雑草や草を生えないようにするため、土面に設置する防草シート。ホームセンターに行くと、たくさんの種類の防草シートが販売されています。
防草シートの施工は簡単に敷ける場所ならDIYで行うことも可能ですが、入り組んだ庭での施工は、シートをカットする必要があり業者に任せるのが確実です。ここでは、一般的な施工の方法と、業者の頼み方、そして目安となる防草シート施工単価を載せています。
防草シートの金額は?
防草シートとは?
防草シートとは、地面に敷くことで雑草の生長を抑制し、敷いた箇所に雑草を生えなくさせるシートです。
空き地や太陽光パネル設置場所、また工事箇所の法面なんかでよく見かける、黒や茶色っぽい色のシートが、まさに防草シートです。
代表的なおすすめ防草シートの特徴と金額
防草シートは日光を遮断することで、雑草の生長を止めます。
このため、除草シートを選ぶ際は遮光率が高いことが重要です。具体的には、真夏の強い日光で、光合成を完全に阻害するまでの遮光率は、99.5%以上と言われています。購入する際に、目安の遮光率にしてください。
また、シートは消耗品です。耐用年数の短い安価なものは、年月が経つと劣化し、効能が落ちてきます。シートの設置は手間がかかり、そう何度も替えたりしたくないものです。シートの耐用年数も重要ポイントなので、購入の際は、
- 「生地が丈夫な不織布かどうか」
- 「透水性が高い素材か」
- 「厚みがあり耐用年数は高いかどうか」
が重要です。ここでは、遮光率が高く、耐用年数も長く、不織布で強度がある、厳選したおすすめの除草シート(防草シート)をご紹介します。
商品名 | ||||
---|---|---|---|---|
1㎡(平方メートル) 当たり単価 | 約400円 | 約600円 | 約200円弱 | 約330円 |
遮光率 | 99.7% | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
不織布かどうか | 不織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
透水性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
また、その中でもザバーン(プランテックス)は、世界有数のサイエンスメーカーである米国のデュポン(dupont)社が開発したポリプロピレン4層スパンボンド不織布の製品名で、世界で最も普及している高価な厚めの防草シートです。
ザバーンは極太の350Gをはじめとして下記の6規格あります。
商品名 | ザバーン350G | ザバーン240G (プランテックス240BB) | ザバーン136 | ザバーン128 | プランテックス68 |
---|---|---|---|---|---|
概要 | |||||
坪量(g/㎡) | 350 | 240 | 136 | 128 | 68 |
厚さ(mm) | 0.8 | 0.64 | 0.4 | 0.4 | 0.27 |
お知らせ:防草シートの名称変更について|旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ ホームページ
防草シートの施工は、どんな業者があり、金額はいくらくらいなのか?
防草シートの施工を頼める業者は様々なタイプがあり、防草シート施工単価もまちまちです。
1.地元の専門の業者に頼む
それぞれの地域に、地場の庭手入れ、外構・エクステリア専門の業者がいらっしゃいます。造園を生業にしていて、伐採や庭木の剪定が得意な業者だったり、掃除、ハウスクリーニングなどを生業にしている業者だったりと様々です。
相場的には、防草シートの施工費用は、防草シート代に加えて、「1㎡面積あたり300円程」が目安になります。
業者によっては、防草シートの施工は、雑草刈り、雑草除去のオプションだったりします。金額がまちまちなので、金額にどこまで作業が入るのか、しっかり確認するようにしましょう。
ちなみに、業者に雑草除去を依頼した場合の費用、価格の相場は業者によってまちまちですが、目安の単価としては、「1㎡(平米)面積あたり200〜500円程(1坪700〜1,700円程)」になります。
2.ダスキン などの大手全国展開している会社に頼む
ダスキンのように全国に同一のサービスレベルの業者サービスを展開している会社もあります。このような全国規模の会社に頼むメリットは、業務内容に対する価格が明朗であること、サービス品質が安定していることです。
ダスキンの防草シート施工サービスは、防草シートと、その上に敷く砂利の金額も込みになっています。価格は以下の通りです。参考にしてみてください。
対象 | 標準料金 |
非分解性シートの上に防犯ジャリ敷き ジャリ厚3cmの場合 | 35,200円(税抜32,000円)(5m²超追加 1m²あたり7,040円(税抜6,400円)) |
非分解性シートの上に防犯ジャリ敷き ジャリ厚5cmの場合 | 46,200円(税抜42,000円)(5m²超追加 1m²あたり9,240円(税抜8,400円)) |
ダスキンの各種サービスは、下記ページに詳しく説明していますので、ご興味ある方は覗いてみてください。
3.シルバー人材センターに頼む
各地域地域に公益社団法人のシルバー人材センターがあり、そちらに防草シートの施工を頼むこともできます。メリットは価格が比較的抑えられていることや、また、屋内のふすまの張り替え、雪かき、雪下ろし、遺品、廃品回収、撤去などの作業も合わせて依頼しやすいことがあります。
デメリットとしては、人によりますが、あまり専門的な作業(土壌処理剤を使っての雑草の抑制など)は期待できないことです。このため、防草シートの施工を請負っていない所もあるでしょう。
金額は、その県や地域によって異なるため、施工を頼みたい場所のシルバー人材センターに問い合わせてみましょう。
業者に依頼する際はどんな点に注意した方がいいのか?
