園芸初心者でも育てやすく、花期も長いことから人気のビオラは肥料を好みます。ではビオラにはどんな肥料をいつあげればよいのでしょうか。ここではビオラにおすすめの肥料の種類や季節ごとの与え方について、わかりやすく説明します。
ビオラ栽培に適した肥料
ビオラは1年草で花が次々と咲くため、栽培中は肥料を切らさず育てる必要があります。
ビオラ栽培には、ゆっくり効果の出る緩効性化成肥料が適しています。開花が多い時には液体肥料と併用するとよいでしょう。
肥料は、三要素(チッソ、リン酸、カリ)がバランスが取れた肥料か、リン酸が少し多めの肥料がよいでしょう。ビオラの専用肥料であれば、肥料成分が調整されており、施肥量もわかりやすいので初心者の人に簡単に使えます。
ビオラに対する肥料のやる時期と頻度
ビオラの肥料はいつ、どれぐらいあげればいいのでしょうか。下記にビオラの一般的な肥料をやる時期と頻度について、基本的な考え方を説明します。
肥料時期
ビオラは秋に種まき・植え付けをするときに元肥を施し、開花が始まったら追肥を開始します。開花が終わるまで肥料を切らさずに育てます。
肥料の与え方(年間スケジュール)
- 春
開花時期です。緩効性肥料を置き肥するか、液体肥料を7日から10日に一度追肥します。開花が多い場合は両方を併用して追肥します。
- 夏
ビオラは、一年草です。夏越しは不要です。開花の後花がらから種ができます。
- 秋
植え付けの時期です。種まきの場合は9月に、苗を植えるときは10月以降が適時です。用土には、元肥として緩効性化学肥料を施します。
- 冬
開花までは追肥は必要ありません。開花が始まったら春と同様に緩効性肥料を置き肥するか、液体肥料を7日から10日に一度追肥します。開花が多い場合は両方を併用して追肥します。耐寒性は強いため、特に防寒対策などの冬越の必要はありません。
ビオラにおすすめの緩効性肥料
パンジー・ビオラの専用肥料
各社からパンジー・ビオラの専用肥料が販売されています。どれもビオラの生育に合わせた肥料分が調整されており、パッケージに施肥量やタイミングも書かれているので誰でも使いやすい肥料です。
花ごころのパンジー・ビオラの肥料は、粒状の肥料を土の上に置くだけで1ヵ月効果が続きます。三要素が均等に配合されています。庭植えなどで有機肥料を使いたい場合には、あかぎ園芸の「パンジー・ビオラの肥料」があります。リン酸を高めた肥料です。
花用の肥料
一般的は草花用の緩効性肥料も、元肥や追肥として使うことができます。約2~3カ月間持続する「マイガーデン植 花・野菜用」や「プランティア花と野菜と果実の肥料」を使えば、追肥の手間が省けます。
ビオラにおすすめの液体肥料
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。追肥に使います。
ビオラには、生育期を通して追肥に使うか、開花が始まったら緩効性肥料と併用してつかいます。リン酸の多い肥料がよいでしょう。
ハイポネックス原液は肥料成分がN-P-K=6-10-5、住友化学園芸の花工場原液の肥料成分はN-P-K=8-10-5とリン酸が多い液体肥料です。ハイポネックスには殺虫剤入りの肥料もあり、アブラムシなどの対策にも効果があります。原液タイプは水に希釈して水やり代わりに与えます。
肥料の種類・成分・名前などの基礎知識を知りたいかたはこちらで詳しく説明しています。
その他 ビオラの栽培で気をつけたいポイント
ビオラとパンジーに違いについて
ビオラ(viola)は、ヨーロッパ原産のスミレ科スミレ属の一年草です。秋から春まで長く咲くことから冬のガーデニングに大変人気があります。以前は花が大輪のものをパンジー、小輪のものをビオラと呼んでいましたが最近は交配が進み、区別が難しくなっています。
一輪に紫・白・黄色の花色をつけるサンシキスミレは、ビオラの代表的な品種です。
栽培環境
日当たりのよい風通しの良い場所で育てます。地植えでも鉢植えでも育てることができます。鉢植えの場合には表土が乾いたら水やりをします。地植えの場合は植え付き時に水やりをしたら特段必要ないでしょう。過湿は苦手なので水のやりすぎには注意が必要です。
ふやし方
タネと挿し芽で増やすことができます。種を取る場合は開花の後、鞘がパンパンに膨らんで上を向いたら茎ごと切り取り、封筒やティッシュに保存して乾燥させておきます。
タネは秋に植え付けしましょう。
挿し芽で増やす場合は、元気な茎をきりとり挿し穂にします。1時間ほど水あげをしたら、用土に植え付けします。用土は市販の草花用培養土を使うと便利です。
花がら摘み
秋から春まで長く咲くため、花が咲き終わったら、茎の付け根から切り取る花がら摘みを行いましょう。花が咲いているときに切り取って、切り花とし飾ることもできます。
害虫に気をつけましょう
ビオラに限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ、カイガラムシ、ナメクジ、ハマキムシの幼虫、ネコブセンチュウが発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除し、防除を心掛けるようにしましょう。
また、病気としてはうどんこ病、灰色かび病、葉枯れ病などがあります。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)