雑草や草を生えないようにするため、土面に設置する防草シート。繁茂した雑草をシートで覆って押さえ、太陽光の熱で枯らしてしまう雑草シートもありますが、一般的には、雑草を押え、生えないようにするシートを、防草シートや除草シートと呼んでいます。
ここでは、防草シートにはどんな効果があるのか、またその効果を最大に発揮する、おすすめの防草シートを紹介します。
防草シートとは?
防草シートとは、地面に敷くことで雑草の生長を抑制し、敷いた箇所に雑草を生えなくさせるシートです。
空き地や太陽光パネル設置場所、また工事箇所の法面なんかでよく見かける、黒や茶色っぽい色のシートが、まさに防草シートです。
防草シートの効果は?
防草シートを敷くことで、こんな効果が得られます。
敷設すれば、数年から数十年は雑草を抑制でき、草刈りから解放されます
防草シートは種類によりますが、数年から数十年持ちます。その間は植物の生長をストップさせるので、草刈り、草むしりから解放されます。
砂利やバークチップ、人工芝をシートの上に敷くことで、景観も美しくできる
防草シートは、敷いた上に、砂利やウッドチップ、バークチップ、人工芝などを敷くことができます。このため、庭のガーデニング、景観に合わせることができます。
また、防草シートの上に砂利や人工芝を敷くことで、防草シートの耐久期間を長持ちさせる効果もあります。
防草シート(除草シート)購入で注意したいポイント!
遮光率、耐久性、透水性が高いかどうかが重要です
防草シートは日光を遮断することで、雑草の生長を止めます。
このため、除草シートを選ぶ際は遮光率が高いことが重要です。具体的には、真夏の強い日光で、光合成を完全に阻害するまでの遮光率は、99.5%以上と言われています。購入する際に、目安の遮光率にしてください。
また、シートは消耗品です。耐用年数の短い安価なものは、年月が経つと劣化し、効能が落ちてきます。シートの設置は手間がかかり、そう何度も替えたりしたくないものです。シートの耐用年数も重要ポイントなので、購入の際は、
- 「生地が丈夫な不織布かどうか」
- 「透水性が高い素材か」
- 「厚みがあり耐用年数は高いかどうか」
を確認できるとベストです。
シートの上に砂利などを敷くのか、そのまま露出させて大丈夫なのか
市販されている防草シートは、最大手のプランテックス(旧名称 ザバーン)はじめ、全て、防草シートの上に玉砂利や砕石、バークチップや人工の芝生を置いて見えないようにして使用することを前提にしています。このため、一般的な防草シートは日光に露出(曝露)して数年も放置できるように作られていません。
インターネットの記事などで、曝露してそのままの使用もOKと書かれていたりしますが、そもそも曝露して使用することを前提としていないので、曝露使用での耐用年数はあてにしない方が賢明です。
そのままその情報を鵜呑みにしてむき出しで使用すると、紫外線で思った以上に早く劣化して、強雑草(スギナなど雑草の中でも特に強い生長力を持つもの)がシートを突き破ってきて、破れたところに雑草が繁茂し、庭が残念なことになってしまいます。
非常に高密度の質の良いものでも、曝露して使用すると、こちらで紹介した極めて優れたシート以外では、10年と持たないものと思ってください。空き地などの整地されていない場所、畦(畔)のような通路(畦道)など、曝露して使用するときは場所を限定するのが賢明です。
10年以上、長く防草効果を維持し、長持ちさせるには、できれば、砂利やバークチップや人工芝とセットにして防草シートを目隠ししたほうが景観的にも良いので、セットでの使用をおすすめします。
おすすめの防草シート(除草シート) 4選!