トータル価格
比較的安い業者は、基本的な草刈り〜後始末の業務になんらかのオプション料金が発生するケースがあったりします。また、刈った雑草の片付け、処分、回収の費用はオプションであることが多いので、ここも込みなのかどうかでトータル金額は大きく変わってきます。見積もりをしっかり確認して、トータル金額を確認してください。
オプション作業 (除草剤、生垣など)
防草シートを貼る場所に芝生を植えていたり、植込み、生垣になっている場合や庭木、植木の剪定もお願いしたい場合、業者の芝での草刈、また樹木の剪定、伐る技術など、芝刈りの専門スキル等が必要になってきます。
また、敷地内に庭木があって、生い茂っている樹木の手入れ、メンテナンスや消毒も併せてしたい、さらに適切な肥料の施肥もまかせたい場合では、より高度な、樹木の知識を持つ庭師のスキルが必要になります。
このように、庭や空き地の草刈り、防草だけでなく、芝刈りや肥料など様々な要望があるかと思います。そんな時は、その業者がそれを行うことができるかどうか、が重要なポイントになってきます。施工できる内容を確認して、しっかり見積りに反映させましょう。
自分で防草シートを貼る場合
自分で施工すると、費用面は格段に安くなります。しかし、防草シートは、敷き方、貼り方で、その後の耐用年数が変わってきます。適切な施工をすることが重要ですので、自分で行う場合は、下記の敷き方手順を参考にしてください。
除草
防草シートを敷くときは、できるだけ雑草を取り除き、地面に雑草がない状態にする必要があります。既に雑草が繁茂している場合は、必ず草取りや草刈り、草むしりを行って、地面を雑草がない状態にしてください。
また、草刈りをしても、雑草が多年生雑草の場合は、根が残っているため、またすぐに生えてきます。このような場合、使用が可能であれば、草刈り後に グリホサート系(ラウンドアップ 、サンフーロン) などの 除草剤 を散布し、土中の根や地下茎まで枯らしてしまうことが有効です。
雑草の根や地下茎が残ったままだとすぐに雑草が生えようとし、チガヤやハマスゲ、竹、笹、セイタカアワダチソウなどの突き破る力の強い多年生の雑草は尚更、 ドクダミ 、 スギナ 、ナズナなど非常に厄介な雑草が生えている場合は、 除草剤 を使用して、根や地下茎まで除草、駆除できるとベストです。雑草突き抜けの憂いを取り払いましょう。
また、冬から春にかけて防草シートを敷く場合は、草刈りする必要はないかと思いますが、夏場にスギナ、ドクダミ、チガヤ、ハマスゲ、セイタカアワダチソウ、ヤブガラシ、ススキが目立っていた場合は、土壌処理剤を撒いた後に防草シートを敷くことをおすすめします。
除草については、下記に全ての情報をまとめています。
踏み固め
もしその場所が、水平でもともと地盤が緩い場合は、踏み固めや重石を使って地面を固めて、できるだけ表面を平らに整地してならしてください。透水性が高い防草シートを使っても、豪雨で水たまり、ぬかるみが出来る可能性はあるので、それを避けるためにも大事な作業になります。また、プロの造園業者は整地の際に端に傾斜、勾配を付けて、雨水を透すようにデザインしたりします。
敷設 (施工)
いよいよ、防草シートを広げて敷いていきます。敷き方のポイントは2点です。
作業をするときは、ピン等を使い、土をならす作業があるので、軍手を身に付けるようにしましょう。縁石や花壇、壁際がある時は、シートにカッターやハサミで切込みを入れて、加工していきます。苗を植える際のマルチングに穴を開けるために切るのと同じ要領です。シートをはさみで短く切り分けるよりも、長めにとって、丁寧に設置していきましょう。
敷設後
敷設後は、定期的に、シートが捲れていないかどうか、破れたり破損したりしていないか確認し、固定ピンを増やしたり、補修する事が重要です。また、周りに耕作放棄地や空き地が多い場合は、雑草の種子が飛来し、防草シートの周辺に突き抜け力の強い多年草(例えば、チガヤ、ハマスゲ、メヒシバ)が生えてくる可能性があります。
防草シートの周辺に生えてきている場合は、根や地下茎が防草シートの下に張り巡る可能性があるため、早めに抜いたり、グリホサート系(ラウンドアップ 、サンフーロン)の除草剤で除草、駆除することをおすすめします。
防草シートの上に砂利を敷くと、よりおすすめです!
市販されている防草シートは、最大手のプランテックス(旧名称 ザバーン )はじめ、全ての防草シートは、むき出しで使用していると、紫外線で徐々に劣化していきます。そもそも安価な防草シートは、日光に露出(曝露)して数年も放置できるように作られていません。また、非常に性能が高いザバーンのような防草シートでも、むき出しで使用すると、最もグレードが高いザバーン350Gで、約10〜15年の耐用年数になります。後々後悔しないためにも、防草シートを下地にして、玉砂利や砕石、バークチップ、ウッドチップや人工芝を敷いて紫外線を防ぐことが重要になってきます。
しっかりと砂利や砕石、バークチップで紫外線を防ぐことが出来ると、高機能な防草シートだと、半永久的に雑草の繁茂を防ぐことができますし、庭などの景観も良くなりますので、是非下の記事を参照ください。
まとめ
防草シートは敷き方、貼り方で、雑草をしっかり抑えて草防効果を長持ちさせれるか、大きく差が出ます。当内容を参考にしていただき、ベストな施工方法をチョイスしてください。