この記事では、胡蝶蘭に適したおすすめの肥料一覧と施肥の時期・やり方などについて、詳しく解説します。
胡蝶蘭におすすめの肥料一覧
胡蝶蘭は、洋ラン専用の肥料を使うのが間違いありません。おすすめの液体肥料(液肥)で洋ラン用の肥料をご紹介します。
洋ラン専用の液体肥料
ハイポネックスとメネデールから、洋ラン専用の液体肥料が販売されています。美しく大きな花を咲かせ、洋ランの開花に不可欠な株の充実に優れた効果があります。ハイポネックスシリーズには希釈せずにそのまま肥料を施すことができるキュートというシリーズもありますので、希釈などが面倒な人は是非試してみてください。
万能の液体肥料 ハイポネックス原液
ハイポネックスとは、園芸用肥料・園芸用品の輸入・販売などを行っている株式会社ハイポネックスジャパンが販売している肥料の総称です。ハイポネックスシリーズの肥料は様々な用途、植物に対応していて、それぞれに合った肥料を選んで使用することで、より強く立派な植物を育てることができます。口頭などで「ハイポネックス」と言われる場合には「ハイポネックス原液」という肥料を指していることが多いです。
胡蝶蘭のほかに野菜や花などの植物を育てているのであれば、万能肥料であるハイポネックス原液もおすすめです。
液体肥料の基本と使い方については、下の記事を参考にしてください。
合わせて使いたい胡蝶蘭に適した活力剤(栄養剤)
植物の栄養剤として肥料の他に「活力剤」と呼ばれる製品があります。活力剤は、植物の活性を高める目的で使われ「窒素(チッソ)・リン酸(リンサン)・カリウム(加里)」の三要素以外の養分やアミノ酸、フルボ酸などの有機酸が含まれています。
活力剤は、単体で施用するのではなく、あくまで肥料にプラスして施用するものです。肥料はしっかりと適期に施しつつ、植物が弱ってきたり、より綺麗に花を咲かせたい、葉緑素(光合成に影響があります)を増やして葉を青くイキイキさせたいときに有効です。
種類としては液体やアンプルのものがあります。
リキダス
リキダスは、3種類の有効成分コリン、フルボ酸、アミノ酸を配合し、3つの相乗効果で植物本来が持っている力を引き出し、元気な植物を育てる活力液です。また、カルシウムをはじめ、不足しがちな各種ミネラル(鉄・銅・亜鉛・モリブデンなど)が、植物に活力を与え、美しい花を咲かせると共に、葉面散布液としても使用できるおすすめの活力液です。
土壌に挿してそのまま使えるアンプルタイプのものもあります。
植物活力素 メネデール
植物の生長に欠かせない鉄を、根から吸収されやすいイオンの形で含む植物活力素で、発根を促し、元気な植物に育てます。肥料でも農薬でもないので気軽に使用できます。
胡蝶蘭の施肥の時期と肥料・水のやり方
上記の通り、胡蝶蘭に限らず、植物が育つためにはチッソ(窒素)、リンサン(リン酸)、カリウムの三大要素のほか、マグネシウムやカルシウム(石灰肥料が有名)などの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)をはじめとした「微量要素」が必要です。
しかし、胡蝶蘭は大変デリケートです。家庭菜園や花壇の植物、草花と違って、肥料のやる頻度や種類に注意が必要です。
肥料を与える時期
胡蝶蘭でよくある失敗が、肥料のやり過ぎです。ついつい元気に生長して欲しいと思い、肥料をあげてしまいがちですが、胡蝶蘭は特に肥料のやり過ぎに弱く、肥料やけを起こして、しおれて枯れる原因になってしまいます。
胡蝶蘭に肥料を与える時期は、特に下記の2点に注意してください。
贈り物・ギフトとして、またお家で楽しむために買われた胡蝶蘭は、出荷前に肥料が適切に施されていて栄養満点なので、1ヶ月は肥料をやる必要はありません。生育期における肥料の量、頻度は、根っこを確認しつつ、各商品の説明に従うようにしてください。
胡蝶蘭に適した肥料の種類
固形・粒状の緩効性・遅効性肥料と液体肥料を組み合わせることもできますが、基本的には、液体肥料のみ、追肥の使用で十分で、このほうが肥料の量をコントロールしやすく、肥料のやり過ぎを防ぐことができるのでおすすめです。
水はどれくらいの頻度で与えればいいの?
胡蝶蘭の設置場所・温度・湿度などによって大きく異なる為、一概にどれくらいとは言えませんが、目安としては、植え込み部分の表面が完全に乾いて水気が感じられなくなったら、たっぷり水をやって、必ず受け皿の水を捨てる、これを繰り返すことになります。
胡蝶蘭は根腐れを起こしやすいので、受け皿や鉢の中がずっとぬれている状態にすることは絶対に禁物です。
胡蝶蘭はもともと台湾やフィリピン、インドネシアなど東南アジアの熱帯・高温多湿地帯を原産地とした木に着生する植物です。乾燥を嫌うため霧吹きなどをして湿度を保つこともポイントです。また、贈り物としてもらった場合はラッピングやセロハンが付いていて、これをそのままにしておくと水が溜まって根腐れを起こす原因になるので、きちんと取ることをおすすめします。
その他気をつけるポイント
その他、胡蝶蘭を育てるときのポイントを簡単に説明します。
胡蝶蘭の花が終わったら肥料はどうするか?
品種によってまちまちですが、再度花を咲かせることはできます。まずは落ちたり萎れたり、枯れた花は随時取り除いてください。
胡蝶蘭の花茎は5〜6個の節があり、花芽になる可能性のある腋芽が存在しています。花が枯れてしまったら、枯れた場所から出来るだけ高い位置の節を残してハサミで花茎を切ってください。株が元気で20℃前後の温度を保てることができれば、2ヶ月ほど花芽し、順調にいけば数ヶ月で開花します。
また、植物は用土の栄養素を吸収しているため、土をそのまま使い続けると、害虫、病害虫が発生しやすく、病気になりやすくなります。もう一度咲かせたい場合は、できれば、新しいポットや素焼きの鉢に、新しい用土にしっかりと元肥を行い、元の鉢から胡蝶蘭の株を抜きとり、腐った根や水苔をきれいに取り除いて、新しい鉢に植え替えをしたほうが確実です。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
花などの観葉植物は、野菜などとは異なり冬には休眠中になったりと、比較的植物の中でも肥料を必要としないものも多いです。このため、家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。観葉植物は、特に肥料のやり過ぎには注意してください。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
まとめ
開業・開店祝いや就任の祝いの贈答品として不動の人気を誇る胡蝶蘭。胡蝶蘭には、色によって様々な花言葉があることも魅力の一つになっています。通気の良い場所に置き、水やり、そして生育期に肥料を適切に与えることで、長く美しい胡蝶蘭を是非、楽しんでみてください。