商品名 | ||||
---|---|---|---|---|
1㎡(平方メートル) 当たり単価 | 約400円 | 約600円 | 約200円弱 | 約330円 |
遮光率 | 99.7% | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
不織布かどうか | 不織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
透水性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
ここでは、遮光率が高く、耐用年数も長く、不織布の、厳選したおすすめの除草シート(防草シート)をご紹介します。シート選びに失敗しないためにも、おすすめシートの中から選んでいただければと思います。
デュポン プランテックス防草シート240BB (旧名称ザバーン防草シート240G)
プランテックス防草シートは米国デュポン社が開発したポリプロピレン製の特殊不織布です。
ザバーン(xavan)という旧名でも呼ばれ、最も有名な防草シート(除草シート)の名称です。モスグリーン、ブラック色、ポリプロピレン製資材なので、水の浸透率(透水性)は十分で、シートの上から、液体肥料や液剤の除草剤も使用することが可能です。
また、不織布かつ多層構造により雑草の突き抜けや貫通、破れを防止、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが出来、遮光率は驚きの99.7%!トップレベルの遮光性を誇ります。
ザバーン(プランテックス)は、非常に多くの種類がありますが、露出して使用しないことを前提とすると、この240BBで必要十分なパフォーマンス、砂利や砕石で押え使用できれば、半永久的に効果を持続させることができます。
どうしても曝露して使用しないといけない場合に限り、240BBよりも耐久性の高い350BBを使用してください。こちらは240BBよりも高価ですが、ザバーン製品の中で最も耐久力の優れた製品です。
お知らせ:防草シートの名称変更について|旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ ホームページ
(プランテックス(ザバーン)はホームセンターにもよく置かれています)
アストロ 防草シート 1×10m グリーン
こちらは、不織布専門店のアストロが作った防草シート(除草シート)です。ポリプロピレン製なので、透水性は高く、劣化にも強く、不織布のため、雑草の貫通に強く、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが出来ます。遮光率が、96.7%と、ザバーン防草シート240Gよりは劣りますが、その分単価は、10㎡あたり約2000円弱と、ザバーン防草シート240G(10㎡あたり約4000円強)よりも半額以下で購入することができます。多年生の雑草が既に生い茂ってしまった場所や、隣が雑草だらけで種子が飛来するような場所でなければ、このアストロシートでしっかり防草できます。
また、1ロールのサイズが「1×2m」「1×3m」「1×5m」「1×10m」「1×20m」の中から選ぶことができるので、必要な量だけ購入することができ、コスト的にも魅力的な商品です。
キンボシ 超強力防草シート(黒)
創業149年の農業、園芸会社であるキンボシが販売する、日本製の防草シート(除草シート)です。ポリプロピレン製なので、透水性は高く、劣化にも強く、不織布のため、雑草の貫通に強く、しっかりと雑草の成長を押さえ込むことが出来ます。また、驚くべきは、遮光率99.9%!耐久性、耐候性にも優れる最高レベルの防草シート(除草シート)です。
ポリエステル長繊維不織布アクスター (東レ)
アクスターは東レが開発した高密度のポリエステル不織布、化学繊維です。繊維密度が高く、貫通抵抗性にも優れているため、生命力の強いイネ科雑草でさえ、シートを突き破ることはありません。また、通気性・透水性には優れ、遮光率は99%以上と高く、光はほぼ完全に通しません。このため、殆どの樹木、雑草の根や新芽の貫通を防ぐため、太陽光発電所のパネル下、変電所等の鉄塔下や歩道の下などで、防草シートや防根(根域制限)シートとして使用されている業務用の防草シートです。
ネックは唯一、高価なことです(10㎡あたり約5500円)。
他、エコナル防草シートというポリエステル製ですが、透水性があるため雨水でぬかるみが出来たりせず、不織布で比較的安価なシートもありますのでご参考ください。
防草シート合わせて使いたい、ピンとテープ
防草シート(除草シート)同士に隙間ができると、その隙間から雑草は繁殖します。このため、隙間を作ることなく、しっかり地面にシートを固定し、敷き詰める必要があります。
防草シート(除草シート)の上に砂利や砕石を置くことで重しとなりますが、今日の強風や激しい雨などを考えると、それだけでは十分ではありません。下記のような、シートをめくれないように押さえ、固定するためのピン、杭や、シート間の間隔を開けないように、シートとシートをしっかり接着する粘着、養生テープの利用をおすすめします。
しっかりとピンとテープで固定した後、砂利や砕石、バークチップ、人工芝などで、覆うことが重要です。防草シートピンとテープについて詳しく知りたい方は、下記を参考にしてみてください。
防草シート(除草シート)を張る前の準備
防草シート(除草シート)は、雑草の成長を押さえ込むものなので、シートを張るときは、地面に雑草がない状態が望ましいです。季節で言うと、雑草が生えていない、冬が適期です。
既に雑草が生えているときにシートを貼る必要がある時は、必ず草取りや草刈りを行って、地面を下草など雑草がない状態にして、シートを貼る地面を平らにしてください。また、草刈りをしても、雑草がスギナやドクダミ、ヤブガラシ、メヒシバ、チガヤ、セイタカアワダチソウ、ツユクサ、ヒメジョオン、カヤツリグサのような土中に地下茎を伸ばす雑草、イネ科雑草や広葉雑草多年生雑草、フェンスに絡まるつる系雑草の場合は根が土中に残っているため、またすぐに発芽し生えてきます。
このような場合、使用が可能であれば、草刈り後にグリホサート系(ラウンドアップ 、サンフーロン)などの除草剤を散布し、根や地下茎まで枯らしてしまうことが有効です。
防草シートを効果的に貼る方法は是非、下記を参考にしてみてください。
防草も含めた、雑草そのものの除草については下記に纏めています。除草剤などに興味がある方はご参考にしていただければと思います。
まとめ
防草シート(除草シート)を上手く使うと、毎年の草むしり、草刈りから開放され、庭を美しく維持できますし、農業でも、通路や畔(畦)に取り入れることで、草刈りの除草作業や除草剤の使用量も減らせ、害虫駆除の殺虫剤などで畑、菜園で使う農薬の使用など、様々な手入れ、農作業、害も減らすことができます。
シートの資材の特性に合わせて上手く利用し、お庭のガーデニングの一部や菜園などの横など、できるだけ、防草効果がしっかり続くように設置したいですね。
商品名 | ||||
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1㎡(平方メートル) 当たり単価 | 約400円 | 約600円 | 約200円弱 | 約330円 |
遮光率 | 99.7% | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
不織布かどうか | 不織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
透水性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
また、防草シートのメリット、デメリットという観点から記載したコンテンツもあるので、ご紹介します。