鍬(クワ)は、昔から農業で使われてきた万能道具で、耕すこと以外にも様々な役割をこなします。ここでは、除草作業に注目して、除草に役立つ鍬(クワ)を紹介、解説していきます。
鍬(クワ)とは?
鍬(クワ)はもともと土を掘り起こして耕すための農具で、木製の柄と鉄の刃で構成されています。地域によって土質や環境が異なるため様々な種類があり、柄が短いものや長いもの太いもの、巾広のもの、刃に傾斜があるもの、刃の形、材質(ステンレス、スチール(鉄)、木など)もまちまちです。
具体的には、
- 片手鍬・・・片手で扱う軽作業用
- 備中鍬や唐鍬・・・ツルハシのような堀起こしに使うもの
- 平鍬・・・主に畝立てに使う鍬
に分類されますが、本当に様々な種類があります。近年の農業の機械化で以前よりは使用が減りましたが、家庭菜園、畑の要所要所で活躍の機会は多く、ホームセンターでも展示、販売されています。
雑草を除草するのに適した、「除草鍬」とは?
除草に適した「除草鍬」は、雑草を掘り起こすために改良された、鍬の金属部分が三角になっている「三角ホー」と呼ばれるものや、雑草を削り取るためにギザ刃になった「窓ホー」と呼ばれる特殊な形をしたものが挙げられます。
ここでは、その中でもおすすめの除草にぴったりの鍬をご紹介します。
三角ホー
三角ホーの「ホー」は「hoe」つまり長柄の鍬(クワ)を意味していて、通常の鍬は四角なのですが、除草に適するため鋼、鉄の金属部分が三角になった鍬のことを指します。実は昔から田畑の農作業用の用具として使用されているポビュラーな農具です。
草むしりや草取り作業を中腰で行い続けるのは腰への負担が大きいです。三角ホーだと、立ったまま除草作業ができるため、除草したい面積が約200㎡以上とある程度広い場合は重用したいアイテムです。
鍬の金属部分が三角になっているため、繁茂した雑草も簡単に刈り取ることができ、側面の広い部分を使えば、まとめて広範囲の雑草を刈り取ることもできます。また、逆側の側面を通常の鍬のように使って、土壌を平らに平す(ならす)、畝立て、土寄せ、中耕(浅く耕すこと)といった農作業ができ、菜園や畑地でも使える優れものです。
また、より草とりに適した形状のスーパーマルチホーク 草ヌッキーや、草を取るクルポン、株式会社ドウカンのけずっ太郎など、富士鋼業、浅香工業などが開発した、ここから派生した草刈り専用の長柄アイテム、片手で使えるものも多くあります。また、ドイツのガーデニングメーカー、WOLF Garten(ウルフガルテン)も様々な草刈りアイテムを販売しています。
窓ホー
窓ホーは草を抜くと言うよりは、削り取るのに適した形をした鍬になります。おすすめは、まず下記のドウカンの「けずっ太郎」です。
「けずっ太郎」は刃が薄いために土に食い込みがよく、土が付きにくいので株間の除草など非常に快適に作業ができます。また、アール刃で、上刃、下刃が異なった角度で作業ができるため、土を動かさずに雑草を土ごと切ることができます。
「けずっ太郎」は様々なバージョンがあるので、色々見てみると面白いですよ。
また、「けずっ太郎」と同じく、窓ホーでおすすめなのは、「雑草削る君」です。雑草を掘ってけずる、引っ掛けて抜く、土をならす、がこれ一つで可能になります。非常にリーズナブルな点も魅力です。
その他
ぬかるみ、田んぼなどで雑草を取り除きたい場合は、下記アイテムが、粘りが強い雑草の草抜きに最適です。グリップはエラストマー樹脂で握りやすく、柄はアルミパイプで軽く刃は炭素鋼(クロームメッキ仕上)なので、丈夫で耐久性も高いアイテムです。
熊手(クマデ)
