生広葉雑草として有名です。
ここではオモダカについて、特徴と、駆除、防除方法について、徹底解説していきたいと思います。
オモダカ(沢瀉・澤瀉・面高)とは?
科 | オモダカ科 |
種類 | 多年草 |
分布 | 日本全土 |
学名 | Sagittaria trifolia L. |
別名 | ハナグワイ、サンカクグサ、イモグサ、オトゲナシ |
オモダカは日本を含むアジア、東ヨーロッパの水湿地に広く分布しています。日本では家紋のデザインに使われたりと、古くから見られてきた池,溝や水田に生える多年生草本です。
水田で、主として塊茎で繁殖し、翌年の発生源になります。多肥栽培の水田において生育が旺盛になりやすく、農家にとって頭を悩ませる雑草です。
オモダカの特徴
オモダカは溝,水田が浅水のときに生えます。また,稲刈取り(収穫)後、再成長して再び塊茎が形成され,翌年の発生源となってしまうケースがあります。
オモダカを効果的に除草するポイント
オモダカの効果的な防除方法は、田植え後の一発処理剤の施用が挙げられます。また、SU剤(スルホニルウレア系除草剤)に抵抗性のあるオモダカが発生しているので,この場合には抵抗性生物型に有効な成分を含む除草剤を使いましょう。
オモダカにおすすめの除草剤
まず、稲の生育初期、つまり田植え(移植)前後に、下記のような土壌処理剤や一発処理剤で抑えていく方法があります。
中期系はこちらおすすめです。
初期を過ぎてしまった場合は、初期剤や一発処理剤の後に使用する、中期・後期の除草剤を使うことになり、体型的に防除していく必要があります。
中期・後期の除草剤としては、広葉雑草に効くバサグラン(成分:ベンタゾンナトリウム塩)粒剤、液剤などの茎葉処理剤がおすすめです。
特にヒエクリーンバサグラン粒剤は、ノビエに対し優れた効果を示すヒエクリーンと、ノビエ以外の一年生広葉雑草や多年生雑草、オモダカ等の難防除雑草までの水田雑草に優れた効果を示すバサグラン(ベンタゾン液剤)をひとつにした水稲用中・後期除草剤の代表格です。
SU(スルホニル尿素)剤に抵抗性を示す一年生広葉雑草(アゼナ、ミゾハコベ等)、コナギ、ホタルイ等に対しても高い除草効果を発揮します。また、多年生難防除雑草でSU抵抗性が確認されているオモダカに対しても優れた効果を示します。
重要なことは、どの雑草も成長、繁茂してからの除草は困難であるということです。地下茎を伸ばしたり、草丈が伸長する前、できるだけ初期に除草、防除することを心がけましょう。
また、田面散布の際は、田面の土壌表面がなるべく均一になるよう、ていねいに砕土・代かきし、均平となるように整地するのが重要です。(湛水散布の際は、水の出入りを止めて湛水のまま田面に均一に散布します。)
除草剤を使わずに防除する方法
農薬を使わずにオモダカの発生を防いだり、除草したりする方法として、多くの農家さんが色々な方法を試しています。オモダカを防ぐためには様々な防除方法を複合的に行い、統合的に防除することが大事です。
ここでは、その方法を何点か紹介しますので、興味あるものがあれば、実行してみてください。
お酢を希釈して散布する
スーパーやドラッグストア、ホームセンターに売っている食酢をイネに影響がないよう酸度2・5%程度に希釈して散布すると、コナギ、イヌホタルイ、オモダカといった水田雑草を枯らす効果があるとして、お酢散布を行っている農家の方がいます。実際かなりの速効性が見られるようです。
出穂後のイネにかかると影響があるので、出穂後のイネにかけないようにするのがポイントです。(出穂前のイネには影響はあまりないとのこと)