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化学肥料・化成肥料

化成肥料の「8-8-8」と「14-14-14」の違いと各肥料のメリット

化成肥料のパッケージを見てみると「8-8-8」や「14-14-14」のように、数字が大きく記載されている場合があります。この記事では、その数字の意味や「8-8-8」と「14-14-14」の違い、各肥料のメリットについて詳しく解説します。

「8-8-8」「14-14-14」数字の意味

化成肥料のパッケージなどに記載されている「8-8-8」や「14-14-14」の数字は、それぞれ窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の含有保証成分の割合(保証成分量)を示しています。

「8-8-8」の場合は、その肥料の正味重量に対して、窒素(N)が8%、リン酸(P)が8%、カリウム(K)が8%、それぞれ含まれているということになります。ここで一点注意が必要な点として、「kg(キログラム)」ではなく、「%(パーセント)」で表記されるということを覚えておきましょう。

実際の窒素、リン酸、カリウムの含有重量を知りたい場合にはどのように計算すればよいでしょうか?

例えば、「N-P-K:8-8-8」の肥料10kgを畑に散布するとします。その場合、以下の計算式で各要素の含有量を計算できます。

「8-8-8」化成肥料10kgの各要素の含有量計算方法

10kg×0.08(8%)=0.8kg

よって、「N-P-K:8-8-8」の肥料10kgを畑に散布すると、窒素・リン酸・カリウムそれぞれを0.8kgずつ補給したことになります。

パッケージや保証表に記載されている保証成分量について

パッケージや保証票に記載されている保証成分量は、あくまで含有される成分の最低量を示しています(15 肥料取締法について – 農林水産省)。よって、それ以上の成分が含まれる場合もあります。しかし、基本的には大きな誤差はないためそこまで厳密に考える必要はなく、施肥・栽培の計画などに用いて良いでしょう。

プロ農家など、精緻な栽培を目指す方は、保管している肥料の種類によっては都度分析を行って実際の成分量を確認する必要があります。

「8-8-8」と「14-14-14」の違い

ここまでくると、もうお分かりですね。

「8-8-8」と「14-14-14」の化成肥料の違いは、単純に窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の保証成分量の違いです。「8-8-8」は、「14-14-14」の約半分程度の含有量ということが言えます。

要素
(肥料正味量10kg)
「8−8−8」
の化成肥料
「14−14−14」
の化成肥料
窒素(N)0.8kg1.4kg
リン酸(P)0.8kg1.4kg
カリウム(K)0.8kg1.4kg
「8-8-8」と「14-14-14」の化成肥料の含有量の違い(10kgの肥料の場合)

「8-8-8」の肥料を使うか、「14-14-14」の肥料と使うかは、散布する範囲(面積)や育てる作物、熟練度などによって、異なります。また、形状や材質によっても、肥料と使い分けたほうが良いです。

家庭菜園など初心者は「8-8-8」を使うほうが無難でしょう。各肥料メーカーは、野菜や花など幅広く施用できる肥料として「8-8-8」の化成肥料を多く販売しています。

「8-8-8」のメリット

「8-8-8」の化成肥料のメリットには、以下のようなことが挙げられます。

  • 窒素、リン酸、カリウムをバランス良く配合しているため、野菜や花など幅広い種類の作物に施用しやすいです。
  • 各要素の含有量が少ないため、濃度障害なども起きにくく、初心者でも扱いやすいです。
  • 「14-14-14」などの高度化成肥料と比較した場合、各要素の含有量が少ないため、手で撒いたりしたときの多少の斑などは気にしなくても問題にならない。

「14-14-14」のメリット

「14-14-14」の化成肥料のメリットには、以下のようなことが挙げられます。

  • 「8-8-8」「7-7-7」などの普通化成肥料と比較した場合、含有率が2倍あることから、単純に施用量を半分程度にできます。
  • 施用量を抑えられるため、搬送・運搬、散布作業の手間が軽減されます。
  • 施用量を抑えられるため、生産にかかるコストを低減できます。特に肥料が高騰している昨今では重要なコスト低減策です。

化成肥料の選び方「8-8-8」と「14-14-14」

最終的に「8-8-8」と「14-14-14」どっちを使えばいいんだろうと悩む方もいると思います。シンプルに下記のどちらに当てはまるかで決めると良いでしょう。

  • 「8-8-8」の化成肥料が向いている場面
    • 土作りや栽培、肥料の扱いに慣れていない場合
    • 栽培の面積がそこまで大きくなく、コストを気にしない場合
  • 「14-14-14」の化成肥料が向いている場面
    • 土作りや栽培、肥料に対する熟練度が高い場合
    • 栽培面積が大きく、コストを可能な限り抑えたい場合
    • 作業効率を向上させたい場合
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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