木の棒にクマの爪のような鋼、ステンレス材質の櫛状になったものを取り付けた農具で、地面を引っかけて雑草をけずり、削ぎ落とすことができます。また三角ホーと同じく、また土寄せや中耕(浅く耕すこと)ができ、元来、菜園や畑地で使われる代表的な農具の一つです。三角ホーよりも一度で行える幅が広いため、広範囲の農地などに有効です。レーキも同様の使い方ができますが、レーキはフォーク形状のため熊手とは形が異なり、熊手の方がより雑草の除草、掃除に適した農機具です。
ムサシ 除草バイブレーター (ムサシ)
ムサシ 除草バイブレーターは、電動のバイブレーションを利用して、振動を与えて掘り起こし草を抜く除草機械です。バイブレーター機能で力をかけずに土、泥を削いで草抜きができ、草刈機や鎌(カマ)に比べて、根こそぎきれいに抜けるため、土の表面の草刈りよりも雑草の再生を遅らせ、草を生えにくくします。
また、様々なアタッチメントがあり、いろんな用途に使用が可能で、非常に便利な雑草抜き道具、スーパーグッズと言えるでしょう。
まとめ
除草 鍬を紹介しました。雑草退治、草取は、時間との勝負です。除草道具をしっかり利用して早め早めの除草対策を心がけたいものです。
ここで紹介したアイテムはカインズやアークランドサカモトなどのホームセンターのガーデニング、資材、土工コーナーに置かれていますので、気になる方は現物を確認してみて下さい。
ホームセンターでは、その他、剪定用の両刃の鋏(ハサミ)、鋸(のこぎり)といった工具、金物など様々なものが置かれています。
また、雑草には様々な種類があり、一年生のものから多年生のものまであります。雑草ごとにも除草のポイントは違ってきますので、おまけ以下のコンテンツも参考にしていただければ幸いです。
おまけ
草刈り鎌(草刈りガマ)
草刈りガマは草を根元から切り取り、刈り取ることに長けている刃物です。ある程度草丈が伸びて繁茂していて、ちょっと手で抜き取ることができないような場合に使用します。柄が長いものから小鎌と色々あります。
難点は根っこから削り取れない点です。このため多年生雑草の本質的な解決にはなりません。多年生雑草は、草刈りガマで草丈を抑えて、根、地下茎まで枯らせるグリホサート系の除草剤を草刈り後に散布することをおすすめします。また、錆びると効果半減しますので、切れ味を維持するために研ぐなどしっかりとした手入れを心がけましょう。
ねじり(ネジリ)ガマ
あまり聞き覚えがないねじりガマという商品ですが、ねじり(ネジリ)ガマは刃がねじれている草刈り専用のカマで、刈るだけでなく、草を削り取りやすい仕組みになっています。このため、土壌をけずり取って根から抜き取ることが可能で、狭い範囲であれば、これひとつで除草がすむ優れものです。非常におすすめの商品です。
除草スコップ
除草スコップは土を削り、深い根の雑草を抜き取るのに使う細長いスコップです。土壌が固い場合、またアザミやタンポポ、その他多年生の雑草など深く根を張る雑草が庭に多い場合などは、あると大変便利なアイテムです。
また類似アイテムとして、側面がギザギザになって地中の根も切れる草抜きシャベルや、電動バイブレーター機能がついていて、力を使わなくてもバイブ効果で雑草を土ごと掘り起こせるものもあります。
モンブラン 草取り一番百発百中
モンブラン 草取り一番百発百中は、刃先のギザギザ部分が草を引っ掛けて、根こそぎ引き抜くことができるアイテムです。このため、コンクリートやアスファルト、防草シートのすき間に生えた雑草、花壇の植え込みのすき間、菜園の株間の雑草をピンポイントで抜き取れます。また、芝を避けて芝生に生えた雑草だけを抜き取ることにも適した雑草抜き道具です。
また、除草剤やザバーンのような防草シート、砂利による防草対策など、除草に関する全てを下記にまとめていますので、除草した後、しっかりと雑草を生えないようにしたい方は、是非ご参考ください。
大規模な場所の草を刈る場合は、下記を参考にしてみてください。
芝生を刈る鋏(はさみ)や手動の芝刈り機(芝刈機)については、下記がお役に立てると思います。