サッカー場などの競技場から公園、ご家庭の庭まで、芝生はさまざまなところに植えられています。芝生の緑色は、心安らぐ空間を与えてくれます。
綺麗な芝生を作るためには、芝生の境界線をスッキリさせる必要があります。芝生に使われる芝草は、地下茎や根だけではなく、匍匐茎(ランナー)を伸ばして栄養繁殖するため、境界線を根止めでしっかり処理する必要があります。
本来であれば、根止めのストッパーやレンガなどで根止め処理をしますが、少しでもコストを安く抑えたいものです。100均(100円ショップ)で販売されているもので代用はできないでしょうか?
この記事では、100均で販売されている根止めストッパーの代用できそうな商品、根止めの目的とやり方を紹介します。
芝生の根止め(芝止め)とは
芝生の根止めとは、芝の根や地下茎、匍匐茎(ランナー)が芝生の敷地外に伸びていくのを防止するための作業です。芝止めと呼ばれることもあります。
例えば、芝生の隣に花壇や植木がある場合、芝の侵入を防ぐためその境目に芝の根ガードや根止めシートを設置します。芝生は私たちが思っているよりも強く、繁殖する植物で、庭に芝生を植えると花壇や通路などによくはみ出してきます。
根止め(芝止め)100均で購入できる代用できそうな商品
根止めは通常、芝の根ガードや根止めシートなどを使って施工しますが、100均(100円ショップ)のものでそれらの代用となる商品はあるのでしょうか。実際に店舗を回って使えそうなものを探してみました。
金属製のブックスタンド
100均(100円ショップ)の金属製のブックスタンドは、芝止めに使えるかもしれないと思いました。金属製なのでヨレたりもしないですし、土壌に挿し込むときもハンマーで簡単に設置できそうです。
ただし、ただの1枚の板ではなくL字型になっているので、その部分が余ります。しかし、強度も十分で地下茎、匍匐茎(ランナー)の侵入を防ぐには十分でしょう。庭のほんの一部分など小さな面積で芝生を植えている方には良いかもしれません。
防草シート
100円ショップには、防草シートも売られています。防草シートは本来、雑草を抑えるために地表に張るものですが、根止めシートと同じように境目となる場所の地中に埋め込むことで、根止めができるかもしれません(試していないのでなんとも言えませんが…)。
ただし、強度もなく耐候性もどのくらいあるかはわかりませんのでかなり不安です。また、シートがヨレるため、地上部の匍匐茎(ランナー)の侵入は防げなさそうです。
実際、根止めガードもホームセンターにて1個100円以下で購入できるので、100均(100円ショップ)で購入しなくても良い気がします。
芝生の根止め(芝止め)の目的
根止め(芝止め)の目的は、「想定している芝生の敷地よりも外に繁殖しないようにすること」です。芝生と花壇や植木などの境目をしっかりと根止めしておくことで、以下のようなメリットが生まれます。
- 花壇の花や植木の生長に対する影響を少なくできる
- 境界を綺麗に保つことで、より芝生の綺麗さが映え、庭全体が整備されている印象を与えることができる
芝生に使われる芝草は、品種によって地下茎、匍匐茎(ランナー)を持つかが分かれます。多くの品種は地下茎、匍匐茎(ランナー)を持ちます。そのため、芝生の多くの品種は栄養生殖が可能です。
芝苗(切り芝)を張る芝張りの作業は、栄養繁殖による植え付けということになります。しかし、西洋芝は種子繁殖による芝生の造成が主流であることが多いです。切り芝による造成は野芝(ノシバ)や高麗芝(コウライシバ)に関しては主流でしたが、最近では種子繁殖を可能とする技術(催芽処理技術など)が発達し、種子からの繁殖も容易に行えるようになってきています。
生育条件が揃うと地下茎や匍匐茎(ランナー)をどんどん伸ばして増殖します。薄くなっている場所や傷んでいる場所であれば、芝生の繁殖は大歓迎ですが、関係のないところにまで伸びてしまうのです。
伸びてしまってから除去することも可能ですが、土を掘り起こしたりしなければならず、多大な労力がかかります。そのため、そうなる前に根止め(芝止め)をしておき、芝の繁殖範囲を制限しておきましょう。
定期的なエッジカット、際刈り(キワ刈り)も重要な作業です。芝刈りなどのタイミングで、際の伸びたランナーや地下茎、根を切って綺麗に整えましょう。
芝生の根止め(芝止め)に使う資材と施工方法
芝生の根止め(芝止め)は、簡単に実施することができます。根止めは、通常以下の資材を使ってやります。
- 芝の根ガード
- 根止めシート(芝止めシート)
- レンガやブロック
- 畦板(アゼ板)、畦波板(アゼ波板)
どの施工方法もそうですが、全てを地中に埋めず、3〜5cmほどは地上に出すようにしましょう。匍匐茎(ランナー)の侵入を防ぎます。
芝の根ガードを使う場合
芝の根ガードは、花壇や畑の区切り、芝の根の侵食を防ぎたいときに使用します。芝生の境目に埋め込むことで、地下茎や匍匐茎の侵入を防ぎます。
上記の画像のように連結することができ、隙間からの侵入も防いでくれます。
施工方法は、簡単で埋め込むだけです。簡単に手順を記載しますので、参考にしてください。
- 境目部分の芝が伸びている場合には、芝刈り、際刈り、エッジカットをしておく。
- 挿し込む場所の土壌が柔らかい場合には、ゴム製のハンマーなど柔らかいもので叩きながらガードを挿し込む。
- 土壌が固い場合には、ターフカッターやスコップなどで隙間を作って挿し込む。
根止めシートを使う場合
根止めシートは、花壇や畑の区切り、芝の根の侵食を防ぎたいときに使用するシートです。シート状のため、境界部分が直線ではない場所に容易に設置できます。また、根止めガードのように連結する必要はありません。
根止めシートを使う場合には、境界部分にシートを埋設します。シートが途切れる部分は、シートを重ね合わせて芝生の侵入を防ぎましょう。専用のジョイントパーツが売られている場合もあります。
簡単に手順を記載しますので、参考にしてください。
- 境目の芝が伸びている場合には、芝刈り、際刈り、エッジカットをしておく。
- ターフカッターやスコップなどで隙間を作ってシートを挿し込む。
レンガやブロックを使う場合
レンガやブロックも地中に埋め込むことで、根止めの効果が期待できます。芝止めガードなどに比べると施工が少し大変ですが、境界にレンガを並べると、綺麗な印象を与えることができます。
庭のインテリアにこだわりのある方は、レンガを使ってみるのも良いかと思います。施工は、芝止めガードなどと同じように実施し、レンガを埋め込むときにはスコップ(シャベル)で掘って埋めると安定しやすいです。
畦板(アゼ板)、畦波板(アゼ波板)を使う場合
畦板(アゼ板)、畦波板(アゼ波板)も根止めに使うことができます。本来の用途は、田んぼの畦の水止めをするなどに使われますが、材質的には根止めガードと同じようにプラスチックで使いやすいです。また、耐候性の高いものもあるので長期に渡って使用できます。
ただし、形状が波打っているので、使用にあたっては場所を選びそうです。