冬に大ぶりで鮮やかな美しい花を咲かせるシャコバサボテンは、肥料はいつ、どんな肥料を与えればよいのでしょうか。ここではシャコバサボテンを美しく咲かせるためのおすすめの肥料や肥料時期、与え方、栽培のポイントについて説明します。
そもそもシャコバサボテンに肥料は必要?
シャコバサボテンは、サボテンの仲間でサボテンなどの多肉植物は過酷な環境でも生きていけるため、肥料はほとんど必要ありません。
しかし花を楽しむシャコバサボテンは、美しい花を多く咲かせるには肥料は必要です。生育期に集中して与えることで美しい花を咲かせることができます。肥料時期を間違えると花芽がつかなくなるため注意しましょう。
シャコバサボテンに対する肥料のやる時期と頻度
それでは、シャコサボテンの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。ここではシャコサボテンの鉢植えの育て方と肥料をやる時期について、基本的な考え方を説明します。
肥料時期
シャコバサボテンの肥料時期は、春から梅雨明けまで。4月~6月の生育期に肥料を与えます。
7月以降に肥料を与えると新芽が育ってしまうため、梅雨明け以降は肥料は与えないようにしましょう。冬に開花が続きますが、肥料は不要です。
肥料の与え方(年間スケジュール)
- 春
- 夏
梅雨明けまでは、春と同様に固形の緩効性肥料を月に1回与え、液体肥料を2週間に1度追肥します。梅雨明け以降は肥料を与えないようにし、新芽の成長を抑えます。
- 秋
9月頃から花芽ができ始めます。梅雨明け以降、肥料は不要です。花芽のころには肥料が切れているようにしましょう。耐寒性は弱いので、晩秋には室内で管理しましょう。
- 冬
開花の時期です。室内の窓辺の日当たりのよい場所で管理します。肥料は春まで不要です。花がしおれたら花がら摘みをしましょう。
シャコバサボテンにおすすめの肥料
シャコバサボテンには、ゆっくり効果の出る緩効性肥料と、速効性の液体肥料を併用するのがおすすめです。
緩効性肥料は、三要素(チッソ、リン酸、カリウム)が均等にはいったものかリン酸の多い肥料がよいでしょう。液体肥料は花つきを良くするためのリン酸が多い肥料がおすすめです。
液体肥料と併用せず、緩効性肥料のみを使う場合は、リン酸の配合が多い花用の肥料がおすすめです。
シャコバサボテンにおすすめの緩効性肥料
シャコバサボテン・サボテンの肥料
シャコバサボテン用の肥料やサボテンの肥料の中にもシャコバサボテンに使えると記載のある肥料があります。専用肥料は、シャコバサボテンに必要な栄養素が配合されており、施肥量などの記載もあるので誰でも使いやすい肥料です。植え替え時の元肥や追肥の両方に使えます。
花用の肥料
各社が販売している花用の肥料であれば、リン酸が多く配合されているのでシャコバサボテンにもおすすめです。鉢の縁に置くだけの置き肥「プロミック 草花・鉢花用」や有機配合の「花ごごろ もっともっと花を咲かせる肥料」は土壌改良効果もあります。
シャコバサボテンにおすすめの液体肥料
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。追肥に使います。
パンジーには、生育期を通して追肥に使うか、開花が始まったら緩効性肥料と併用してつかいます。リン酸の多い肥料がよいでしょう。
ハイポネックス原液は肥料成分がN-P-K=6-10-5、住友化学園芸の花工場原液の肥料成分はN-P-K=8-10-5とリン酸が多い液体肥料です。ハイポネックスには殺虫剤入りの肥料もあり、アブラムシなどの対策にも効果があります。原液タイプは水に希釈して水やり代わりに与えます。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
その他 シャコバサボテンの栽培で気をつけたいポイント
害虫に気をつけましょう
アンスリウムに限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ、カイガラムシ、ハマキムシ、ナメクジ、ケムシ幼虫が発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除するようにしましょう。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
栽培環境
生育期の春から梅雨までは日当たりのよい屋外で管理します。梅雨明けからは直射日光のあたらない半日陰で管理しましょう。真夏の直射日光は葉焼けの原因となります。
水やりは用土の表面が乾いたら与えます。花が終わったら乾かし気味にして休眠させます。 寒さは苦手ですので、霜の降りる前には室内で管理して冬越しします。つぼみが小さい時に動かすと蕾が落ちるので大きくなってから動かしましょう。
植えつけ、植え替え
1年~2年に一度、植え替えをしましょう。シャコバサボテンは根腐れしやすいので、できれば1年に土植え替えがおすすめです。時期は4月頃に、一回り大きな鉢に移し替えます。根についた古い土は取り除いてから新しい用土に移し替えします。用土はシャコバサボテンの培養土を使うとよいでしょう。自分で配合する場合には、赤玉土4・腐葉土3・軽石3などの水はけがよく通気性がよい土を使います。
根腐れしている鉢は、株分けして別々に植え替えして水はけをよくするとよいでしょう。
剪定(切り戻し・芽摘み)
春に新芽を切り戻しすると、背丈を調整することで株がバランスよく仕立てられ、その茎を使ってふやすこともできます。秋になっても茎葉が生長し続けているときは、各枝の先端の赤くて柔らかい新芽をひねって、摘み取ると花芽が付きやすくなります。
秋には、茎節を成熟させて翌年の花芽のつきをよくするため、芽摘みをしましょう。涼しくなった9月の上旬に茎節がのびているようなら、先端のやわらかい新芽を摘みとります。
ふやし方
さし芽でふやすことができます。4月から7月ぐらいの生育期に行うとよいでしょう。枝の茎節を2節ほどに切り取って、鉢に挿します。一鉢に10本ほど同心円状に挿し芽すると自然に丸く整って成長します。
春に新芽を切り戻しすると、背丈を調整してみばえもよくなるのでその茎を使うとよいでしょう。秋になっても茎葉が生長し続けているときは、先端の赤くて柔らかい新芽を摘み取ると花芽が付きやすくなります。
シャコバサボテンの育て方については、こちらで詳しく説明しています